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許すまじ盗撮犯! 逮捕された加害者に要求できること
2015年11月16日 00時00分

盗撮被害にあったものの、加害者の名前や住所、画像のゆくえがわからないーー。

反省させるためにも、せめて慰謝料くらい払ってもらいたいと考えている被害者ですが、連絡先の知らない相手にどんな請求ができるのでしょうか。そして、撮られた画像はどうなるのでしょうか。岡田功弁護士の解説をお届けします。

盗撮被害にあったものの、加害者の名前や住所、画像のゆくえがわからないーー。

反省させるためにも、せめて慰謝料くらい払ってもらいたいと考えている被害者ですが、連絡先の知らない相手にどんな請求ができるのでしょうか。そして、撮られた画像はどうなるのでしょうか。岡田功弁護士の解説をお届けします。

Q. 「慰謝料請求はいつすればいい?」

スーパーで買い物中、スカートの中を動画で盗撮されました。

運良く現行犯逮捕され、証拠もみつかり、犯人も罪を認めています。犯人は送検されたと警察から聞きました。

慰謝料を請求したいと思っていますが、どのタイミングで、請求するのでしょうか。私は彼の連絡先を知りません。

そして、撮られた画像の行方も気になっています。これは本当に消去してもらえるのでしょうか?

A.「慰謝料請求は早いに越したことはない」

盗撮犯においても、被害者との示談の有無が、検察官による起訴・不起訴の処分や、起訴された場合の量刑(刑期)の長短に影響を及ぼします。

よって、犯人とすれば、処分や刑期が決まる前は、慰謝料を払ってでも示談したいという動機が形成されやすいといえます。

したがって、慰謝料請求のタイミングとすれば、早いに越したことはありません。

遅くとも、略式起訴による罰金刑が予想される事案では、検察官の処分前が望ましいでしょう。また、起訴されて正式裁判になる場合では、判決前が望ましいということになります。

では、犯人の氏名や連絡先を知らない場合、どのように請求すれば良いのでしょうか。

警察や検察等の捜査機関は、当然、犯人の氏名や連絡先を把握しています。しかし現在は、捜査機関が被害者からの問合わせに応じて犯人の連絡先等を回答する義務はありません。犯人や弁護人から了解を得られた場合にのみ、被害者に伝えているに止まります。

よって、犯人側が連絡先の開示を拒んだ場合、被害者が犯人の連絡先を知ることは困難です。

しかし、犯人側は処分や刑期を軽くしたいという気持ちがありますので、被害者と示談交渉をするために、連絡先を教えてくることも少なくありません。

ちなみに、正式裁判になると、第1回の公判期日の人定質問の際に、被告人が自ら氏名や現住所を裁判官に述べる場面があります。裁判を傍聴することで、犯人の氏名と現住所を知る機会となるでしょう。

なお、被害者の方には、問題の画像がふたたび犯人の手に戻ることがないか懸念があるかもしれません。

警察が盗撮犯人を逮捕した場合、盗撮された画像は全て証拠品として押収します。

現行犯逮捕の場合は、自宅にも同様の盗撮画像が保管されている可能性があれば、犯人に任意提出させたり、家宅捜索等により押収に努めます。

その際、犯人は、押収された盗撮画像の全てについて、所有権放棄をすることが通常であり、最後は、検察官の指示により、全て廃棄処分されます。

また、所有権放棄の有無にかかわらず、正式裁判となれば、当該起訴にかかる盗撮行為で撮影された画像は、付加刑として没収の対象となり、最終的には廃棄処分されることになります。

(弁護士ドットコムライフ)

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