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隣家の三角屋根から大量の雪が落ちてくる!家族がケガをしたら、責任を問えるか?
2015年01月03日 12時30分

大寒波の襲来などで、この冬は雪の被害に備える必要がありそうだ。そんな中、「隣の家の屋根から雪が落ちてきて困っています」という雪国の住人からの悩みが、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。

相談者の自宅敷地には、多い時で、隣の家の三角屋根に積もった雪の半分もの量が落ちてくるという。隣家は防雪柵を設置しているが、意味をなしていないそうだ。苦情を伝えても、取り合ってもらえず、相談者は「雪が落ちてくるから自分の敷地に好きなものを置けない」「子どもが雪に埋もれてしまわないか心配だ」と不安を書き込んでいる。

相談者はこのまま、隣家から落ちてくる雪を黙って処理するしかないのだろうか。もしも落雪によって家族がケガをした場合、隣家の責任を問えるのだろうか。石川和弘弁護士に聞いた。

大寒波の襲来などで、この冬は雪の被害に備える必要がありそうだ。そんな中、「隣の家の屋根から雪が落ちてきて困っています」という雪国の住人からの悩みが、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。

相談者の自宅敷地には、多い時で、隣の家の三角屋根に積もった雪の半分もの量が落ちてくるという。隣家は防雪柵を設置しているが、意味をなしていないそうだ。苦情を伝えても、取り合ってもらえず、相談者は「雪が落ちてくるから自分の敷地に好きなものを置けない」「子どもが雪に埋もれてしまわないか心配だ」と不安を書き込んでいる。

相談者はこのまま、隣家から落ちてくる雪を黙って処理するしかないのだろうか。もしも落雪によって家族がケガをした場合、隣家の責任を問えるのだろうか。石川和弘弁護士に聞いた。

●被害にあう前の「断行仮処分」

石川弁護士が解説する。

「被害にあう前の対策と、あった後の対応に分けて説明しましょう。まず、被害にあう前に、相手方に対してできることがあります。『断行仮処分の申立』という方法です。

相談者は、隣家の所有者を相手取って、裁判所に対して『落雪防止策を講ぜよ』という決定を出すよう求める手続きです。この手続きでは、判決ではなく、『決定』という扱いになります」

なんだか難しそうだが、どんな手順で手続きが進むのだろうか。

「まず、期日が定められ、相談者(債権者と呼ばれます)と隣家所有者(債務者と呼ばれます)が裁判所に呼び出されます。たいていは、裁判所が決定を出す前に、この手続きの中で和解をすることが多いと思います」

もし、相談者の言い分が認められた場合はどうなるのか。

「法務局に保証金を納めなければなりません。その額は、裁判官が決めるので、事前には分かりません。この予納金は、普通は後日、全額戻ってきますから、ご安心ください」

 

●被害にあった場合の「損害賠償請求」

では、もし、被害にあったら、どうすればよいだろう。

「隣家からの落雪で、けがを負ったり、モノが壊れたりした場合、隣家所有者に対し、民法717条(土地工作物責任といいます)に基づき、損害賠償請求できます。

ただ、賠償請求できるのは、『工作物の設置または保存に瑕疵がある』場合に限られます。つまり、今回のケースでいうと、ひどい豪雪だけでなく、普段から雪が落ちてくるので、隣家には瑕疵(欠陥)があったということになるでしょう」

大荒れの天候になりそうな今冬は、雪によるご近所トラブルも増えそうだが、ご近所の助け合いで乗り切りたいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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