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「私用携帯」で仕事するサラリーマン 「通話料」を会社に請求できるか?
2013年02月27日 10時51分

会社の業務のために私用の携帯電話を使っている人のうち、9割近くが料金を自己負担している。そんな調査結果が明らかになった。リサーチ会社のアイシェアが20代から40代までの男性会社員1000人を対象に実施したアンケートで判明したものだ。

それによると、私用の携帯電話を業務に使っている人のうち、「会社で経費精算している」という人は11.4%にすぎず、「会社で経費精算できないので自腹で払っている」という人が64.6%、「清算制度はあるが自腹で払っている」という人が24%にのぼった。

「携帯電話料金の経費清算を認めない」というのは、それぞれの企業の方針によるのだろうが、業務で使った分も自腹で負担するのは、働く側からすれば理不尽なこととも思える。では、もし社員が「業務に関わった電話料金を支払ってほしい」と会社に求めたとしたら、その要求は認められるだろうか? 労働問題に詳しい近藤公人弁護士に話を聞いた。

●業務に関わった電話料金は「会社負担」が原則

「私用の携帯電話を業務に使っている社員が『業務に関わった電話料金を支払ってほしい』と会社に求めた場合、その請求は認められます。社員は、労働の対価として賃金をもらい、労働を提供すれさえすれば足りますので、それ以外を負担する必要はありません。出張の交通費・旅費が会社負担のように、業務に関わった電話料金も会社負担が原則です」

それでは、請求できる金額の範囲はどうなのだろうか?

「就業規則や規定があれば、それに従います。規定がなければ、少なくとも、業務に関わった通話料は請求できます。基本料金も、業務の割合と私的な割合に按分して請求できるかもしれませんが、そもそも個人でもっていた携帯電話の場合、会社が拒否したら基本料金の請求は、困難でしょう」

●定額の「携帯電話手当」を支給してもらうという方法も

では、会社に実際に通話料を請求するためには、どのようにすればいいのだろう?

「請求する場合には、通話記録や通話時間等の資料が必要となります。この資料の取り寄せや整理で、相当な作業となるでしょうが・・・。この作業を回避するため、定額の携帯電話手当を支給してもらうことも考えられますが、賃金と見なされる可能性があります。

だたし、これまでの通達として、『私有自動車を社用に提供している者に対して、自動車重量税の税金の一部を支給することは、賃金ではなく、必要経費とする』というものがあります。したがって、携帯電話手当を定額でもらう場合には、基本料金の一部としてもらうのが妥当でしょう」

このように近藤弁護士は説明したうえで、「法的見解と現実とは異なりますので、請求は慎重にしてください」と付け加えた。

私用携帯であっても業務に関わった費用であれば、会社側に請求できることは分かった。しかし近藤弁護士が指摘しているとおり、現実的には証拠となる資料の取り寄せなど、困難な作業が発生しうるものだ。

こうした個人の負担を軽減するため、携帯電話からの発信の際に特定の番号を付加することで、公私の通話料金の使い分けができ、業務利用分を自動的に会社に請求できるというサービスも出現している。会社と相談の上、業務を円滑に進めるためにも、こうしたサービスを利用してみるのも手かもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

会社の業務のために私用の携帯電話を使っている人のうち、9割近くが料金を自己負担している。そんな調査結果が明らかになった。リサーチ会社のアイシェアが20代から40代までの男性会社員1000人を対象に実施したアンケートで判明したものだ。

それによると、私用の携帯電話を業務に使っている人のうち、「会社で経費精算している」という人は11.4%にすぎず、「会社で経費精算できないので自腹で払っている」という人が64.6%、「清算制度はあるが自腹で払っている」という人が24%にのぼった。

「携帯電話料金の経費清算を認めない」というのは、それぞれの企業の方針によるのだろうが、業務で使った分も自腹で負担するのは、働く側からすれば理不尽なこととも思える。では、もし社員が「業務に関わった電話料金を支払ってほしい」と会社に求めたとしたら、その要求は認められるだろうか? 労働問題に詳しい近藤公人弁護士に話を聞いた。

●業務に関わった電話料金は「会社負担」が原則

「私用の携帯電話を業務に使っている社員が『業務に関わった電話料金を支払ってほしい』と会社に求めた場合、その請求は認められます。社員は、労働の対価として賃金をもらい、労働を提供すれさえすれば足りますので、それ以外を負担する必要はありません。出張の交通費・旅費が会社負担のように、業務に関わった電話料金も会社負担が原則です」

それでは、請求できる金額の範囲はどうなのだろうか?

「就業規則や規定があれば、それに従います。規定がなければ、少なくとも、業務に関わった通話料は請求できます。基本料金も、業務の割合と私的な割合に按分して請求できるかもしれませんが、そもそも個人でもっていた携帯電話の場合、会社が拒否したら基本料金の請求は、困難でしょう」

●定額の「携帯電話手当」を支給してもらうという方法も

では、会社に実際に通話料を請求するためには、どのようにすればいいのだろう?

「請求する場合には、通話記録や通話時間等の資料が必要となります。この資料の取り寄せや整理で、相当な作業となるでしょうが・・・。この作業を回避するため、定額の携帯電話手当を支給してもらうことも考えられますが、賃金と見なされる可能性があります。

だたし、これまでの通達として、『私有自動車を社用に提供している者に対して、自動車重量税の税金の一部を支給することは、賃金ではなく、必要経費とする』というものがあります。したがって、携帯電話手当を定額でもらう場合には、基本料金の一部としてもらうのが妥当でしょう」

このように近藤弁護士は説明したうえで、「法的見解と現実とは異なりますので、請求は慎重にしてください」と付け加えた。

私用携帯であっても業務に関わった費用であれば、会社側に請求できることは分かった。しかし近藤弁護士が指摘しているとおり、現実的には証拠となる資料の取り寄せなど、困難な作業が発生しうるものだ。

こうした個人の負担を軽減するため、携帯電話からの発信の際に特定の番号を付加することで、公私の通話料金の使い分けができ、業務利用分を自動的に会社に請求できるというサービスも出現している。会社と相談の上、業務を円滑に進めるためにも、こうしたサービスを利用してみるのも手かもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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