6537.jpg
離婚目前の大バトル…「婚姻費用>養育費」で、夫婦の攻防戦
2019年02月15日 09時48分

「お互い記入は済んでいるのに、妻が離婚届を出してくれません」ーー。弁護士ドットコムに、こんな相談が寄せられました。

相談者の男性は結婚して9年目。妻と2人の子どもとは、別居して半年以上になるそうです。 「毎月、妻には婚姻費用として12万円を払っています。離婚した場合は、養育費として2人あわせて毎月6万円を支払うことを約束している」と男性はいいます。

つまり離婚すれば、妻がもらえる金額は半額となります。そのためか、妻は「養育費が正式に決まっていないから」という理由で離婚届を出すことを拒否。ときおり、男性に「お金がないから送って」と連絡してくることもあるようです。

男性が妻と離婚するには、どうしたらよいのでしょうか。木下貴子弁護士に聞きました。

「お互い記入は済んでいるのに、妻が離婚届を出してくれません」ーー。弁護士ドットコムに、こんな相談が寄せられました。

相談者の男性は結婚して9年目。妻と2人の子どもとは、別居して半年以上になるそうです。 「毎月、妻には婚姻費用として12万円を払っています。離婚した場合は、養育費として2人あわせて毎月6万円を支払うことを約束している」と男性はいいます。

つまり離婚すれば、妻がもらえる金額は半額となります。そのためか、妻は「養育費が正式に決まっていないから」という理由で離婚届を出すことを拒否。ときおり、男性に「お金がないから送って」と連絡してくることもあるようです。

男性が妻と離婚するには、どうしたらよいのでしょうか。木下貴子弁護士に聞きました。

●公正証書で合意書を作るという方法も

ーー男性が妻と離婚するためにできることはありますか

「離婚には応じているのに、相手が離婚届を出さない理由を尋ねてみましょう。

『養育費を支払ってくれるのか心配』ということでしたら、公正証書で合意書を作ることを提案するという方法があります。

もし他の理由、たとえば養育費よりも婚姻費用の方が多くもらえるなどの隠れた理由で、妻が離婚に応じない場合でも、相談者のペースで離婚を進めることは可能です。

具体的には、『離婚調停』という裁判所での話し合いや、調停で離婚に合意しなくても、裁判での離婚を考えることになります」

●妻や子どもの状況によっては、離婚が認められないことも

ーーこの夫婦は、すでに別居期間が半年以上となっています。このまま別居を続けた場合、どのくらいの別居期間で離婚が認められるのでしょうか

「別居して何年経つと裁判で離婚が認められるのかは、婚姻関係を破綻させた責任が誰にあるのかによって異なります。

一方に責任があるといえない場合、どの程度で離婚を認めるのかは判断が分かれるところですが、目安として5年というものがあります。

これは離婚制度の法改正が検討された際、離婚原因に『夫婦が5年以上継続して婚姻の本旨に反する別居をしているとき』という文言があったことが1つの根拠となっています」

ーー相談者には未成熟の子どもが2人いるようです

「離婚により、配偶者や子どもに耐えがたい苦痛をもたらす場合には、離婚を認めないこともできるとされています。

離婚後に予測される配偶者とお子さんの生活状況などによって、どの程度の別居期間で離婚が認められるのかは変わってくるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る