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「結婚しても仕事を続けますか?」 就活での質問に戸惑う女子大生
2013年03月14日 14時01分

来春卒業の大学3年生の就職活動が本格化する季節。企業の採用面接では、さまざまな質問が学生に投げかけられるが、どう答えてよいか困ってしまうものもある。女子大生にぶつけられる「結婚しても仕事を続けますか?」という質問もその一つだ。

●「女性の応募者にだけ『結婚』について聞くのは疑問」

都内の有名女子大を今春卒業するA子さんは、1年前に就活していたときの「ある面接」がいまも脳裏に焼き付いている。総合職を志望して大手損保会社に応募し、エントリーシートと適性検査、3回の面接試験を突破して、最終面接まで進んだ。本社ビル上階の会議室に入ると、貫録のある50代以上と思われる男性の面接官が1人で椅子に座っていた。

いくつかの質問のあと、面接官は「結婚願望はありますか?」とたずねてきた。「あります」。A子さんが答えると、面接官の声は重くなり、「35歳になったとき、ご主人とお子さんがいても、仕事を続けますか?」とたたみかけた。「子どもがいても仕事を続けます」と返すと、「福岡に転勤になった場合、ご主人やお子さんと離れ離れの生活になるかもしれません。お子さんを連れて福岡に行きますか?」としつこく聞いてきたのだという。

結局、A子さんはこの損保会社から内定をもらえなかった。「結婚に関するやりとりで合否を決めたのかはわかりませんが、企業側からすると、女性の総合職が『結婚』を機に辞めてもらいたくないのが本音だと思います」と話すA子さん。「でも、『結婚』についての質問は男性にはしないですよね。面接で女性の応募者にだけ『結婚』について聞くのは疑問です」

●「結婚」の質問をする企業は、女性にとって「働きにくい職場」?

似たようなケースは、ほかにもある。都内大学の法学部に在籍するB子さんは、英会話業界の中堅企業の採用試験を受けた。やはり総合職志望だったが、2次面接で女性の面接官から「結婚して子どもがいても、仕事を続けますか?」と聞かれたのだという。

結婚したときのことを聞く企業について、B子さんは「ワークライフバランスに取り組んでいないなど、結婚や出産後に働きにくい企業ではないかと思います」と推測する。B子さんによると、「大手企業に比べると、中小企業は、女性が働きやすい職場かどうかという点で不安がある」という。このような現状も、学生の大手志向に拍車をかける要因になっているようだ。

結婚に関する質問を受けた女子学生の中には、その企業に対してネガティブな印象をもつ場合もあるというわけだが、あるベンチャー企業の社長は「僕も面接では結婚の質問をするが、それはどのような人生設計をしているのか知りたいから。優秀な人だったら、できるだけ長く一緒に働きたいからね」と話している。採用する側にもそれなりの理屈がある、ということなのだろう。

「結婚について聞かれたくない」という女子学生の戸惑いと、「結婚についての考えも知っておきたい」という企業の意向。読者のみなさんはどちらに共感するだろうか。

(弁護士ドットコムニュース)

来春卒業の大学3年生の就職活動が本格化する季節。企業の採用面接では、さまざまな質問が学生に投げかけられるが、どう答えてよいか困ってしまうものもある。女子大生にぶつけられる「結婚しても仕事を続けますか?」という質問もその一つだ。

●「女性の応募者にだけ『結婚』について聞くのは疑問」

都内の有名女子大を今春卒業するA子さんは、1年前に就活していたときの「ある面接」がいまも脳裏に焼き付いている。総合職を志望して大手損保会社に応募し、エントリーシートと適性検査、3回の面接試験を突破して、最終面接まで進んだ。本社ビル上階の会議室に入ると、貫録のある50代以上と思われる男性の面接官が1人で椅子に座っていた。

いくつかの質問のあと、面接官は「結婚願望はありますか?」とたずねてきた。「あります」。A子さんが答えると、面接官の声は重くなり、「35歳になったとき、ご主人とお子さんがいても、仕事を続けますか?」とたたみかけた。「子どもがいても仕事を続けます」と返すと、「福岡に転勤になった場合、ご主人やお子さんと離れ離れの生活になるかもしれません。お子さんを連れて福岡に行きますか?」としつこく聞いてきたのだという。

結局、A子さんはこの損保会社から内定をもらえなかった。「結婚に関するやりとりで合否を決めたのかはわかりませんが、企業側からすると、女性の総合職が『結婚』を機に辞めてもらいたくないのが本音だと思います」と話すA子さん。「でも、『結婚』についての質問は男性にはしないですよね。面接で女性の応募者にだけ『結婚』について聞くのは疑問です」

●「結婚」の質問をする企業は、女性にとって「働きにくい職場」?

似たようなケースは、ほかにもある。都内大学の法学部に在籍するB子さんは、英会話業界の中堅企業の採用試験を受けた。やはり総合職志望だったが、2次面接で女性の面接官から「結婚して子どもがいても、仕事を続けますか?」と聞かれたのだという。

結婚したときのことを聞く企業について、B子さんは「ワークライフバランスに取り組んでいないなど、結婚や出産後に働きにくい企業ではないかと思います」と推測する。B子さんによると、「大手企業に比べると、中小企業は、女性が働きやすい職場かどうかという点で不安がある」という。このような現状も、学生の大手志向に拍車をかける要因になっているようだ。

結婚に関する質問を受けた女子学生の中には、その企業に対してネガティブな印象をもつ場合もあるというわけだが、あるベンチャー企業の社長は「僕も面接では結婚の質問をするが、それはどのような人生設計をしているのか知りたいから。優秀な人だったら、できるだけ長く一緒に働きたいからね」と話している。採用する側にもそれなりの理屈がある、ということなのだろう。

「結婚について聞かれたくない」という女子学生の戸惑いと、「結婚についての考えも知っておきたい」という企業の意向。読者のみなさんはどちらに共感するだろうか。

(弁護士ドットコムニュース)

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