9734.jpg
DL違法化「文化庁は与党に正確な情報を提供していない」知財法専門家が批判レポート
2019年03月03日 16時37分

ダウンロード違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案をめぐり、文化庁が自民党の部会で配布した資料について、明治大学・知的財産法政策研究所のワーキンググループが3月3日、「国民の声は正確に与党議員に届けられているのか、疑義がある」として批判する検証レポートを発表した。http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190219seimei.html

違法アップロードされた漫画など、あらゆるコンテンツについて、著作権侵害されていると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正案は、自民党の文部科学部会・知的財産戦略調査会合同会議(2月22日開催)で異論が出ながらも、いったん承認されたが、その後も議論が続いて、総務会(3月1日開催)でストップしている。

・検証レポート(基本的な考え方・Q&A関係) http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou1.pdf

・検証レポート(文化審議会著作権分科会意見概要) http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou2.pdf

ダウンロード違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案をめぐり、文化庁が自民党の部会で配布した資料について、明治大学・知的財産法政策研究所のワーキンググループが3月3日、「国民の声は正確に与党議員に届けられているのか、疑義がある」として批判する検証レポートを発表した。http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190219seimei.html

違法アップロードされた漫画など、あらゆるコンテンツについて、著作権侵害されていると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正案は、自民党の文部科学部会・知的財産戦略調査会合同会議(2月22日開催)で異論が出ながらも、いったん承認されたが、その後も議論が続いて、総務会(3月1日開催)でストップしている。

・検証レポート(基本的な考え方・Q&A関係) http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou1.pdf

・検証レポート(文化審議会著作権分科会意見概要) http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou2.pdf

●「立法過程における極めて重大な問題をはらんでいる」

検証レポートは、明治大学知的財産法政策研究所部会資料検証ワーキンググループによるもの。

文化庁の資料について、(1)4人の慎重派委員の意見そのものを省略、(2)2人の慎重派委員の主張の重要部分を省略、(3)慎重派の委員2人の意見の一部だけを切り取り積極派であるかのように誤導、(4)積極派の人数を水増しの処理――をおこなっているとして、(小委員会の)議論の正確な状況が伝えられていないと指摘している。

さらに、これによって、「実際には無限定な対象拡大に積極的な意見は少数派であるにもかかわらず、これが多数派であったような誤解を誘っている」「政策判断を行う上で、審議会における議論の状況を正確に把握すべき立場である与党に正確な情報が提供されていない点は、立法過程における極めて重大な問題をはらんでいる」と批判している。

●研究者や出版社、漫画家も声明を発表していた

いわゆるダウンロード違法化の範囲拡大をめぐっては、知的財産法や情報法の研究者、弁護士らが2月19日、対象の範囲について「さらに慎重な議論を重ねることが必要」「拙速な法改正は、私的領域のおける情報収集の自由に対して過度の萎縮効果を及ぼす」とする緊急声明を発表した。

出版社でつくる出版広報センターも2月21日、海賊版サイト対策の必要性を訴えつつも、「ネットユーザーやクリエイターの表現行為を萎縮させるようなことがあってはならない」「違法化の対象範囲見直しにあたっては、『表現の自由』への最大限の配慮がなされるよう望む」とする見解を出した。

さらに、漫画家でつくる「日本漫画家協会」も2月27日、表現や研究などの萎縮はもとより、人権の制約につながることが決してないように、丁寧で十全な審議を要望する」という声明を発表している。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る