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AV出演を強要された女性「息ができなくなるくらい苦しかった」 NPOがシンポ開催
2016年05月27日 08時05分

若い女性たちが意に反するかたちでアダルトビデオ(AV)への出演を強要されている問題について考えるシンポジウムが5月26日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれた。主催は今年3月に被害実態の調査報告書を発表したNPO法人ヒューマンライツ・ナウ。弁護士や被害者支援団体の代表らが登壇し、実態を語った。

シンポジウムの冒頭には、実際に被害にあったという女性がVTRで登場した。女性のプライバシーへの配慮から、顔を映さず、声も変えた映像だった。女性は、ときおり声を震わせながら「息ができなくなるくらい苦しかった」「心が死んだようになっていた」と自身の体験を振り返った。

若い女性たちが意に反するかたちでアダルトビデオ(AV)への出演を強要されている問題について考えるシンポジウムが5月26日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれた。主催は今年3月に被害実態の調査報告書を発表したNPO法人ヒューマンライツ・ナウ。弁護士や被害者支援団体の代表らが登壇し、実態を語った。

シンポジウムの冒頭には、実際に被害にあったという女性がVTRで登場した。女性のプライバシーへの配慮から、顔を映さず、声も変えた映像だった。女性は、ときおり声を震わせながら「息ができなくなるくらい苦しかった」「心が死んだようになっていた」と自身の体験を振り返った。

●被害女性「恐怖、後悔、恥ずかしさ、自分を責める気持ち」

女性は、もともとグラビアの仕事として紹介され、面接を受けたが、その後にAV出演が決まったとの連絡がきた。すぐに断ろうとしたが、数時間におよぶ説得によって疲弊してしまい、最終的に出演せざるをえない状況に追い込まれたという。

女性によると、契約によって、数本の出演が決まっていたことから、1本目の出演後に拒否しようとしても、「いまさら嫌だというなら親に知らせるぞ」「大学にいうぞ」「違約金を払え」と繰り返しおどされたそうだ。

女性は「恐怖、後悔、恥ずかしさ、自分を責める気持ちでいっぱいだった」「心が死んだようになっていた」と当時を振り返った。現在は、支援を受けて、AV出演をやめることができたが、「AVをやっていた期間よりも、その後の人生が長い。ずっとその事実を背負って生きていかないといけないという心の負担が大きい」と話した。

●「業界を全部撲滅したいということは考えていない」

AV出演についての相談を受けているNPO法人ライトハウスの藤原志帆子代表によると、2013年から2016年4月末までの相談件数は計120件にのぼる。(2015年4月以降は、ヒューマンライツ・ナウ調査報告書に協力した「ポルノ被害と性暴力を考える会」と合計した数)。その多くは女性だが、1割弱ほどは男性からの相談も存在する。

AV撮影と聞かされずに性行為などを撮影され、その後に契約させられたケースや、拒否しても高額な違約金がかかるといわれたケースなどがあったという。藤原氏は「出演強要の被害だけでなく、『地方のラブホテルでしか放映されない』といったウソの説明がおこなわれた事例もあった」と説明した。

ヒューマンライツ・ナウ事務局長をつとめる伊藤和子弁護士は「ほかの業界にもある消費者被害や、ブラック企業における労働問題と同じような被害がある。しかし、消費契約法や労働法令が適用されず、保護から抜け落ちてしまっている領域。所轄している官庁もない」と指摘した。

伊藤弁護士は「業界を全部撲滅したいということは一切考えていない」としたうえで、「被害がどれくらいあるのかは、よくわかっていない。深刻な被害を受けている人たちは、周りにいるかもしれない。あまりに被害を言いにくいことから、若い女性が悩みを抱えたまま救済手段がない状況だ。なんとか解決していきたい」と強調した。

(弁護士ドットコムニュース)

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