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「50年間」無免許運転、ひき逃げ逮捕で発覚 罪の重さも「50年分」?
2020年07月03日 09時56分

ひき逃げの容疑で愛知県警に逮捕された73歳の男性が、約50年もの間、無免許で運転していたと報じられた。

報道によると、男性が6月27日、県道で車に追突。相手の運転者に軽傷を負わせたにもかかわらず、救護などせずに逃げた疑いで逮捕された。「22歳ごろから運転しているが、一度も免許を取得したことがない」と話しているという。

本当に50年間以上にわたり無免許で運転していたとして、罪の重さも50年分になるのだろうか。前島申長弁護士に聞いた。

ひき逃げの容疑で愛知県警に逮捕された73歳の男性が、約50年もの間、無免許で運転していたと報じられた。

報道によると、男性が6月27日、県道で車に追突。相手の運転者に軽傷を負わせたにもかかわらず、救護などせずに逃げた疑いで逮捕された。「22歳ごろから運転しているが、一度も免許を取得したことがない」と話しているという。

本当に50年間以上にわたり無免許で運転していたとして、罪の重さも50年分になるのだろうか。前島申長弁護士に聞いた。

●「50年間の無免許運転=罪の重さ50年分」ではない

ーー罪の重さも50年分になるのでしょうか

「結論から言えば、罪の重さがそのまま50年分になるわけではありません。ただ、長年、無免許運転を繰り返していたとして、量刑を重く判断する要素として働くことになります」

ーー量刑は具体的にどのように判断されますか

「裁判所は、犯罪の内容、動機、手段、方法、結果、社会的影響とともに、被告人の年齢、性格、反省の態度などを総合的に考慮して、量刑を判断しています。

また、裁判所には、過去の同種事案の裁判例に関するデータベース(一部は電子化されています)があります。担当裁判官は、過去の同種事案の量刑を参考にして、本件についても量刑を判断することになります」

●無免許運転だけであれば、実刑判決はまれだが…

ーー無免許運転の場合、どのような事情が判断材料になりますか

「無免許運転を行った場合、免許の取り消しなどの行政処分のほかに、道路交通法により罰則(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)を科せられることになります。

無免許運転罪の量刑に際しては、(1)同種前科や交通違反歴があるか、(2)無免許運転をする必要性(たとえば急病人を搬送する必要性)があったか、(3)人身事故が発生しているかなどが重要な判断材料となります。

無免許運転罪については、そのほとんど(90%以上)が、略式裁判により罰金刑に処せられています。公判請求された場合でも、実刑判決が下されることは極めてまれと思われます」

ーー今回報道されたケースではどうでしょうか

「50年間の長きに渡り、無免許運転を繰り返したという点は、当然量刑を重く判断する要素として働きます。

また、男性は、無免許運転だけでなく、ひき逃げという人身事故を起こしているようです。

救護義務違反や過失運転致死傷罪などに問われることになりますので、公判請求される可能性があるだけでなく、前科前歴などその他諸事情によっては実刑判決が下される可能性も出てくると思われます」

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