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達成できない目標で「お前はダメだ」と退職勧奨 「リストラ電話相談」NPOが実施
2016年02月25日 14時55分

労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」では、退職勧奨を受けたり、不当な部署異動を命じられたなどの悩みを抱える労働者を対象にした電話相談「年度末リストラ・追い出し部屋ホットライン」を、2月28日(日)に実施する。POSSEによれば、例年2、3月は、新年度にむけて解雇やリストラに踏み切る企業が増えるという。

同法人スタッフの佐藤学さんに、ホットラインの狙いについて話を聞いた。

労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」では、退職勧奨を受けたり、不当な部署異動を命じられたなどの悩みを抱える労働者を対象にした電話相談「年度末リストラ・追い出し部屋ホットライン」を、2月28日(日)に実施する。POSSEによれば、例年2、3月は、新年度にむけて解雇やリストラに踏み切る企業が増えるという。

同法人スタッフの佐藤学さんに、ホットラインの狙いについて話を聞いた。

●「業務改善プログラム」で精神的に追いつめる

「会社は色々な手法で、労働者を退職に追い込みます。単に『辞めてくれ』とつきつけるだけではありません」。佐藤さんはこのように話す。

「最近よく見られるのは、『業務改善プログラム』とよばれる改善指導研修を受けさせ、退職に追い込む手法です。例えば、あるテーマについてのレポートを提出させ、どんなにきちんと書いたものでも『ダメだダメだ』と難癖をつけたり、未経験の部署で到底、達成できないような高い目標に取り組ませ、『お前はダメだ』と低い評価をつける。

課題をこなしても難癖をつけられていると、しだいに『会社にはいられない』と精神的に苦しくなっていき、自ら辞めざるを得ない状況に追い込まれるのです」

●「適切な措置をとれば解決できる」

会社から退職勧奨を受けた場合、どう対応すればいいのか。佐藤さんによると、「誰からいつ、どんな内容で退職勧奨を受けたのか」といった証拠を録音しておくことが重要だという。また、退職することについて一度サインをしてしまうと撤回することが難しいため、「安易に合意せず、まずは早めに私たちに相談してほしい」と話す。

「本来、正社員であれば、会社と労働者は60歳なり65歳なり、定年までの雇用関係を約束している。経営がとても悪いなど逼迫した状況がないにもかかわらず、約束を途中で打ち切るということは、違法です。争う余地はあり、適切な方法をとれば、解雇を撤回できる可能性が高い」


ホットラインは2月28日(日)17時〜21時にかけて行われる。電話番号は「0120ー987ー215」。相談は無料。専門のスタッフが、退職勧奨や不当な部署異動を命じられたときの対処法をアドバイスする。必要に応じて、各地域の弁護士や労働組合を紹介するという。

(弁護士ドットコムニュース)

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