672.jpg
ペットホテルに預けたままの「犬や猫」は落とし物と同じ? 放っておくとどうなるのか
2014年04月26日 17時45分

ペットを飼っている人にとって、突然の出張や長期の旅行は悩ましいものだろう。わが子のように可愛がっているペットを一緒に連れていけない場合、ペット専用ホテルに預けることもあるかもしれない。

ところが最近、そのペットホテルで、残念な事態が起きているという。飼い主がペットをホテルに預けたまま、約束の期日が過ぎても、引き取りに来ないというケースだ。このような問題が起きないように、飼い主の身分証明書を厳しく確認しているホテルもある。

しかし、なかには、飼い主に連絡がつかないなど、ペットをホテルに捨てたとしか思えないようなケースもあるという。このようなとき、ホテル側は置き去りにされたペットをどう扱えばよいのだろうか。また、こうした事態を防ぐための法的な対策はあるのだろうか。坂野真一弁護士に聞いた。

ペットを飼っている人にとって、突然の出張や長期の旅行は悩ましいものだろう。わが子のように可愛がっているペットを一緒に連れていけない場合、ペット専用ホテルに預けることもあるかもしれない。

ところが最近、そのペットホテルで、残念な事態が起きているという。飼い主がペットをホテルに預けたまま、約束の期日が過ぎても、引き取りに来ないというケースだ。このような問題が起きないように、飼い主の身分証明書を厳しく確認しているホテルもある。

しかし、なかには、飼い主に連絡がつかないなど、ペットをホテルに捨てたとしか思えないようなケースもあるという。このようなとき、ホテル側は置き去りにされたペットをどう扱えばよいのだろうか。また、こうした事態を防ぐための法的な対策はあるのだろうか。坂野真一弁護士に聞いた。

●ペットは「遺失物」に準ずる扱いとなる

「ペットは法律上、『動産』(民法86条2項)として扱われるので、ペットホテルに放置された犬は、他人が置き去った物と考えられます。よって、原則としては、遺失物法2条1項により、準遺失物として扱われるべきだと考えます」

つまり、法的には「落とし物」と同じようなものだというわけだ。そうだとすれば、ペットをどう扱えばいいのか。

「これまでの遺失物法では、たとえ犬のような生き物であっても、警察を窓口として取り扱われてきました。しかし、生き物は財布などと違い、世話をする必要があります。

そこで2006年に遺失物法が改正され、動物愛護管理法35条3項に規定する『犬または猫』の引きとりを都道府県等(保健所など)に求めた取得者については、拾得物として警察に届ける義務がなくなりました。ただし、犬・猫以外の動物は、今まで通り警察に届けなければなりません」

そうなると、ペットホテルとして、まずすべきことは?

「ペットホテルとしては、飼い主が分かるのであれば、まず飼い主に引き取りを求めるべきです(遺失物法4条1項、13条1項)。

しかし、申込書が偽名などで飼い主が不明の場合や、連絡先が虚偽で連絡がつかない場合には、警察または都道府県が管理する動物愛護センター等に犬を届けるべきでしょう(同法4条1項・3項、13条1項)」

動物愛護センターが預かってくれるのだろうか?

「はい。ただし、動物愛護センターに保管されたとしても、条例により殺処分されることもあります」

飼い主は、ペットを預けたままにしておくと「殺処分」もありえるということを、しっかり認識しておく必要があるだろう。

●ペットホテルが打てる「対策」とは?

ペットの置き去りという悲しい事態を避けるために、ペットホテルが打てる手段はあるのだろうか?

「たとえば、次のような方法が考えられます。

(1)飼主の身分や連絡先の確認を厳重に行う

(2)第2の連絡先(返還先)なども必要に応じて記載させる

(3)預り金方式を採用して、飼主が引き取りにきた場合に精算する

(4)ペットホテルの約款に、飼主の引き取りが遅れた場合の規定を定めておく」

坂野弁護士はこう、アドバイスを送っていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る