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元AKB・岩田華怜さんストーカー逮捕、芸能人が抱えるリスクにどう立ち向かうか
2018年07月07日 09時37分

元AKB48メンバーで女優の岩田華怜さん(20)につきまとい行為を繰り返したとして、警視庁は6月19日、ストーカー規制法違反の疑いで東京都江戸川区の40代男性を逮捕した。

報道によると、容疑者は、2013年に握手会で岩田さんにプロポーズ。その後、出入り禁止になったにもかかわらず、つきまとい行為を繰り返したほか、SNSなどで誹謗中傷や、謝罪の強要をおこなった。2017年に警告が出されていたものの、今年4月に岩田さんが出演するミュージカルに押しかけるなどしたため、逮捕されたという。

2013年の握手会から2018年の逮捕まで約5年が経過している。なぜ、もっと早く逮捕できなかったのか。頻発する芸能人に対するストーカーをどう考えればいいのか。泉田健司弁護士に聞いた。

元AKB48メンバーで女優の岩田華怜さん(20)につきまとい行為を繰り返したとして、警視庁は6月19日、ストーカー規制法違反の疑いで東京都江戸川区の40代男性を逮捕した。

報道によると、容疑者は、2013年に握手会で岩田さんにプロポーズ。その後、出入り禁止になったにもかかわらず、つきまとい行為を繰り返したほか、SNSなどで誹謗中傷や、謝罪の強要をおこなった。2017年に警告が出されていたものの、今年4月に岩田さんが出演するミュージカルに押しかけるなどしたため、逮捕されたという。

2013年の握手会から2018年の逮捕まで約5年が経過している。なぜ、もっと早く逮捕できなかったのか。頻発する芸能人に対するストーカーをどう考えればいいのか。泉田健司弁護士に聞いた。

●芸能人へのストーカー行為をどう考えるか

「なぜ、ここまで時間がかかったのか、正直、第三者にはわかりません。

警察が動いてくれなかったのかと考えてしまいがちですが、ストーカー殺人事件の教訓から、警察も、この種の深刻な事案を見過ごすということは少なくなっていると思います。

もしかすると、岩田さんが芸能人だという点が特殊で、犯罪者である『ストーカー』と熱心なファンである『おっかけ』を区別するのが難しかったのかもしれません。

たとえば、一般人を会社の前で待ち伏せしたらストーカーですが、芸能人の出待ちをしたからといってストーカーにはなりません。また、一般人に手紙を短期間に何十通も送付したらストーカーとなりえますが、芸能人にファンレターを何十通送付してもそれだけではストーカーにはなりません。

ストーカー行為等規制法では、つきまとい行為等に対して、悪質さに応じて、『警告』『禁止命令』そして『刑罰』というメニューを用意しています。

悪質事案では、いきなり『逮捕』ということもありますが、通常は、まず『警告』がなされます。『警告』では対処できない事案では、『禁止命令』が出され、つきまとい行為等を禁止します。そして、最終的には、『逮捕』に至ります」

女優の菊池桃子さんなど、芸能人へのストーカーが頻発している。防止するためには、どのようなことが重要になるのか。

「芸能事務所などが、ここまでいったら警察等に相談するというような線引きのような基準を作り、早期に対処するとよいと思います。ストーカー犯罪は、加害者の被害者に対する執着心が根本にあります。話がこじれる前であれば、加害者の執着をほどくことが容易なケースもあると思います。

また、警察等に相談するにも、事実関係をきちんと伝えきれない場合もあると思いますので、弁護士に相談するのも有効です。

ただし、加害者の執着心が極端に強い事案であれば、被害者側がどのような対処をとっても、ストーカー行為が繰り返されます。そのため、警察では、加害者がカウンセリング等の治療を受けられるように医療との連携を模索していると聞きます。ストーカー被害を防止するには、加害者に対する医療的アプローチも重要であると思います」

●ストーカー行為は告訴なしで起訴できる「非親告罪」に

今回の逮捕で岩田さんは安堵したようだが、容疑者が社会に戻ってきた後の不安もあるのではないか。

「被害者にとって、警察に相談することはとても勇気がいる行為です。先ほど説明したとおり、警察から『警告』や『禁止命令』を出してもらっても、そのことがきっかけとなって、逆に、加害者のつきまとい行為等がよりエスカレートしてしまったり、謝罪要求に発展したりするなど、報復的行為の恐れがあるからです。

ストーカー行為に対する刑罰は、以前は親告罪とされていました。つまり、被害者が告訴をしなければ検察は起訴できなかったのです。幸いに2017年に法律が改正・施行され、非親告罪となりましたが、これまでは、『逆恨み』を恐れて告訴ができなかった被害者がいたかもしれません。

法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。『禁止命令』が出ているのに懲りずにストーカー行為をした場合は、法定刑が倍になります。

皆さんは、ひょっとすると刑罰が軽すぎるという印象を受けるのではないでしょうか。被害者は、この程度の刑罰しかないならば、逆恨みの方がよほど恐ろしいと感じるかもしれません。刑罰が軽いことが原因で、被害者が泣き寝入りするという事態になっていないか懸念されます。

今回の件で、被疑者がどのような刑罰を受けるかはこれからです。罪となる事実を争っているのかよくわかりませんが、有罪であるならば、二度とこのような行為をする気にならないように、司法の役割が大きいと思います。

今回、この記事にコメントするにあたり、岩田さんのツイッターなどをちらちら閲覧させていただきました。とても頑張っていらっしゃる様子が手に取るように伝わってきました。岩田さんが今後も安心して芸能活動を続けられるように願っています」

(弁護士ドットコムニュース)

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