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弁護士が描いたLINEスタンプ「欲望の裁判所」作者・中村真弁護士に「真意」を聞く
2014年12月07日 12時44分

「スタンプ」という手軽なコミュニケーションのスタイルで、スマホユーザーの多くが愛用しているメッセージアプリ「LINE」。もともとは運営会社やスポンサー企業だけがスタンプを制作・配布することを許されていたが、今年4月から「一般開放」された。クリエイターズマーケットと呼ばれる場で、誰でも、自分が作ったスタンプを販売できるようになったのだ。

この「クリエイターズスタンプ」には、イラストレーターや芸能人から主婦、小学生まで、さまざまな人が参加しているが、そのなかには弁護士もいる。兵庫県神戸市を拠点に活動する中村真弁護士だ。そのスタンプのセットには「欲望の裁判所」というタイトルがつけられている。

そこに描かれているのは、法律家らしく、弁護士や検察官、裁判官といった人々。さらに、裁判所書記官や交通事故の当事者といった面々も登場する。そんなキャラクターたちが「異議あり!!」「あなたウソはいけませんよ」といった法廷ドラマに出てきそうな言葉を発しているのだ。

中村弁護士は、どんな気持ちでスタンプを作ったのか。その真意を聞いてみた。 (取材・構成/関田真也)

「スタンプ」という手軽なコミュニケーションのスタイルで、スマホユーザーの多くが愛用しているメッセージアプリ「LINE」。もともとは運営会社やスポンサー企業だけがスタンプを制作・配布することを許されていたが、今年4月から「一般開放」された。クリエイターズマーケットと呼ばれる場で、誰でも、自分が作ったスタンプを販売できるようになったのだ。

この「クリエイターズスタンプ」には、イラストレーターや芸能人から主婦、小学生まで、さまざまな人が参加しているが、そのなかには弁護士もいる。兵庫県神戸市を拠点に活動する中村真弁護士だ。そのスタンプのセットには「欲望の裁判所」というタイトルがつけられている。

そこに描かれているのは、法律家らしく、弁護士や検察官、裁判官といった人々。さらに、裁判所書記官や交通事故の当事者といった面々も登場する。そんなキャラクターたちが「異議あり!!」「あなたウソはいけませんよ」といった法廷ドラマに出てきそうな言葉を発しているのだ。

中村弁護士は、どんな気持ちでスタンプを作ったのか。その真意を聞いてみた。 (取材・構成/関田真也)

●司法修習生のとき、「裁判官の似顔絵」を描いていた

ーーふだんは弁護士として、どのような業務をしているのですか?

主に扱っているのは、交通事故事件や破産事件、企業法務案件などです。特に交通事故については、自分が所属していた事務所が依頼を受けていた関係から、10年以上にわたり一貫して取り組んでいます。

また、同期や先輩の弁護士らとともに暴力団の組事務所の使用禁止を求めた地域住民側の代理人となり、勝訴的な和解を勝ち取った事件を担当したこともあります。

ーー「弁護士がLINEスタンプを描いた」と聞くと、意外に思う人も多いかもしれません。

実は、小さいころから、マンガのキャラクターの絵を描いたりするのが好きだったんですね。一時期、絵を習っていたこともあります。

司法試験の合格後は司法研修所に入って、弁護士になるための実務的な修習を受けましたが、そこでも引き続き、絵を描いていました。

ーー司法研修所では、どのような絵を描いていたのでしょうか?

民事裁判の修習では、交通事件を扱う部に配属されたのですが、交通事故の案件では、被害者の体のどの部分の骨が折れているのか、それがどのように機能的問題につながるのかを正しく理解することが、賠償額を決める際に非常に重要になるんですね。事件の調査のなかで、骨の絵を描いて部位を確認するときに、イラストを活用していました。

あとは、交通事故の状況を図解して、事件を記憶に残すのに役立てたり、休憩中に担当裁判官の似顔絵を描いたりしていました。

ーースタンプを作る際には、どのようなことを工夫しましたか?

LINEのクリエイターズマーケットがオープンした直後は、ネコやウサギといったカワイイ系や、面白系のオリジナルキャラがあふれていました。

自分はそういうテイストのイラストは描けないので、ふだん仕事をしている「法律家の世界」を舞台にして、自分自身が日常のLINEトークで使いたいものを作ろう、と考えました。

●「日常生活でも使いやすいように作っている」

ーースタンプで描かれているのは、具体的にどういった場面なのでしょうか?

法廷でのやり取りや弁護士同士の打ち合わせ、相手方弁護士との交渉の場面などが中心になっています。ちなみに、弁護士は自分がモデルです。

手帳とペンを出して「あいにく差し支えです」と言っているスタンプは、裁判所で次回の期日を決めるときによく見る光景です。裁判官から候補となる日を示されとき、予定がすでに入っていた場合に、弁護士が口にする「お決まりのセリフ」なのです。

証言台に立つ人が「こっちこそ被害者です」と言っている場面は、民事裁判でも刑事裁判でも、相手方への反論としてよく耳にするフレーズです。

ーー裁判官のスタンプは「君は有罪」と断じていたり、居眠りをしているものがありますが、現実にあることなのでしょうか?

このスタンプは、面白さを出すためにちょっとオーバーに描いてます(笑)。現実には、被告人にこんなことを言う裁判官はいませんね。

ただ、居眠りをする裁判官は、よく見てみると、いないこともないような気がします。

ーースタンプを買ってくれた人から、感想は届いているでしょうか?

いくつかいただいていますが、「家族に送るスタンプとしては使いにくい」と言われています(笑)

法律家のやり取りは、相手方と対立関係にあるため表現が穏やかでなかったり、裁判所で使われることから表現が硬くなりがちだからでしょうか・・・

ーースタンプの売れ行きはどうでしょうか?

発売開始から今までで、1000個くらいは売れているようです。買ってくれているのは、ほとんど法律業界の方のようですが。

一応、日常生活でも使いやすいようにと考えて作っているので、一般の方にも、ぜひ買っていただきたいと思っています。

ーー「クリエイター」としては、今後、どのような活動をしていきたいですか?

弁護士の業務として調べた知識などをまとめたり、弁護士業界のネタをイラストつきで書いたりしているブログ(WebLOG弁護士中村真 http://nakamuramakoto.blog112.fc2.com/)をやっています。

法律の仕事をしている人などに楽しんでもらっているようですし、自分も書くことでストレス解消になっているので、これは続けていきたいですね。

あとは、もう一つスタンプを作って、「欲望の裁判所2」をクリエイターズマーケットで売りたいと思います。いつになるか分かりませんが。

「欲望の裁判所」LINEスタンプ  https://store.line.me/stickershop/product/1051833/ja

(弁護士ドットコムニュース)

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