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年末年始の帰省で夫婦の絆に亀裂?「帰らせてくれない夫と離婚」 ストレスためるより「セパレート帰省」「親が会いに行く」
2025年01月11日 09時37分
#義実家 #帰省 #セパレート帰省 #実家

この年末年始は実家や義実家(配偶者の実家)に帰省しただろうか。

夫婦がそれぞれの実家に帰省する「セパレート帰省」も広がりつつあるという。

弁護士ドットコムニュース編集部には、読者から「帰省」のエピソードが届いた。

仕事や生活のスタイルだけでなく、家族の形も多様化している今、「実家への帰省」は当たり前のものではなくなりつつあるようだ。

「自分の実家に帰省させない夫と離婚した」「帰省させてもらえないから逃げたい」という女性もいた。

この年末年始は実家や義実家(配偶者の実家)に帰省しただろうか。

夫婦がそれぞれの実家に帰省する「セパレート帰省」も広がりつつあるという。

弁護士ドットコムニュース編集部には、読者から「帰省」のエピソードが届いた。

仕事や生活のスタイルだけでなく、家族の形も多様化している今、「実家への帰省」は当たり前のものではなくなりつつあるようだ。

「自分の実家に帰省させない夫と離婚した」「帰省させてもらえないから逃げたい」という女性もいた。

●嫁いびりを幾度となくされた

会社員の50代男性(首都圏/子ども独立)は、自分の親とはもう何年も会っていない。義実家に行くのは、妻と子どもだけだ。

「妻の兄弟とは経済的に格差があり話が合わない。私のほうが格下。正月早々つまらない話で時間をつぶすのはもったいない」

40代女性(近畿/子なし)は夫婦双方の実家に帰省することをやめて、かわりにお中元とお歳暮を贈ることにしている。

「新婚のころは夫の実家に帰省していました。姑や義妹らの態度は感じがわるく、私の分だけご飯がないといった嫁いびりを幾度となくされたのです」

画像タイトル 寝正月(Fast&Slow / PIXTA)

50代女性(東京都/子なし)は夫婦ともに「毒親」の元に帰省しないと決めている。親から厳しくしつけられ、褒められることもなかったという。

「同じ都内で帰省する必要もないし、混む時期や疲れを癒す時期にわざわざ毒親の所に帰りたくありません」

●40代女性「帰省が原因で前夫と離婚しました」

40代男性(東京/子ども1人)は、それぞれの親との仲は悪くもないが、ここ数年は「セパレート帰省」を選んでいる。親に自宅に来てもらうこともあるそうだ。

昔より多忙になり、親戚付き合いが減って、さらに地元にいる友だちも少なくなったことから、「帰るよりも親に出てきてもらうほうが楽」なのだという。

「周りもそうしていると聞きます。オンラインも発達し、帰省するって感覚が変化したのかな」(男性)

40代女性(関東/子ども3人)も、夫の仕事の都合で、今回初めて自分と子どもだけで実家に帰った。

「私も実家の両親も、夫に気を遣わずに済んだので非常に楽でした。これからもセパレート帰省でよいと思いました! 移動の荷物持ちや、トイレやお土産を買う時に荷物見てる要員(=夫)がいないのが面倒でした」

この女性は、離婚した前夫によって、何年も実家への帰省を許されなかったと明かす。

前夫は「妻の実家に帰省すると俺が気を使って面倒くさい」「結婚したら夫の実家に帰省すべき」という考えを持っていたそうだ。しかし、姉夫婦が帰省していることを許容していることの説明はつかない。

そのような帰省のストレスも一つの原因となって離婚した。

「自分の妻はダメで姉たちは良いという感覚が理解不能でした。離婚後、自分の実家に帰れるようになって、非常に快適です! いまの夫はこれを知ってるので、私の帰省に何も言いません」

●夫が妻の実家に帰省させない→弁護士「離婚相談あるあるです」

同じように、60代女性(長野/子ども1人)も「子どもが成人した今、逃げようと思っている」という。自分の実家に帰ろうとすると、夫の機嫌が悪くなるというのだ。

数年前から義父母が在宅介護となり、医療資格のある女性に「帰ったら入浴介護をどうするんだ」と怒り出したという。

「結婚して首都圏から主人の地元に一軒家を建てて30年間、年末年始どころかお盆も一度も私の実家に帰ったことはありません。実父が亡くなった時も告別式のみ参加して新幹線で日帰りでした」

先ほども帰省のストレスで離婚したという女性が登場したが、帰省は離婚につながるリスクをはらんでいると指摘するのは原口未緒弁護士だ。

・夫の実家に帰ることばかり優先される
・妻の実家への帰省に費用を出してくれない
・夫の実家への帰省を断ると嫌がらせをさせられる

離婚の相談の中で、このような帰省の不満がよく出てくるという。

「帰省せざるをえなかったという不満だけをもって、裁判所が離婚を認めることはないと思います。しかし、帰省を理由に離婚まで考えることの背景には、日常的な意見の相違や、譲り合いのなさなどがあるものです。

帰省トラブルだけでなく、その他の婚姻関係の破綻が認められるような事情と相まって、離婚まで認められる可能性はあると思います」

原口弁護士は、配偶者の片方が帰省にストレスを感じているのであれば、歩み寄る必要があると指摘する。

「帰省について、夫婦で話し合い、歩み寄ったうえで、実家・義実家も尊重することが大切です」

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