混雑するテーマパークで、緊急のトイレ対応のために行列を離れた来園者は、どこまで周囲の助けで元の場所に戻ってもよいのだろうか。
東京ディズニーシーのアトラクションに並んだ見知らぬ客同士が連携して幼い子どもの「トイレ問題」を解決したという体験談が注目を集めてる。
行列から一時的に抜けて、また戻ることはアリなのだろうか。運営するオリエンタルランドは「困ったことがあれば相談してほしい」とした。
●覚悟を決めた女性たち、その優しさがまわりに広がる
夫や親族とTDSに遊びにいったという女性投稿者からの報告がSNS「Threads」に公開された。
一連の投稿によれば、女性らが120分待ちのアトラクション『タワー・オブ・テラー』に並んでいると、前に並んでいた父子のうち娘がトイレに行きたいと訴えているのがわかったという。
この父子が2人でトイレに抜けてしまえば、また同じ場所に戻れるかわからない。すでに60分ほど並んだ状態だったという。また最初から並び直すことを女性はかわいそうだと思ったのかもしれない。
「かなりギリギリらしい」とみられたことで、投稿者は娘をトイレに連れていく助けを買って出ることを決意。
「まず、我らの身分を明かし、わたしが引率して、必ずや連れて帰ってくると約束した。お父さんは戸惑っていたが、娘ちゃんは行くと言う。この話を聞いていた前後の方々の協力もあり、無事に列から抜けて、皆さんのご好意により、無事に戻ることができた」(投稿から)
その場の前後の来園者の協力で一時的に列を離脱・復帰できたという。この優しさがみえる行動に対して、賛同の声が寄せられた。
「私も長男が6歳の時、母子2人でディズニー旅行へ行った時にアトラクションに並ぶ息子がトイレと言い、どうしようと困ってたら前のご夫婦が『いいよ、行ってきて〜』と声をかけてくださり、トイレから戻ったら自分達の前に私と息子を入れてくれました」(反応のコメント)
一方で、一度離脱して戻ることは、園のルールに抵触していないのか疑問視する声も寄せられた。
幼い子どもを保護者が1人で引率した場合、ファストパスなどなければ、子どものトイレを理由に行列の途中でアトラクションを諦めてしまうケースもありそうだ。
先の投稿者もまた「今思うと、お父さんも、見知らぬあの子も、そして我らも、なんという危ないことをしたのだろうかと思う」と冷静に振り返っている。
●行列から「トイレ離脱」は問題ない?
ディズニーのアトラクションの列に並んでいる客は、トイレを理由として列を離れてから、また同じ順番に戻ることが可能なのだろうか。ほかの理由でも一時離脱できるのだろうか。
弁護士ドットコムニュースはTDSを運営するオリエンタルランドに問い合わせた。
オリエンタルランド広報部は個別の事案には回答できないとしながら、「パークで困ったことがございましたらキャストにご相談いただければと存じます」とのコメントを寄せた。