5740.jpg
「あつ森」の人気キャラ、数千円でネット販売  任天堂は禁止、違反者はどうなる?
2020年07月01日 10時22分

2020年3月に発売され注目を集めている「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)の人気キャラクターなどが、現実の通貨などによる「RMT(リアルマネートレーディング)」で取引されていると報じられ話題となっている。

ネットで検索すると、あつ森のRMTを取り扱うサイトが複数みつかり、人気キャラクターだけでなく、ゲーム内通貨なども販売している。

RMTは一般に、ゲームバランスを崩したり、ユーザー間のトラブルに発展しやすいといわれており、多くのゲーム会社が利用規約で禁じている。

あつ森を販売する任天堂でも「ニンテンドーネットワーク利用規約」において、「リアルマネートレード(ポイントやその他の仮想通貨等を現実の通貨で売買する行為をいいます。)を行うことはできません」としている。

そもそもRMTは法律上許されているのだろうか。また、RMTを行った場合、どのようなペナルティがあるのだろうか。伊藤雅浩弁護士に聞いた。

2020年3月に発売され注目を集めている「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)の人気キャラクターなどが、現実の通貨などによる「RMT(リアルマネートレーディング)」で取引されていると報じられ話題となっている。

ネットで検索すると、あつ森のRMTを取り扱うサイトが複数みつかり、人気キャラクターだけでなく、ゲーム内通貨なども販売している。

RMTは一般に、ゲームバランスを崩したり、ユーザー間のトラブルに発展しやすいといわれており、多くのゲーム会社が利用規約で禁じている。

あつ森を販売する任天堂でも「ニンテンドーネットワーク利用規約」において、「リアルマネートレード(ポイントやその他の仮想通貨等を現実の通貨で売買する行為をいいます。)を行うことはできません」としている。

そもそもRMTは法律上許されているのだろうか。また、RMTを行った場合、どのようなペナルティがあるのだろうか。伊藤雅浩弁護士に聞いた。

●RMTは法律で禁止されておらず、取引自体も原則有効

ーーあつ森が大きな注目を集めていますが、その一方でRMTが行われているようです

「確かに、あつ森、人気ですよね。私はやっていませんが、妻も娘もはまっています。

RMTの問題はもう10年以上前から言われていますが、ゲームの外でキャラクターやアイテムを売買すること自体が法律上禁止されているというわけではありません。

また、場合にもよりますが、公序良俗に反するとまでは言い切れないので、ゲームの外で行われた取引自体は有効だと考えられます。

こうした法律論についてもずっと前から言われていることです。他のユーザーとの交流ができる以上、RMTを完全に防ぐのは難しいように思います。

もっとも、RMTは、不正行為に対する誘惑に繋がりやすく、たとえば、チートツールなどを使ってキャラクターのレベルを上げたり、あるいは売買の際に虚偽の表示したりすれば、刑法犯(詐欺罪、私電磁的記録不正作出・供用罪、電子計算機損壊等業務妨害罪など)の罪に問われるケースはあります」

●ほとんどのRMTは規約違反、仲介業者が責任を問われる可能性も

ーー任天堂は規約でRMTを禁止しています

「ゲームのバランスを崩す、善良なプレイヤーのやる気を削ぐ、トラブルになりやすいといった理由から、任天堂に限らず、各社とも利用規約でRMTを禁止しています。

『JOGA(一般社団法人オンラインゲーム協会)』、『CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会』といった各種のゲーム会社の団体でも、会員企業向けにRMT対策のガイドラインを定めて、ゲームの利用規約において、RMTを禁止する旨の条項を定めるよう求めたりするほか、ユーザーに対して理解を深めるための活動をしています。

したがって、RMTは売る方も買う方も、ほとんどの場合、利用規約に違反しています」

ーー利用規約に違反した場合、どのような対応が考えられますか

「違反者への対応は、各社それぞれですが、アカウントを一時的に停止したりすることは行われていますし、RMTを行ったユーザーもこれに対して異議を申し立てることは難しいでしょう。

さらにいえば、RMTを仲介する事業者も、利用規約でRMTが禁止されていることを知りつつ、それをあっせん、推奨したということで、ゲーム会社に対する不法行為責任を問われる可能性もあることにご注意ください」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る