9268.jpg
バツイチの兄がアパートで「孤独死」 遺骨と墓は、誰が「承継」すべきなのか?
2015年12月06日 10時13分

兄がアパートで孤独死した。遺骨や、兄が承継していた家の墓をどうするべきかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな悩みが投稿された。兄の死を警察から聞いた投稿者は葬儀屋へ連絡し、火葬のみをお願いして、現在、遺骨を預かっているという。

投稿者によると、亡くなった兄には、7年前に離婚した妻との間に20代の子どもが2人いる。彼らに遺骨の引き取りを頼んだが、拒否されてしまったという。

また、兄は、自らローンを払って建てた実家の墓を継いでいた。誰が、兄と投稿者の父・母が入っている墓を継ぐのかも懸念事項だ。投稿者は結婚後クリスチャンになったため、「仏教のお墓をいまさら継げと言われてもとても困ります」と吐露する。

投稿者は、「兄と奥さんが別れて7年、子供たちも奥さん側の姓にかわり、もう兄とは関係ないつもりでいるのでしょう。このような場合、遺骨の引き取りと祭祀の継承を争っても無駄でしょうか」「遺骨、祭祀ともに私に降りかかるでしょうか」と質問している。

今回のケースの場合、兄の遺骨の引き取りや、墓の承継は誰がすべきなのだろうか。畑中優宏弁護士に聞いた。

兄がアパートで孤独死した。遺骨や、兄が承継していた家の墓をどうするべきかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな悩みが投稿された。兄の死を警察から聞いた投稿者は葬儀屋へ連絡し、火葬のみをお願いして、現在、遺骨を預かっているという。

投稿者によると、亡くなった兄には、7年前に離婚した妻との間に20代の子どもが2人いる。彼らに遺骨の引き取りを頼んだが、拒否されてしまったという。

また、兄は、自らローンを払って建てた実家の墓を継いでいた。誰が、兄と投稿者の父・母が入っている墓を継ぐのかも懸念事項だ。投稿者は結婚後クリスチャンになったため、「仏教のお墓をいまさら継げと言われてもとても困ります」と吐露する。

投稿者は、「兄と奥さんが別れて7年、子供たちも奥さん側の姓にかわり、もう兄とは関係ないつもりでいるのでしょう。このような場合、遺骨の引き取りと祭祀の継承を争っても無駄でしょうか」「遺骨、祭祀ともに私に降りかかるでしょうか」と質問している。

今回のケースの場合、兄の遺骨の引き取りや、墓の承継は誰がすべきなのだろうか。畑中優宏弁護士に聞いた。

●遺骨や墓を受け継ぐのは誰?

「まず、墓地や墓石、仏壇などは『祭祀財産』と呼ばれます。これらは、現金や不動産などの一般的な相続財産と扱いが別になります」

祭祀財産の相続は、どのようなルールになっているのか?

「祭祀財産の承継は、『誰が受け継ぐか』を、被相続人が遺言(書面に限らず、口頭、黙示でもいいです)などで指定していた場合は、その方が承継人とされます。承継人は自由に指定できます。『必ず●●が祭祀を承継しなければならない』といった定めは、民法にありません」

指定がなかった場合は、誰が継ぐことになるのだろうか?

「この場合は、まずその地方の慣習によって、祭祀の承継者が決められます。たとえば『長男が祭祀を継承する』といった慣習があれば、それに従います。ただ、慣習が明らかではない場合は、家庭裁判所の調停や審判で決めることになります。

祭祀を承継した人は、お墓や仏壇などの祭祀財産を管理し、墓地の管理料などの支払いも行います。また、一周忌や三回忌などの年忌法要を開催する役割もあります」

今回のケースでは、誰が祭祀を承継することになるのだろうか?

「今回の場合、承継者の指定や地域の慣習がないようであれば、お兄さんの兄弟である投稿者と、お兄さんの実の子である2人が候補となります。

話し合いで決まらないのであれば、家庭裁判所に祭祀財産の承継者を定める調停を申し立てることになります。

調停で決まらなければ、審判で裁判所が決めることになります。そして、決められた承継人が、遺骨についても、適切に対応することになります」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る