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「就活塾」に申し込んだら期待外れ 「途中解約」できるのか?
2013年02月18日 16時22分

最近、就職活動をする学生のあいだで、エントリーシートの書き方や模擬面接など実践的なテクニックを伝授する「就活塾」が人気を集めている。さまざまな就活塾を比較できるウェブサイトをみると、就職支援を掲げる塾が100校近くも掲載されているのがわかる。

しかし、就活塾のなかには、学生に強引に契約を迫ったり、就活生にトイレを掃除させるなど就職活動とは直接関係ないような授業を行って、学生から問題視されている塾も存在するようだ。国民生活センターによると、このような悪質な就活塾について「授業が役に立たない」「解約させてもらえない」という相談が寄せられているという。

いったん契約したものの、就活塾の内容があまりにも期待外れだった場合、途中で解約できるのだろうか。その場合、支払った授業料は返金してもらえるのか。佐賀県弁護士会・消費者問題対策委員会委員長をつとめた経験もある大和幸四郎弁護士に聞いた。

●就活塾に申し込んだあとに「中途解約」するのは難しい

「エステ・英会話教室・学習塾・家庭教師といったサービス(役務)は、特定商取引法によって『特定継続的役務提供の指定役務』とされていて、クーリングオフ(中途解約)の対象となります。ところが就活塾は、特定商取引法の指定役務とはいえないので、同法による解約はできないでしょう」

つまり、英会話教室などでは、申込をしたあとでも一定期間内であれば、消費者が一方的に無条件で解約できる「クーリングオフ」という手段が使えるが、就活塾の場合は難しいということだ。

「また、就活塾と契約するときに、授業料を返金しないという『不返還特約』を結び、それを充分に認識して入塾していると思われますので、消費者の利益を一方的に害する条項の無効を定めた消費者契約法第10条の適用も難しいと思います。過去に、類似の事案で同条の適用を否定した裁判例もあります」

このように消費者契約法によって、契約の無効を主張するのも厳しいようだ。「近頃は任意に返金してくれる良心的な塾もあると聞いていますが、もし塾側が応じなければ、入塾後の中途解約による授業料の返還は難しいと思います」と大和弁護士は指摘する。

●「本来のサービスではない」ことを理由に、授業料の返金を求めることは可能

しかし、就職活動とは無関係な授業の場合でも、解約できないというのは理不尽だろう。その点について、大和弁護士は次のように説明する。

「授業内容が内定に結びつかないような場合は、塾側が契約本来のサービスを提供できなかったことになるでしょう。そうであるなら、このことを理由として債務不履行による解除が可能と思います」

このように、就活塾の債務不履行が認められるような場合は、「既払い分も含めて、授業料の返金が可能だろうと思います」ということだ。

志望企業から内定をもらうために就活塾に行くのもいいだろうが、その場合には、複数の就活塾を比較して信頼できそうな塾を選んだり、授業内容を見極めてから入塾を決めたほうが良さそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

最近、就職活動をする学生のあいだで、エントリーシートの書き方や模擬面接など実践的なテクニックを伝授する「就活塾」が人気を集めている。さまざまな就活塾を比較できるウェブサイトをみると、就職支援を掲げる塾が100校近くも掲載されているのがわかる。

しかし、就活塾のなかには、学生に強引に契約を迫ったり、就活生にトイレを掃除させるなど就職活動とは直接関係ないような授業を行って、学生から問題視されている塾も存在するようだ。国民生活センターによると、このような悪質な就活塾について「授業が役に立たない」「解約させてもらえない」という相談が寄せられているという。

いったん契約したものの、就活塾の内容があまりにも期待外れだった場合、途中で解約できるのだろうか。その場合、支払った授業料は返金してもらえるのか。佐賀県弁護士会・消費者問題対策委員会委員長をつとめた経験もある大和幸四郎弁護士に聞いた。

●就活塾に申し込んだあとに「中途解約」するのは難しい

「エステ・英会話教室・学習塾・家庭教師といったサービス(役務)は、特定商取引法によって『特定継続的役務提供の指定役務』とされていて、クーリングオフ(中途解約)の対象となります。ところが就活塾は、特定商取引法の指定役務とはいえないので、同法による解約はできないでしょう」

つまり、英会話教室などでは、申込をしたあとでも一定期間内であれば、消費者が一方的に無条件で解約できる「クーリングオフ」という手段が使えるが、就活塾の場合は難しいということだ。

「また、就活塾と契約するときに、授業料を返金しないという『不返還特約』を結び、それを充分に認識して入塾していると思われますので、消費者の利益を一方的に害する条項の無効を定めた消費者契約法第10条の適用も難しいと思います。過去に、類似の事案で同条の適用を否定した裁判例もあります」

このように消費者契約法によって、契約の無効を主張するのも厳しいようだ。「近頃は任意に返金してくれる良心的な塾もあると聞いていますが、もし塾側が応じなければ、入塾後の中途解約による授業料の返還は難しいと思います」と大和弁護士は指摘する。

●「本来のサービスではない」ことを理由に、授業料の返金を求めることは可能

しかし、就職活動とは無関係な授業の場合でも、解約できないというのは理不尽だろう。その点について、大和弁護士は次のように説明する。

「授業内容が内定に結びつかないような場合は、塾側が契約本来のサービスを提供できなかったことになるでしょう。そうであるなら、このことを理由として債務不履行による解除が可能と思います」

このように、就活塾の債務不履行が認められるような場合は、「既払い分も含めて、授業料の返金が可能だろうと思います」ということだ。

志望企業から内定をもらうために就活塾に行くのもいいだろうが、その場合には、複数の就活塾を比較して信頼できそうな塾を選んだり、授業内容を見極めてから入塾を決めたほうが良さそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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