回転寿司チェーン「スシロー」に続き、「はま寿司」でも学生アルバイトやパートらが労働組合を結成した。労働組合「回転寿司ユニオン」が9月19日の記者会見で明らかにしたもので、結成後の初の団体交渉で、会社側から賃金を1分単位で計算するとの回答を得たという。
同ユニオンは2022年に「スシロー」の学生アルバイトらで結成された。2025年6月に入り、はま寿司で働くアルバイトらも加入し、「回転寿司ユニオンはま寿司本部」を結成。8月27日に会社側と初の団体交渉があったという。
●出勤時の賃金計算、年度内めどに「完全1分単位化」へ
ユニオンによると、はま寿司ではこれまで出勤時間から賃金計算は15分単位で切り捨てられる仕組みだった(退勤時は1分単位計算)。
賃金計算の変更などを求めた団体交渉が開かれ、はま寿司側は2025年度内に出勤時間も1分単位での計算に改めるとの回答を示したという。
ユニオン側は過去分の未払い賃金の精算も求めているが継続協議となっており、9月21日も2回目の団交が予定されている。
ユニオンによれば、スシローでは、同様の交渉で1分単位化が実現し、2024年には非組合員を含む全従業員に過去の未払い分が遡及して支払われたとしている。
●学生アルバイト「はま寿司は悩みを受け入れてくれた」
はま寿司の埼玉県の店舗でアルバイトとして働く大学1年生の男性は「団体交渉で自分の意思が通り、会社側も悩みを受け入れてくれた」として、労働環境改善を望む考えを示した。
ユニオンの吉田帆駆斗書記長によれば、スシローとはま寿司を含めて組合員は約50人。回転寿司では人手不足や長時間労働、昇給なしといった課題が顕著だと説明した。今後も回転寿司チェーンで働く人からの労働相談も受け付けていく。