タレントの小林礼奈さんが第二子の妊娠を発表し、SNSで話題になりました。
小林さんは2020年「流れ星☆」たきうえさんと離婚した後、女児の母としての日常を記したブログやSNS発信が人気を博しており、今回の再婚発表にも祝福の声が寄せられています。
一方、養育費の行方について、関心を寄せている方も多いようです。
元夫のたきうえさんは今年7月、小林さんの再婚に触れ「再婚後も養育費は支払い続けて下さい」と言われたことを明かしています。
小林さんとたきうえさんがどのような選択をするかはわかりませんが、法的には再婚後、子どもの養育費は誰が支払うことになるのでしょうか?
●結論:再婚だけでは支払い義務はなくならない!
結論から言えば、再婚するだけでは、離れて暮らす元パートナーの支払い義務はなくなりません。
母親である小林さんが再婚したという事実のみでは、父親であるたきうえさんの「養育費の支払い義務は、法律上なくならない」のです。
養育費は、親の子どもに対する扶養義務に基づくものです。これは、親が離婚しようが、元配偶者が再婚しようが、変わることのない、子ども自身の権利です。たとえ親権者でなくても、親子である限り、子どもを扶養する義務は続きます。
●大きな転換点となる「養子縁組」
では、どのような場合に支払い義務がなくなる可能性があるのでしょうか。それが、小林さんの再婚相手と娘さんが「養子縁組」をするケースです。
養子縁組をすると、再婚相手と娘さんの間に法律上の親子関係が成立します。これにより、娘さんに対する第一次的な扶養義務は、実の親であるたきうえさんから、養親である再婚相手に移ります。
第一次的な扶養義務者: 養親(再婚相手)
第二次的な扶養義務者: 実親(たきうえさん)
つまり、養子縁組が成立した場合、基本的には養親が娘さんの生活を支えることになり、たきうえさんの養育費の支払い義務は、原則として免除または大幅な減額となる可能性が非常に高くなります。
ただし、例外もあります。
例えば、養親である再婚相手に十分な収入がなく、子を扶養する経済力がないと判断されるような場合には、実親が引き続き扶養義務を負う(つまり養育費を支払う)ケースも考えられます(具体的にどのような場合に扶養義務を負うかや、養育費の算定方法等について、実務上も争いがある部分です)。
●養子縁組しない場合はどうなる?
もし、再婚相手と娘さんが養子縁組をしない場合、法律上の親子関係は発生しないため、再婚相手に娘さんを扶養する義務は生じません。
この場合、娘さんに対する扶養義務者は引き続きたきうえさんであるため、原則として養育費の支払い義務は継続します。
しかし、ここで考慮されるのが「事情の変更」です。
再婚によって世帯全体の収入が増え、娘さんの生活が非常に豊かになった場合、たきうえさん側から養育費の減額を求める調停などを家庭裁判所に申し立てることが可能です。
裁判所は、再婚相手の収入や、娘さんが再婚相手からどれくらいの経済的援助を受けているかといった具体的な状況を考慮し、当初取り決めた養育費の金額が妥当かどうかを判断します。
最も大切なのは、お子さんの健やかな成長を願う親の気持ちです。養育費や面会交流のあり方は、それぞれの事情に基づき、何より子どもの福祉を最優先しながら進めていく必要があります。