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消えた「人気ブランド」は誰のもの? 木村拓哉も愛用した「TENDERLOIN」の商標、第三者が取得できたワケ
2025年10月19日 08時23分
#商標登録 #テンダーロイン #TENDERLOIN

ストリート系ファッションとして人気を博したブランド「TENDERLOIN(テンダーロイン)」の商標をまったく関係のない企業が取得していたことがわかり、SNSで話題になっています。

「TENDERLOIN」は1997年に誕生したストリート系ファッションブランドで、木村拓哉さんをはじめ多くの芸能人が愛用していたことでも知られています。2023年ごろまでに店舗が閉店し、現在はブランド活動を終了しているとされています。

しかし、2024年10月、第三者による「TENDERLOIN」に関する商標登録が認められていたことがわかりました。大阪府東大阪市の企業は今年3月、自社サイトに「2024年10月にTENDERLOINの商標を取得いたしました。過去に存在したTENDERLOINとは関係ございません」と告知しています。

特許庁は当初、「TENDERLOINはサンフランシスコの地名であり識別力に欠ける」「かつて存在したブランドの信用に便乗するおそれがある」などとして出願を拒否していました。

しかし、出願人側は「tenderloin」は本来「牛ヒレ肉」を意味する一般語であり、地名や旧ブランドとは無関係だと主張。さらに旧ブランドの商標権は2022年11月に抹消され、販売終了も広く知られていると反論していました。

結果的に、特許庁は出願人の主張を認め、「TENDERLOIN」の登録を許可。かつての有名ブランド名が「第三者の手」に渡ることとなりました。

活動を終えたブランドの商標はどうなるのか。知的財産法にくわしい冨宅恵弁護士に聞きました。

ストリート系ファッションとして人気を博したブランド「TENDERLOIN(テンダーロイン)」の商標をまったく関係のない企業が取得していたことがわかり、SNSで話題になっています。

「TENDERLOIN」は1997年に誕生したストリート系ファッションブランドで、木村拓哉さんをはじめ多くの芸能人が愛用していたことでも知られています。2023年ごろまでに店舗が閉店し、現在はブランド活動を終了しているとされています。

しかし、2024年10月、第三者による「TENDERLOIN」に関する商標登録が認められていたことがわかりました。大阪府東大阪市の企業は今年3月、自社サイトに「2024年10月にTENDERLOINの商標を取得いたしました。過去に存在したTENDERLOINとは関係ございません」と告知しています。

特許庁は当初、「TENDERLOINはサンフランシスコの地名であり識別力に欠ける」「かつて存在したブランドの信用に便乗するおそれがある」などとして出願を拒否していました。

しかし、出願人側は「tenderloin」は本来「牛ヒレ肉」を意味する一般語であり、地名や旧ブランドとは無関係だと主張。さらに旧ブランドの商標権は2022年11月に抹消され、販売終了も広く知られていると反論していました。

結果的に、特許庁は出願人の主張を認め、「TENDERLOIN」の登録を許可。かつての有名ブランド名が「第三者の手」に渡ることとなりました。

活動を終えたブランドの商標はどうなるのか。知的財産法にくわしい冨宅恵弁護士に聞きました。

●有名ブランドでも第三者が商標を取れるのか

──かつて有名だったブランド名でも、商標権が切れた後は第三者が登録できるのでしょうか。

特許庁は、出願された商標が外国で著名なブランドと同一・類似する場合、盗用と推認して出願を拒絶します。

今回も当初は、その理由で拒絶されましたが、出願人側は、「TENDERLOIN」はメンズ向けのストリート系ファッションという限定的な分野のブランドで、公式サイトもなく、すでに販売終了が周知されていると反論し、最終的に特許庁は登録を認めました。

●無効を求めることはできるのか

──登録が認められたあとでも、「TENDERLOIN」の商標を無効にできる可能性はありますか。

登録が認められた商標も、常に有効とは限りません。商標法では、登録後でも客観的に「登録すべきでない理由」があれば、無効にできると定められています。

具体的には、

・不正な利益を得る目的で、日本や外国において広く認識されている他人の商品を表示する商標(登録されている必要はありません)と同一・類似している場合

・新たに登録された商標が、商品の品質を誤認させるおそれがある場合

こうしたケースでは、誰でも無効の請求をおこなうことができます。

今回の件でも、出願者が旧ブランドの信用を利用して、不正な利益を得ようとしたと認定されれば、商標は無効になる可能性があります。

また、新たに販売されている商品の品質が、かつての「TENDERLOIN」と比べて著しく劣る場合も、品質を誤認させるおそれがあるとして無効理由に該当します。

ただし、旧ブランドがすでに活動を終了しているため「不正な利益を得ようとした」ことや、「社会公益的に無効にすべき事情」を立証するのは難しく、請求は容易ではないと思われます。

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