9873.jpg
制服警察官のコンビニ利用に反響、山梨県警「戸惑っている」 パトロールついでの買い物に理解呼びかけたワケ
2025年05月22日 12時09分
#熱中症 #防犯 #山梨県警 #パトロール

「買い物をする制服警察官を見かけるかもしれません」。コンビニで買い物をする女性警察官の写真とともに投稿した山梨県警のポストが大きな話題になっている。

山梨県警警務課の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「あまりの反響に戸惑っている」としたうえで「犯罪対策だけでなく、警察官の暑さ対策のために実施している。ご理解をいただけるとありがたい」と話す。

「買い物をする制服警察官を見かけるかもしれません」。コンビニで買い物をする女性警察官の写真とともに投稿した山梨県警のポストが大きな話題になっている。

山梨県警警務課の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「あまりの反響に戸惑っている」としたうえで「犯罪対策だけでなく、警察官の暑さ対策のために実施している。ご理解をいただけるとありがたい」と話す。

●30万以上の「いいね」に戸惑い

山梨県警は5月19日、公式Xで「県警察では、制服警察官が、犯罪抑止活動の一環としてパトカーでコンビニ等の店舗に立ち寄った際に、勤務に必要な飲食物等を購入する取組を行っております」と投稿。

そのうえで「各店舗で買い物をする制服警察官を見かけるかもしれませんが、ご理解をお願いします」と呼びかけている。

レジの前に立ち、お茶を買おうとしている制服姿の女性警察官の写真とともに投稿されたこのポストは5月21日現在で、30万以上のいいねがつくなど、「大バズり」になっている。

リプライには「素晴らしい取り組み」や「制服で買い物をしてくれるとスタッフは安心する」などのコメントが寄せられ、好意的に受け止められているようだ。

●もともとは暑さ対策のためだった

山梨県警によると、この取り組みはもともと暑さ対策の一環として、昨年7月に地元メディアに向けて発信していたという。

「水筒を持参するなど各自で対策はおこなっているが、炎天下ではすぐになくなってしまう。そのたびに署に戻っていては業務に支障をきたす可能性もある」

これまでに目立ったクレームなどはなかったという。

投稿した理由について、山梨県警は「消防車でコンビニに立ち寄ったことが批判された事例もあった。暑くなってきたこのタイミングで改めて周知することで、理解を得ようと考えた」と話す。

そのうえで「過去の投稿でこれほど反響を得たことはない。想定しなかったことで戸惑いと言ってもいい」と驚きの反応をみせた。

制服での買い物にはルールも設けられており、購入できるのはお茶やスポーツドリンクなど必要最低限の飲食物に限られている。

「タバコや雑誌といった娯楽品はもちろんダメ。弁当も認められているが、現場から現場への移動が必要で署に帰れないなど、やむを得ない理由がないと認めていない」

●特殊詐欺に対する「防犯」にもなっている

一方で、「威圧感を与えている」「規律が緩むのでは」といった否定的なコメントも散見された。

山梨県警は、年末年始などを中心に、制服でコンビニやスーパーなどに立ち寄り警戒活動をおこなっているとしたうえで「万引きや近年増加傾向にあるコンビニATMを利用した特殊詐欺に対する防犯にもなっている」と強調する。

「今回の件で、多くの人に知ってもらえたと思うので、ぜひ普段の活動も見てもらえるとありがたい」という山梨県警。

「署員の健康のために、必要最小限のものに絞って運用している」と改めて取り組みに理解を求めたうえで「これからますます暑くなってくるので、水分と塩分補給をしっかりおこない、熱中症対策をしてほしい」と呼びかけた。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る