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「福島原発告訴団」代理人に聞く・・・なぜ東京電力を「公害罪」で刑事告発したのか?
2013年09月27日 13時55分

福島第一原発の貯蔵タンクから汚染水が流出した問題をめぐり、原発事故で被害を受けた住民らが結成した「福島原発告訴団」は9月3日、東京電力と広瀬直己社長をはじめとする同社幹部ら32人について、福島県警に告発状を提出した。

告発状は、東電側が必要な注意義務を怠ったために、大量の放射性物質を含む汚染水がタンクから漏えいし、海洋に流出したと指摘。その上で、汚染水流出を「犯罪」としてとらえ、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法)」違反にもとづいた処罰を求めている。

彼らがこのような告発を行なった理由と、東電の汚染水対応が公害罪法違反だとする根拠について、告訴団代理人の河合弘之弁護士に聞いた。

●「爆発事故の責任追及が曖昧なことが汚染水拡大を生み出した」

「福島原発告訴団は昨年、福島第一原発の爆発による放射能被曝事件について、業務上過失致死傷容疑などで、法人である東電や東電幹部らを告訴・告発しました。ところが検察は今年9月9日、被害者ら1万4176人が行ったこの告訴・告発について『不起訴処分』にすると決定しました。

汚染水の拡大を生み出した原因の一つは、検察当局が事故の刑事責任の追及を曖昧にしたことにあると、私たちは考えています。この甘さが、東電の汚染水対策を、著しく緊張感を欠いたものにしたのです。それが今回、告訴団を代表する3人が告発を行うことにした理由です」

河合弁護士は、今回の告発に至った経緯をこう語った。では、告発の中身はどのようなものなのだろうか。

●汚染水漏えいが公害罪法違反になるワケ

「今回、我々が行ったのは、東電による汚染水流出が、公害罪法違反にあたるという告発です。

具体的には、同法3条の『業務上必要な注意を怠り、工場または事業場における事業活動に伴って、人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命または身体に危険を生じさせた』という犯罪の構成要件を満たすと考えています」

どうして、そう言えるのだろうか。

「まず事実として、東電が流出させている汚染水は、地下水が建屋に流れ込み、溶融した燃料と接触し、海に排出されている分が一日あたり約400トン。また、高レベル汚染水がタンクから漏洩し、環境中に漏れた分が全体で300トンとされています。

こうした汚染水を安全に管理することは、東電の『事業活動』に含まれます。また、放射性物質が『人の健康を害する物質』であることは明らかです」

●「対策の先送りが被害を拡大させた」

「ところが、東電は汚染水流出を防ぐため、必要な対策を取っていませんでした。2011年6月17日に、政府から検討を求められた原子炉施設を囲む遮水壁の設置についても、東電は経営破綻を危惧して先送りにし、抜本的対策を講ずることなく放置し、被害を拡大させたのです。

以上が、犯罪に当たると判断した理由です。放射性物質を大量に含んだ汚染水の流出は、まさに、水俣病事件と同様です。この犯罪を処罰することは、公害罪法の趣旨にかなうと言えるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

福島第一原発の貯蔵タンクから汚染水が流出した問題をめぐり、原発事故で被害を受けた住民らが結成した「福島原発告訴団」は9月3日、東京電力と広瀬直己社長をはじめとする同社幹部ら32人について、福島県警に告発状を提出した。

告発状は、東電側が必要な注意義務を怠ったために、大量の放射性物質を含む汚染水がタンクから漏えいし、海洋に流出したと指摘。その上で、汚染水流出を「犯罪」としてとらえ、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法)」違反にもとづいた処罰を求めている。

彼らがこのような告発を行なった理由と、東電の汚染水対応が公害罪法違反だとする根拠について、告訴団代理人の河合弘之弁護士に聞いた。

●「爆発事故の責任追及が曖昧なことが汚染水拡大を生み出した」

「福島原発告訴団は昨年、福島第一原発の爆発による放射能被曝事件について、業務上過失致死傷容疑などで、法人である東電や東電幹部らを告訴・告発しました。ところが検察は今年9月9日、被害者ら1万4176人が行ったこの告訴・告発について『不起訴処分』にすると決定しました。

汚染水の拡大を生み出した原因の一つは、検察当局が事故の刑事責任の追及を曖昧にしたことにあると、私たちは考えています。この甘さが、東電の汚染水対策を、著しく緊張感を欠いたものにしたのです。それが今回、告訴団を代表する3人が告発を行うことにした理由です」

河合弁護士は、今回の告発に至った経緯をこう語った。では、告発の中身はどのようなものなのだろうか。

●汚染水漏えいが公害罪法違反になるワケ

「今回、我々が行ったのは、東電による汚染水流出が、公害罪法違反にあたるという告発です。

具体的には、同法3条の『業務上必要な注意を怠り、工場または事業場における事業活動に伴って、人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命または身体に危険を生じさせた』という犯罪の構成要件を満たすと考えています」

どうして、そう言えるのだろうか。

「まず事実として、東電が流出させている汚染水は、地下水が建屋に流れ込み、溶融した燃料と接触し、海に排出されている分が一日あたり約400トン。また、高レベル汚染水がタンクから漏洩し、環境中に漏れた分が全体で300トンとされています。

こうした汚染水を安全に管理することは、東電の『事業活動』に含まれます。また、放射性物質が『人の健康を害する物質』であることは明らかです」

●「対策の先送りが被害を拡大させた」

「ところが、東電は汚染水流出を防ぐため、必要な対策を取っていませんでした。2011年6月17日に、政府から検討を求められた原子炉施設を囲む遮水壁の設置についても、東電は経営破綻を危惧して先送りにし、抜本的対策を講ずることなく放置し、被害を拡大させたのです。

以上が、犯罪に当たると判断した理由です。放射性物質を大量に含んだ汚染水の流出は、まさに、水俣病事件と同様です。この犯罪を処罰することは、公害罪法の趣旨にかなうと言えるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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