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月150時間「サービス残業」 未払い残業代を取り戻すにはどうすべきか?
2013年03月19日 12時12分

仕事をするうえで「残業」は避けられないものだが、会社によっては残業代をきちんと払わず、従業員に「サービス残業」を強いているところも少なくない。NPO法人労働相談センターが2013年2月25日に公表した資料によれば、ある飲食店では、月150時間のサービス残業をさせているのだという。

ある従業員は、休日は月にわずか1回か2回しかなく、毎日昼の12時から深夜3時までの勤務が続く。ひどいときは、朝7時から翌朝の5時まで働かされたうえ、その2時間後に出社し、再び翌日まで勤務したこともあったそうだ。

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」でもサービス残業に関する悩みは多く、「残業代の未払い分を請求したいが、どうしたらいいか」といった相談が数多く寄せられている。このような「サービス残業」をさせる企業に残業代をしっかり払ってもらうにはどうしたらいいのか。サービス残業の問題に詳しい川目武彦弁護士に聞いた。

●「未払い残業代」を請求する権利は、放っておくと消滅してしまう

「残業代の支払いを受けたいと考えるのであれば、弁護士に相談をして、すみやかに代理人名義の文書(通常は内容証明郵便)で、残業代の請求をしてもらうのがよいでしょう」

川目弁護士はすばり、このように言う。なぜなら、放っておくと、残業代を請求する権利が消えてしまうからだ。

「残業代(時間外賃金)を含む賃金は、労働者がきちんとその支払いを受けることができるように、民法のほか、特別法による強力な保護が与えられていますが、権利の行使期間は非常に短く設定されています。具体的には、労働基準法により2年とされています。のんびりしていると、支払期限が先に到来している賃金からどんどん時効で消えてしまいます」

このように指摘したうえで、川目弁護士は、法律のプロである弁護士に相談することをすすめる。なぜなら、残業代をできるだけ多く払ってもらうためには、どんどん進行していく「時効」を中断させる必要があるが、それにはプロの力を借りたほうが望ましいからだ。

「賃金債権が消滅していく事態を防ぐためには、すみやかに弁護士名義で文書を送付してもらい、時効期間を中断する措置を講じたほうがよいでしょう。ときどき、弁護士に相談せずに自分で文書を作成して送付する人がいますが、時効中断の要件を満たす文書かどうかという点で、後で争点になる可能性があります。このような無用な争点を発生させないためにも、最初の段階から代理人弁護士に文書作成を依頼したほうがよいと思います」

そして、実際上の効果として、「弁護士名義で内容証明郵便がきた場合、使用者側も将来の訴訟提起の現実的危険性を考えて対応するので、訴訟前に支払いを受けられることもある」というのだ。

●「未払いのサービス残業代」の計算は複雑で、むずかしい

では、未払いのサービス残業代がいくらになるのか、どうやって計算するのだろうか。

「この計算を厳密に行うためには、就業規則や賃金規程、賃金台帳、タイムカード、勤務日報など、多くの資料が必要になります」と川目弁護士は指摘する。「しかも、残業代として支払われるべき賃金(時間外賃金)の計算方法は相当複雑ですから、このような資料をお持ちの方であっても、いきなり具体的な賃金を正確に算出することは難しいのが実情です」

つまり、この点でも、残業代を請求するには専門家の力を借りたほうがいいといえるのだろう。サービス残業が違法であることははっきりしているのだから、もし「未払い残業代を会社に払わせたい」と決意したら、すぐに行動に移すのがよいといえそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

仕事をするうえで「残業」は避けられないものだが、会社によっては残業代をきちんと払わず、従業員に「サービス残業」を強いているところも少なくない。NPO法人労働相談センターが2013年2月25日に公表した資料によれば、ある飲食店では、月150時間のサービス残業をさせているのだという。

ある従業員は、休日は月にわずか1回か2回しかなく、毎日昼の12時から深夜3時までの勤務が続く。ひどいときは、朝7時から翌朝の5時まで働かされたうえ、その2時間後に出社し、再び翌日まで勤務したこともあったそうだ。

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」でもサービス残業に関する悩みは多く、「残業代の未払い分を請求したいが、どうしたらいいか」といった相談が数多く寄せられている。このような「サービス残業」をさせる企業に残業代をしっかり払ってもらうにはどうしたらいいのか。サービス残業の問題に詳しい川目武彦弁護士に聞いた。

●「未払い残業代」を請求する権利は、放っておくと消滅してしまう

「残業代の支払いを受けたいと考えるのであれば、弁護士に相談をして、すみやかに代理人名義の文書(通常は内容証明郵便)で、残業代の請求をしてもらうのがよいでしょう」

川目弁護士はすばり、このように言う。なぜなら、放っておくと、残業代を請求する権利が消えてしまうからだ。

「残業代(時間外賃金)を含む賃金は、労働者がきちんとその支払いを受けることができるように、民法のほか、特別法による強力な保護が与えられていますが、権利の行使期間は非常に短く設定されています。具体的には、労働基準法により2年とされています。のんびりしていると、支払期限が先に到来している賃金からどんどん時効で消えてしまいます」

このように指摘したうえで、川目弁護士は、法律のプロである弁護士に相談することをすすめる。なぜなら、残業代をできるだけ多く払ってもらうためには、どんどん進行していく「時効」を中断させる必要があるが、それにはプロの力を借りたほうが望ましいからだ。

「賃金債権が消滅していく事態を防ぐためには、すみやかに弁護士名義で文書を送付してもらい、時効期間を中断する措置を講じたほうがよいでしょう。ときどき、弁護士に相談せずに自分で文書を作成して送付する人がいますが、時効中断の要件を満たす文書かどうかという点で、後で争点になる可能性があります。このような無用な争点を発生させないためにも、最初の段階から代理人弁護士に文書作成を依頼したほうがよいと思います」

そして、実際上の効果として、「弁護士名義で内容証明郵便がきた場合、使用者側も将来の訴訟提起の現実的危険性を考えて対応するので、訴訟前に支払いを受けられることもある」というのだ。

●「未払いのサービス残業代」の計算は複雑で、むずかしい

では、未払いのサービス残業代がいくらになるのか、どうやって計算するのだろうか。

「この計算を厳密に行うためには、就業規則や賃金規程、賃金台帳、タイムカード、勤務日報など、多くの資料が必要になります」と川目弁護士は指摘する。「しかも、残業代として支払われるべき賃金(時間外賃金)の計算方法は相当複雑ですから、このような資料をお持ちの方であっても、いきなり具体的な賃金を正確に算出することは難しいのが実情です」

つまり、この点でも、残業代を請求するには専門家の力を借りたほうがいいといえるのだろう。サービス残業が違法であることははっきりしているのだから、もし「未払い残業代を会社に払わせたい」と決意したら、すぐに行動に移すのがよいといえそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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