6681.jpg
「会社メールアドレス」でデートの約束…どこまで許される? 監視されても仕方ない?
2017年03月13日 09時43分

日ごろの連絡はLINEのようなSNSを使うことが増えていますが、まだまだメールも健在。会社のメールアドレスを使って、恋人や友人と連絡を取り合った経験はないでしょうか。 

「職場では、ブラウザでGmailなど私物のメールを見ることが禁止されています。なので、親しい人やSNSを使わない家族とは、会社のメールアドレスを使ってしまうことも」(30代、女性会社員)という人や、「親しい友人や合コンで知り合った人と名刺交換した後は、自然と会社メールアドレスで連絡をとるように。数は多くないですが、デートや飲み会など私的なことにも使っています」(30代、男性会社員)。

しかし、私的な目的で会社のメールアドレスを使うことに、問題はないのでしょうか。川岸卓哉弁護士に聞きました。

日ごろの連絡はLINEのようなSNSを使うことが増えていますが、まだまだメールも健在。会社のメールアドレスを使って、恋人や友人と連絡を取り合った経験はないでしょうか。 

「職場では、ブラウザでGmailなど私物のメールを見ることが禁止されています。なので、親しい人やSNSを使わない家族とは、会社のメールアドレスを使ってしまうことも」(30代、女性会社員)という人や、「親しい友人や合コンで知り合った人と名刺交換した後は、自然と会社メールアドレスで連絡をとるように。数は多くないですが、デートや飲み会など私的なことにも使っています」(30代、男性会社員)。

しかし、私的な目的で会社のメールアドレスを使うことに、問題はないのでしょうか。川岸卓哉弁護士に聞きました。

●「私的利用も許される」と判断した裁判例もあるが

「会社は、企業秩序を維持するため、会社のメールアドレスの業務目的外の利用を、就業規則などで禁止することができます。会社が定めている一般的な就業規則では、会社のメールアドレスを私用で使うことを禁止する懲戒規定が定められていることが多いです。

就業規則上には禁止規定がない場合でも、私的利用は、社員の『職務専念義務』に違反し、懲戒の対象となり得ます。もっとも、社員といえども個人として社会生活を送っており、職務遂行上支障にならない限度であれば、私的利用も許されると判断した裁判例があります」

業務時間外であっても、禁止されるのだろうか。

「就業規則で禁止規定がある場合には、業務時間外であっても、懲戒の対象となりえます。就業規則に禁止規定がない場合には、先ほどの裁判例の考えによれば、会社に過度の負担にならない程度の利用は問題はないということになります」

●会社は社員のメールを見てもいい?

弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、「会社が社員のメールを見ることに問題はないのか?」という相談も寄せられていた。

「個人情報保護法では、会社がインターネットの私的利用を調査するため個人情報を取得することについて、制限しており、取得する情報の利用目的を特定し(例えば、営業秘密の漏洩防止、私用メールの濫用防止)、これを公表・通知しなければならないとされています。

また、会社は、本人の同意を得ないで、取得した情報の目的外利用はできません。したがって、会社がこれに反する場合は、社員は、プライバシー侵害にあたると主張し差し止め、損害賠償が可能です」

川岸弁護士は最後に、次のように呼びかけた。

「会社のメールアドレスの私的利用は、控えた方がよいでしょう。もっとも、会社には、解雇など重い懲戒処分が必ずしも許されるわけではありませんし、調査権限にも限界があります。会社の対応が不当だと感じたら、諦めずに一度弁護士に相談することをお勧めします」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る