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パートや契約社員など「非正規雇用」が4割・・・正社員との格差はどうすれば縮まる?
2015年11月22日 08時10分

民間企業などで働く労働者のうち、パートや契約社員など正社員以外の人が占める割合が、昨年10月時点で初めて「4割」を超えたことが、厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」でわかった。

この調査は、従業員5人以上の民間企業のほか、公立学校や病院など、約1万7000の事業所と、そこで働く約5万3000人を対象に実施された。事業所が正社員以外を雇用する理由(複数回答)は、「賃金の節約のため」(38・6%)が最も多かった。

一方、塩崎恭久厚生労働大臣は10月下旬、経団連などを訪問し、非正規雇用で働く人について、正社員に登用したり、賃金や福利厚生を手厚くしたりするなど、待遇改善を進めるよう要請した。

正社員と非正規の格差問題はこれまで幾度となく指摘されてきたが、どのように解決するべきだろうか。非正規の待遇改善のための課題について、企業側の代理人として労働法務を扱う倉重公太朗弁護士に聞いた。

民間企業などで働く労働者のうち、パートや契約社員など正社員以外の人が占める割合が、昨年10月時点で初めて「4割」を超えたことが、厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」でわかった。

この調査は、従業員5人以上の民間企業のほか、公立学校や病院など、約1万7000の事業所と、そこで働く約5万3000人を対象に実施された。事業所が正社員以外を雇用する理由(複数回答)は、「賃金の節約のため」(38・6%)が最も多かった。

一方、塩崎恭久厚生労働大臣は10月下旬、経団連などを訪問し、非正規雇用で働く人について、正社員に登用したり、賃金や福利厚生を手厚くしたりするなど、待遇改善を進めるよう要請した。

正社員と非正規の格差問題はこれまで幾度となく指摘されてきたが、どのように解決するべきだろうか。非正規の待遇改善のための課題について、企業側の代理人として労働法務を扱う倉重公太朗弁護士に聞いた。

●正社員と非正規では「定年後」の雇用保証にも格差が生まれる

「正社員と非正規との雇用格差は想像以上のものです。単に毎月の賃金だけではなく、福利厚生や雇用保証の面で大きなギャップがある点が問題です。厚生労働省の『就業形態の多様化に関する総合実態調査』にも象徴的に表れています」

倉重弁護士はこう切り出した。厚労省の調査からどのようなことがわかるのだろうか。

「詳細は東洋経済オンラインの記事(http://toyokeizai.net/articles/-/91718)でも述べていますが、要は、統計の見方に注意が必要です。単に企業が人件費節約のために非正規を増やしたのではなく、『高年齢者雇用安定法』の影響から、60歳以降の嘱託雇用が年々増えている実態が浮き彫りになっています。

そして、この嘱託雇用は基本的に正社員のみが対象です。つまり、正社員と非正規では、定年までの生涯賃金のみならず、定年後の雇用保証についても格差があるのです」

このような格差に対して、これまで、どのような対策がされてきたのだろうか。

「この非正規問題について、法律も対処しようと苦心しているようです。

たとえば、(1)派遣法改正、(2)労働契約法による有期労働契約の無期転換、(3)偽装請負の直接雇用みなし制度など・・・。

しかし、残念ながら、これらは非正規問題の本質からは、かけ離れていると言わざるを得ません」

●「正社員は保護されすぎている」

では、非正規問題の本質はどのようなものなのだろうか。

「派遣法改正の際にも述べましたが(https://www.bengo4.com/roudou/n_3739/)、結局、非正規問題というのは、『正社員は保護されすぎ・非正規は保護されなさすぎ』という現行の労働法体系の中で、人件費をどのように分配するかという問題です。

つまり、『正社員が保護されすぎ』ている以上、非正規にしわ寄せが行くのは当然の摂理と言えるでしょう。一部で、『企業の内部留保を取り崩して正社員を増やせ!』といった主張がありますが、荒唐無稽なのは論ずるまでもありません。

そうであれば、正社員問題を検討せずに、『非正規の待遇を改善しよう!』と主張しても、むなしい掛け声だけに終わってしまうのも、また当然のことです」

どのような解決に向かうべきなのだろうか。

「繰り返しますが、問題の本質は、正社員に対する過剰な保護にあると思います。

人件費の総額に限りがある以上、これを改革しない限り、本当の意味で非正規格差がなくなることはないということを正面から受け止めて、今後の雇用社会をどのようにデザインするのかを真剣に議論してほしいと切に願います」

倉重弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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