59.jpg
値段表示のないバーの「飲み代」 予想より高くても「請求どおり」払わないとダメ?
2015年01月04日 13時15分

「週末にお酒を飲むのが何よりの楽しみ」という東京都内の会社員Nさん(30代男性)が、「値段表示のないバー」で痛い目に遭った。気持ちよく飲んで、いざ会計という段になったとき、予想よりもはるかに高い料金を請求されたのだ。

ある週末の深夜、Nさんは友人と一緒に、自宅近くにあるバーに入った。初めての店。メニューは置いてなかったが、カジュアルな雰囲気の「若者向け」の店で、そんなに高い料金をとるようには見えなかった。ところが、1時間でカクテルを2杯ずつ飲んだだけなのに、請求は2人で1万2000円だった。

「せいぜい6000円だろう」と想像していたNさんが、店員に内訳を聞くと、「チャージ料や深夜料金がかかる」と説明された。結局、言われたとおり支払ったNさんだが、事前に何の説明もなかったため、釈然としない思いが残ったという。

値段がわからないバーで酒を注文したら、会計の金額に納得できなくても、支払うしかないのだろうか。値段を聞かずに頼んだら、「いくらでもOK」ということになってしまうのだろうか。消費者問題にくわしい足立敬太弁護士に聞いた。

「週末にお酒を飲むのが何よりの楽しみ」という東京都内の会社員Nさん(30代男性)が、「値段表示のないバー」で痛い目に遭った。気持ちよく飲んで、いざ会計という段になったとき、予想よりもはるかに高い料金を請求されたのだ。

ある週末の深夜、Nさんは友人と一緒に、自宅近くにあるバーに入った。初めての店。メニューは置いてなかったが、カジュアルな雰囲気の「若者向け」の店で、そんなに高い料金をとるようには見えなかった。ところが、1時間でカクテルを2杯ずつ飲んだだけなのに、請求は2人で1万2000円だった。

「せいぜい6000円だろう」と想像していたNさんが、店員に内訳を聞くと、「チャージ料や深夜料金がかかる」と説明された。結局、言われたとおり支払ったNさんだが、事前に何の説明もなかったため、釈然としない思いが残ったという。

値段がわからないバーで酒を注文したら、会計の金額に納得できなくても、支払うしかないのだろうか。値段を聞かずに頼んだら、「いくらでもOK」ということになってしまうのだろうか。消費者問題にくわしい足立敬太弁護士に聞いた。

●値段がわからないと、契約は成立していない?

「飲食店で『食べ物や飲み物の提供を受けて、対価を支払う』ことは、『契約』の一形態と考えられます。

契約ですから、サービスや飲食物の内容、それぞれの値段などについて、双方に合意がなければ成立しません。

合意のない部分については、契約が成立していないので、代金を支払う必要はない、というのが原則になります」

足立弁護士はこのように述べる。では、料理や飲み物の値段が表示されていない場合、料金を払わなくてもよいということだろうか?

「いいえ、近隣の店の相場や社会通念にしたがって、それと同じ程度の代金であれば、具体的な金額を認識していなくても、『その程度の代金負担は許容した』と考えられます。

注文した飲み物の具体的な金額を、客側が理解していなければ合意が成立しておらず、店側は代金を請求できないというのでは、あまりに不便ですからね。

ただし、そのような決め方が許されるのは、近隣の店でも取り扱いがあるような一般的な商品・サービスに限られます」

●チャージ料金や深夜料金の扱いは?

バーのチャージ料金や深夜料金も、「その程度の代金負担は許容した」場合に含まれるだろうか。

「チャージ料金や深夜料金は、飲み物やサービスの料金に含めるべき、というのが日本の商慣習です。つまり、チャージや深夜料金は、どの店でも徴収しているような一般的な料金ではありません。

そうした名目で料金を徴収する際には、店側が積極的に客側に説明をして、了解を得るべきでしょう。店内のメニューなどで説明がなく、『会計段階で初めて知った』という場合、客側は支払う義務がないと考えます」

足立弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る