不倫相手とセックスレスになったあとも交流することにリスクはあるのでしょうかーー? 7年続いた不倫相手との関係に悩む相談が、弁護士ドットコムニュース編集部に寄せられました。
相談者のAさん(37)は、同じ会社の別部署で働いていたMさん(42)と7年にわたり不倫関係にありました。どちらも既婚者でしたが、月に1〜2回ビジネスホテルで関係を持っていたそうです。
しかし、Mさんが2年前に別の会社に転職して以降、自然とホテルでの逢瀬は減少。ただ、関係が悪化したわけではなく、すっかりセックスレスになった現在もLINEで連絡を取り合い、二人きりで食事に出かけることもあるといいます。
Aさんは、Mさんのことを好きな気持ちは変わりませんが、食事をするだけで満足だといいます。一方で、セックスレスになったとはいえ、不倫関係だった相手と交流を続けることに法的なリスクがないのか不安もあるそうです。
セックスレスになっても、不倫相手と食事などの関係を続けていたら、法的リスクはあるのでしょうか。
●法的には性交渉がなければ「不貞」ではないが...
法的に不倫(不貞行為)となるのは、配偶者以外の者と自由意思に基づいて性的関係を持つことです。「性的関係」には通常、性交が必要とされ、食事やLINEだけでは不貞行為は成立しません。
ただ、現在はセックスレスでもAさんはこれまで7年にわたってMさんと性的関係を継続してきました。このことがAさんの妻、あるいはMさんの夫にバレた場合は、今からでも離婚を求められたり、慰謝料を請求されたりする可能性があります。
それだけでなく、食事などの関係を続けていれば、現在も親密な関係にあるとして、不倫が継続していると判断されるおそれがあります。
●法的には性交渉がなければ「不貞」ではないが...
たとえ現在は不倫が継続していると判断されなくても、お互いの夫婦生活に支障が出るほどひんぱんに食事をしたり、会ったりしていたたら、「共同生活維持義務」に違反するとして、慰謝料を請求されたり、離婚を求められたりするリスクがあります。
もしAさんやMさんに離婚する意思はなく、今後も、お互いの配偶者との生活を維持していたいという思いがあるなら、食事だけの関係であっても終わらせたほうがよいかもしれません。
このように、不倫相手とセックスレスになっても、法的リスクがゼロになるわけではありません。過去の不貞行為については依然として慰謝料・離婚のリスクが残り、現在も親密な交流を続けている事自体にも法的リスクがあります。