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隣コースのティーショットが顔面直撃、裁判に…上手くないとラウンドしちゃダメ?
2017年11月11日 10時13分

隣のコースから飛んできたティーショットが顔に当たって怪我をしたとして、三重県の女性が裁判を起こしている。提訴は10月6日付。

朝日新聞によると、隣のコースでプレーしていた男性のティーショットが女性の顔を直撃。女性は頬を骨折するばかりでなく、唇に麻痺も残ったという。被害者の女性は、プレーしていた男性だけではなく、柵の設置など事故防止策を講じておらず、キャディーによる安全確認を怠っていたとしてゴルフ場も訴えているという。

ゴルフ場側はティーショットを放った男性のみに損害賠償責任が発生すると主張しているそうだが、ゴルフ場でプレー中に起きた事故について、どのような場合に損害賠償を請求できるのだろうか。スポーツ法にくわしい辻口信良弁護士に聞いた。

隣のコースから飛んできたティーショットが顔に当たって怪我をしたとして、三重県の女性が裁判を起こしている。提訴は10月6日付。

朝日新聞によると、隣のコースでプレーしていた男性のティーショットが女性の顔を直撃。女性は頬を骨折するばかりでなく、唇に麻痺も残ったという。被害者の女性は、プレーしていた男性だけではなく、柵の設置など事故防止策を講じておらず、キャディーによる安全確認を怠っていたとしてゴルフ場も訴えているという。

ゴルフ場側はティーショットを放った男性のみに損害賠償責任が発生すると主張しているそうだが、ゴルフ場でプレー中に起きた事故について、どのような場合に損害賠償を請求できるのだろうか。スポーツ法にくわしい辻口信良弁護士に聞いた。

●キャディーやゴルフ場にも安全性に配慮する義務がある

「今回の件は、スポーツ事故で起こった被害(今回は260万円)を、誰にどのように負担させるのが『公平』かという問題です」と辻口弁護士。

「仮に、『スポーツには危険はつきもので、女性はリスクを覚悟してプレーすべきだった』と裁判官が考えれば、被害は女性自身が負担すべきで、損害賠償請求は否定されます。

しかし、この事故は隣のコースからボールが飛んできたのですから、女性が覚悟すべきリスクではありません。すると、対象となる加害者としては、男性、キャディー、ゴルフ場が、それぞれ考えられます」

裁判ではどのような点がポイントになるのだろうか。

「判例には、自分の技量を過信して最もボールコントロールしにくいドライバーでショットした男性に、注意義務違反(過失責任)を認めた例があります。

また、キャディーはコースの状況を熟知する従業員として、担当の組だけでなく、他も安全にプレーできるよう注意する義務があります。今回、隣のコースのどの辺りに被害者の女性がいたのかなども問題とされます。

さらに、土地工作物としてのゴルフ場のコース設定も審理の対象です。高低差、コース間の距離、樹木や防護ネットの設置などです。これらは、不法行為や契約不履行(安全配慮義務違反)の問題として論じられます」

辻口弁護士によると、同じゴルフ場で過去に、事故にはなっていなくても、ボールが当たりヒヤリとしたことがあったかなども問われるとのことだ(ヒヤリ・ハット)。ゴルファー自身が安全なプレーを心がけるのは当然として、多様な実力の人がプレーする以上、ゴルフ場側の配慮が十分だったかも判断の対象になるようだ。

「安全にスポーツするのは、スポーツを楽しむ以前の問題であり、裁判官がどう判断するか関心が持たれます。事故に備えて、保険に加入しておくこともお勧めします」

ゴルフ場での打球事故では、相手が死亡したり、大きな後遺症が残ったりする事例も報告されている。こうしたケースに対応するゴルフ専門の保険(ゴルフ保険・ゴルファー保険)もあるそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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