7509.jpg
バス運転手の「新型コロナウイルス」感染、労災になる? 武漢ツアー客と接触
2020年01月30日 09時23分

中国の湖北省武漢市を中心に、新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている。1月28日には武漢への渡航歴がないバス運転手の男性が、日本人では初めて新型コロナウイルスに感染していると確認された。

朝日新聞(1月28日)によると、男性は1月6〜11日、12〜16日の2回、武漢市からのツアー客を乗せた。1月14日に寒気やせき、関節の痛みが出て、22日に症状が悪化。25日に病院で肺炎の症状が確認されたという。

また、1月29日には、同じバスに乗っていたバスガイドの女性も新型コロナウイルスに感染していると確認された。

長い時間同じ空間にいたため、ツアー客から感染した可能性が高いと考えられている。業務中に感染したとすれば、労災になるのだろうか。労働問題に詳しい波多野進弁護士に聞いた。

中国の湖北省武漢市を中心に、新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている。1月28日には武漢への渡航歴がないバス運転手の男性が、日本人では初めて新型コロナウイルスに感染していると確認された。

朝日新聞(1月28日)によると、男性は1月6〜11日、12〜16日の2回、武漢市からのツアー客を乗せた。1月14日に寒気やせき、関節の痛みが出て、22日に症状が悪化。25日に病院で肺炎の症状が確認されたという。

また、1月29日には、同じバスに乗っていたバスガイドの女性も新型コロナウイルスに感染していると確認された。

長い時間同じ空間にいたため、ツアー客から感染した可能性が高いと考えられている。業務中に感染したとすれば、労災になるのだろうか。労働問題に詳しい波多野進弁護士に聞いた。

●「労災認定される可能性が十分ある」

ーーこれは業務上災害と言えますか。

労働基準法施行規則をもとに考えると、今回の新型コロナウイルス感染は「その他細菌、ウイルス等の病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病」に該当し、労災認定される可能性が十分あると思います。

ただし、これは裁判所の判断を拘束するものではありません。

ーー労災認定のポイントはなんですか。

因果関係が問題になります。男性の新型コロナウイルス感染に「業務起因性」が認められるかを考えていきます。

まず、今回の件は、男性が業務のため観光バスを運転していた際に、コロナウイルスに感染している可能性のある観光客とバス内で長時間一緒にいたという客観的な事実があります。

一方、男性の居住地である奈良県において、コロナウイルスの感染報告はそれまで他になく、ご本人も感染の中心となっている中国への渡航歴もありません。

バス乗務以外の私的な原因でコロナウイルスに感染したとは考えがたい状況からすると、今回のコロナウイルスの感染はバス乗務中に引き起こされた可能性が高いと考えられます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る