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大谷選手の元通訳・水原一平氏の気になる今後 服役するならアメリカ?それとも日本?
2024年05月14日 13時25分
#大谷翔平 #刑務所 #水原一平 #強制送還

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が大谷選手の口座から不正に送金を行ったとして、アメリカの捜査当局は水原氏を銀行詐欺などの罪で起訴した。

NHKの報道によると、アメリカ司法省は5月8日、水原氏が違法賭博によってできた借金を返済するために銀行にうそをついて大谷選手の口座から無断で1700万ドル近くを不正に送金した銀行詐欺の罪と、うその内容の納税に関する書類に署名した罪で起訴されたと発表。

水原氏は、検察との間で有罪の答弁と引き換えに刑を軽減する司法取引に合意し、裁判で起訴内容を認める方針だという。

また、30年を超える期間、刑務所に収容されたり、日本に強制送還されたりする可能性があると報じられている。

水原氏のようにアメリカで起訴され、有罪判決を受けた日本人はその後どう扱われることになるのか。元警察官僚で刑事事件にくわしい澤井康生弁護士に聞いた。

画像タイトル 写真はイメージ(AtlasStudio / PIXTA)

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が大谷選手の口座から不正に送金を行ったとして、アメリカの捜査当局は水原氏を銀行詐欺などの罪で起訴した。

NHKの報道によると、アメリカ司法省は5月8日、水原氏が違法賭博によってできた借金を返済するために銀行にうそをついて大谷選手の口座から無断で1700万ドル近くを不正に送金した銀行詐欺の罪と、うその内容の納税に関する書類に署名した罪で起訴されたと発表。

水原氏は、検察との間で有罪の答弁と引き換えに刑を軽減する司法取引に合意し、裁判で起訴内容を認める方針だという。

また、30年を超える期間、刑務所に収容されたり、日本に強制送還されたりする可能性があると報じられている。

水原氏のようにアメリカで起訴され、有罪判決を受けた日本人はその後どう扱われることになるのか。元警察官僚で刑事事件にくわしい澤井康生弁護士に聞いた。

画像タイトル 写真はイメージ(AtlasStudio / PIXTA)

●有罪となれば原則アメリカの刑務所へ

——水原氏は今後、どうなるのでしょうか?

今回、水原氏は司法取引に応じたとされておりその詳細は不明ですが、日本人がアメリカで有罪判決を受けた場合、原則としてアメリカの刑務所に収監されます。

これはアメリカ人が日本の裁判所で有罪判決を受けた場合に日本の刑務所に収監されるのと同じです。

アメリカの裁判所において有罪判決を受けることから、収監も当然、アメリカの刑務所ということになります。

一部の報道でただちに日本に強制送還されるかのような記事もあるようですが、そうではありません。

これに対して、アメリカの刑務所で服役して刑期を終えた後に強制送還される可能性はあると思います。

アメリカはもともと外国人に入国の自由を認めていませんので、入国にはアメリカ当局の広範な裁量権が認められます。

そのため、犯罪歴のある外国人について入国を拒否するケースがあります。水原氏が刑期を終えて出所した場合、前科がつくことになりますのでその時点で入国拒否事由に該当するとして強制送還される可能性はあります。

画像タイトル 2022(令和4)年の日本からの送出移送人員の表。日本への受入移送はなかった(令和5年版犯罪白書より)

●日本の刑務所への移送は例外的

——日本の刑務所に入ることはないでしょうか?

例外的にアメリカの刑務所から日本の刑務所に移送してもらう方法はあります。これは国際受刑者移送条約及びこれを受けた国際受刑者移送法に基づく方法です。

この制度は外国の刑務所に拘禁されている受刑者を本国に移送し、本国で刑を執行することによって受刑者の改善更生や円滑な社会復帰を図ろうとするものです。

この制度が適用されるための大まかな流れは以下のとおりです。

まず、受刑者本人からアメリカ当局に対して移送希望の申出がされます。アメリカ当局から日本の外務大臣に対して受け入れ移送の要請がされると外務大臣は法務大臣に送付します。

法務大臣は相当性があると認めた場合(受刑者の同意があることやアメリカで犯した犯罪が日本でも罪に該当すること等)、東京地検・検事正を通じて東京地裁に対し、審査請求をおこないます。

東京地裁が受け入れOKの決定を出した場合、法務大臣は受け入れ移送命令を出して、東京地検に移送をおこなわせます。

アメリカから日本に移送された場合の刑期ですが、アメリカの刑期が30年を越えるときは日本での刑期は30年となり、30年以下の場合は同一の刑期となります。

アメリカ当局から移送要請を受けた場合であっても、法務大臣の相当性の判断や東京地裁の受け入れ移送決定が必要になりますので、そう簡単ではないということになります。

犯罪白書によると、現に今までの実績を見ても受け入れ移送は年間に数件あるかないかですし、年によっては0件ということもあります。

したがって、水原氏の場合、国際受刑者移送条約などに基づく日本の刑務所への移送という方法もありますが、かなり例外的なケースなので、原則としてアメリカの刑務所に収監されると考えたほうがよいです。

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