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まるでブチャラティ? 塾講師が「嘘をついてないか確認する」と耳を舐めて逮捕されたワケ
2018年11月04日 10時54分

「この味は!…ウソをついてる『味』だぜ…ジョルノ・ジョバーナ!」。現在放送中のテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」で、後に仲間となるブローノ・ブチャラティが、主人公のジョルノのほおを不意に舐め、このようなセリフを吐くシーンがあるのだが、似たような行為が現実に起きてしまった。

兵庫県警宝塚署は11月1日、学習塾で教え子の男子中学生(3年生)の耳をなめたとして、強制わいせつの疑いで塾講師を逮捕した。

報道によると、塾講師は8月14日午後5時ごろ、生徒が友達とふざけ合っていた際に、「うそをついていないか耳をなめて確認するぞ」と言って、両腕をつかみ、右耳をなめまわしたという。塾講師はわいせつ目的ではなかったと、容疑を一部否認している。

この事件を受けて、ネットでは、ジョジョの奇妙な冒険との関連性が話題になったが、もし本当にうそをついていないか確認するためだったとしても、強制わいせつの疑いとなってしまうのか。西口竜司弁護士に聞いた。

「この味は!…ウソをついてる『味』だぜ…ジョルノ・ジョバーナ!」。現在放送中のテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」で、後に仲間となるブローノ・ブチャラティが、主人公のジョルノのほおを不意に舐め、このようなセリフを吐くシーンがあるのだが、似たような行為が現実に起きてしまった。

兵庫県警宝塚署は11月1日、学習塾で教え子の男子中学生(3年生)の耳をなめたとして、強制わいせつの疑いで塾講師を逮捕した。

報道によると、塾講師は8月14日午後5時ごろ、生徒が友達とふざけ合っていた際に、「うそをついていないか耳をなめて確認するぞ」と言って、両腕をつかみ、右耳をなめまわしたという。塾講師はわいせつ目的ではなかったと、容疑を一部否認している。

この事件を受けて、ネットでは、ジョジョの奇妙な冒険との関連性が話題になったが、もし本当にうそをついていないか確認するためだったとしても、強制わいせつの疑いとなってしまうのか。西口竜司弁護士に聞いた。

●わいせつ目的かどうかに関わらずアウト、ブチャラティの場合は…

「ジョジョですか、懐かしいですね。子どものころよく読んでました。

刑法176条では、『13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする』とされています。

中学3年生に対して、『うそをついていないか耳をなめて確認するぞ』と言って、両腕をつかんで右耳をなめまわすことは、『暴行又は脅迫を用いて』ということになるでしょう。

あとは、『わいせつな行為』といえるかどうかです。『わいせつな行為』とは、本人の性的羞恥心の対象となるような行為をいいます。例えば、無理やりキスをすれば『わいせつな行為』にあたります。

耳を舐めるのもキスと同様の行為であり、被害者の性的な羞恥心の対象になりますので、当然に『わいせつな行為』にあたります」

もし、ブチャラティのように、うそをついてないか確認する目的で、わいせつ目的ではなかったとしてもダメなのか。

「現在の最高裁判所の考え方(2017年11月29日の最高裁判決)によりますと、犯人の性的意図は不要であると判断されており、本罪の関係とは無関係です。性的意図があったかなかったかは関係ありません」

ジョジョの作品中では、ブチャラティがケーブルカーの窓の外から、車内にいる主人公ジョルノに迫り、不意にほおをなめるという行為だったが、これも日本で起きた場合には、強制わいせつになるのか。

「そういう可能性はあります。反抗できない状態でほおをなめる行為が暴行であり、わいせつな行為であると考えることができます」

(弁護士ドットコムニュース)

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