5596.jpg
子どもがネットゲームで「高額課金」! 「取消」ができるのはどんなとき?
2014年01月02日 11時55分

ある日突然、クレジットカード会社から身に覚えのない高額な請求書が届く。確認してみると、子どもがオンラインゲームの有料サービスを利用していた――。そんなトラブルが急増しているという。

国民生活センターによると、インターネット上のゲームに関する相談件数は2009年度以降、年々増加している。特に2013年度は、未成年者がらみの相談が11月15日時点で1341件も寄せられており、前年度の同時期に比べて約2.5倍の勢いで伸びているという。

目立つのが、親の知らぬ間に子どもがゲーム内の有料アイテムを購入したというケースだ。国民生活センターのホームページでも、6歳の女児が親のタブレットを使って、オンラインゲームの有料アイテムを10万円以上購入していた事例が紹介されている。

このように、未成年の子どもが親に無断でゲーム内でのアイテムを購入した場合、親が責任をとって料金を支払わなければならないのだろうか。日弁連・消費者問題対策委員会の幹事をつとめる岡田崇弁護士に聞いた。

ある日突然、クレジットカード会社から身に覚えのない高額な請求書が届く。確認してみると、子どもがオンラインゲームの有料サービスを利用していた――。そんなトラブルが急増しているという。

国民生活センターによると、インターネット上のゲームに関する相談件数は2009年度以降、年々増加している。特に2013年度は、未成年者がらみの相談が11月15日時点で1341件も寄せられており、前年度の同時期に比べて約2.5倍の勢いで伸びているという。

目立つのが、親の知らぬ間に子どもがゲーム内の有料アイテムを購入したというケースだ。国民生活センターのホームページでも、6歳の女児が親のタブレットを使って、オンラインゲームの有料アイテムを10万円以上購入していた事例が紹介されている。

このように、未成年の子どもが親に無断でゲーム内でのアイテムを購入した場合、親が責任をとって料金を支払わなければならないのだろうか。日弁連・消費者問題対策委員会の幹事をつとめる岡田崇弁護士に聞いた。

●未成年者の交わした契約は「取り消すことができる」が・・・

「必ずしも支払わないといけないわけではありませんし、既に支払っていたとしても、取り戻せる場合もあります」

具体的には、どのような場合には支払わずに済んで、どのような場合なら支払わなければならないのだろうか?

「子どもが遊んでいて、オンラインゲームでアイテムを購入した場合、子どもとゲーム会社との間にアイテム購入契約が締結されたことになります。

そのため、子どもが未成年であれば、民法上、アイテム購入契約の未成年者取り消しが可能です(民法5条2項)」

ざっくりいうと「未成年者が交わした契約は取り消すことができる」というルールだが、これには例外もあるようだ。

「もっとも、(1)親権者の同意があった(民法5条1項)、(2)子どもが自分の小遣い銭(目的を定めて処分を許した財産)を処分した(民法5条3項)、(3)未成年者が、『自分は成年者である』とか『親権者の同意がある』などと相手を騙していた(民法21条)ときには取り消しができません」

●考慮すべきポイントは?

返してもらえるかどうかを考える際、注意すべきポイントは、どのようなものなのだろうか?

「実際には、様々な要素によって、ケースバイケースで『取消』ができるかどうか異なってくると思われます。ポイントとなってくるのは、次のような要素でしょう。

(a)使っていた情報機器の所有者や通信契約の名義人、使用者がそれぞれ誰か

(b)親が情報機器の使用やゲームアイテムの購入について同意していたか否か

(c)ゲームやプラットフォーム(Apple、Google、GREE、Mobageなど)内で親の同意について確認があったか、あったとすればどのような確認方法だったか

(d)子どもの年齢

(e)ゲームやプラットフォーム内で年齢について確認があったか、あったとすればどのような確認方法だったか

(f)利用した金額

(g)アイテムを購入していた期間

(h)決済手段

(i)クレジットカード課金の場合、番号を入力したのが親か子どもか

(j)発覚のきっかけ

(k)利用日時から子どもが利用していたといえるか」

具体的には、こうした数多くのポイントを踏まえて、総合的に判断することになるようだ。

岡田弁護士は「親や消費者センターが『未成年者の利用があった』ということをゲーム会社に申し入れたところ、未成年者が利用していたとして課金が取り消された事案もあるようです。ただ、こうした判断は難しいものなので、弁護士等に相談されることを強くお勧めします」とアドバイスしていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る