4735.jpg
年度途中で辞めても「有給休暇」は全部もらえる 会社を一蹴したツイッター民が話題
2018年07月22日 09時27分

年度途中で退職した場合、年次有給休暇(有休)は何日付与されるのでしょうか。この論点をめぐり、7月11日にあるツイートが話題になりました。

投稿者のむぎ(@MUGI1208)さんは、この8月で会社を退職します。そのことで、このほど上司と有休について相談をすることになりました。

その場で、上司から提示されたのは、有休の「按分」でした。むぎさんには、今年4月に20日分の有休が付与されていましたが、「年度の途中で退職するのだから、8日分しか認めない」と言うのです。

これに対し、むぎさんは、「会社の希望に過ぎない」と一蹴。だったら、今までに消滅した有休分も休むと応酬しました。やり取りを報告するツイートは4000回以上RTされ、胸のすくような切り返しに賞賛が集まっています。

年度途中で退職した場合、年次有給休暇(有休)は何日付与されるのでしょうか。この論点をめぐり、7月11日にあるツイートが話題になりました。

投稿者のむぎ(@MUGI1208)さんは、この8月で会社を退職します。そのことで、このほど上司と有休について相談をすることになりました。

その場で、上司から提示されたのは、有休の「按分」でした。むぎさんには、今年4月に20日分の有休が付与されていましたが、「年度の途中で退職するのだから、8日分しか認めない」と言うのです。

これに対し、むぎさんは、「会社の希望に過ぎない」と一蹴。だったら、今までに消滅した有休分も休むと応酬しました。やり取りを報告するツイートは4000回以上RTされ、胸のすくような切り返しに賞賛が集まっています。

●途中で辞めようが、もらった有休はもらった分だけ使う権利がある

法律的には、むぎさんが主張する通り、有休の按分は認められません。もしも、むぎさんのような状況になったら、どんな根拠で会社に反論したら良いのでしょうか。大久保修一弁護士は次のように解説します。

「有休は、労働基準法39条に定められている労働者の権利です。使用者は、(1)6カ月間継続して在籍していて、(2)契約上、出勤しなければならない日のうち8割以上を出勤した労働者には、10日(勤続年数に応じて最大20日間)の有休を与えなければなりません。

この『有休を与えなければならない』というのは、労働者が有休を使うことを妨害してはいけないという法律上の義務を、使用者が負うことを意味しています(国鉄郡山工場賃金請求事件・最判昭和48・3・2、全林野白石営林署未払賃金請求事件・最判昭和48・3・2)。

むぎさんのケースでは、今年の4月には20日分の有休を使う権利が、法律上付与されているということだと考えられます。

『年度の途中で退職するのだから、8日分しか認めない』という主張は、むぎさんが20日分の有休を使うことを妨害することに他なりません。これは、会社が守るべき法律上の義務に違反する違法行為です」

●残った有休もちゃんと使える根拠がある

労働基準法という法的根拠があるので、仮に会社の就業規則等に記載があっても按分はできません。しかし、有休があっても退職までに使えないと意味がありません。この点はどうでしょうか。

「有休の趣旨は、休憩や休日とは別に一定期間の余暇を保障することで、労働者の健康や家族・友人との豊かな生活を確保することにあります。在職中に適宜、自由に有休を利用させることが大切なのです。

先ほども述べたように、会社は要件を満たした労働者には、有休を与える義務があります。労働者が残っている有休を退職前にまとめて消化しようとしても、会社はこれを拒否することはできません」(大久保弁護士)

会社からすれば、途中退職する従業員に1年分の有休を付与することは不満かも知れませんが、その発想がそもそも間違っているということです。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る