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LINEヤフーが「フルリモートOK」から「原則週1回出社」へ 社員は「働き場所の変更」拒否できる?
2024年12月17日 10時19分
#LINEヤフー #フルリモートワーク #リモートワーク #働き方

LINEヤフーは12月13日、2025年4月からリモートワークについての制度を改訂し、原則的に週1回、あるいは月1回の出社日を設けると発表した。

対象は正社員や契約社員、嘱託社員、アルバイトなど。これまで、LINEヤフーは、国内であれば居住地を問わず働けるなどとしていた。

発表によると、カンパニー部門に所属する社員は「原則週1回の出社」。カンパニー部門以外(開発部門、コーポレート部門など)に所属する社員は「原則月1回の出社」になるという。

その目的について、LINEヤフーは次のように説明している。

「さらに新しいプロダクトを生み出すためには、コミュニケーションの質を強化することが必要だと考えています。リモートワークの良さを活かすとともに、対面でのコミュニケーションの良さを今まで以上に取り入れるために、今後は出社日を設け、新しい働き方を目指してまいります」

この発表に対し、Xでは「リモートワークは生産性が落ちるから仕方ない」という声や、「フルリモートワークを前提に地方に住宅を購入した人が気の毒」といった声も聞かれ、議論に発展している。

その中には、フルリモートワーク可能という条件で入社した社員にとって、「週1回出社」への変更は、「不利益な変更になるのでは」という指摘もあった。

フルリモートをしていた社員は、出社を拒否することはできるのだろうか。労働問題に詳しい笠置裕亮弁護士に聞いた。

LINEヤフーは12月13日、2025年4月からリモートワークについての制度を改訂し、原則的に週1回、あるいは月1回の出社日を設けると発表した。

対象は正社員や契約社員、嘱託社員、アルバイトなど。これまで、LINEヤフーは、国内であれば居住地を問わず働けるなどとしていた。

発表によると、カンパニー部門に所属する社員は「原則週1回の出社」。カンパニー部門以外(開発部門、コーポレート部門など)に所属する社員は「原則月1回の出社」になるという。

その目的について、LINEヤフーは次のように説明している。

「さらに新しいプロダクトを生み出すためには、コミュニケーションの質を強化することが必要だと考えています。リモートワークの良さを活かすとともに、対面でのコミュニケーションの良さを今まで以上に取り入れるために、今後は出社日を設け、新しい働き方を目指してまいります」

この発表に対し、Xでは「リモートワークは生産性が落ちるから仕方ない」という声や、「フルリモートワークを前提に地方に住宅を購入した人が気の毒」といった声も聞かれ、議論に発展している。

その中には、フルリモートワーク可能という条件で入社した社員にとって、「週1回出社」への変更は、「不利益な変更になるのでは」という指摘もあった。

フルリモートをしていた社員は、出社を拒否することはできるのだろうか。労働問題に詳しい笠置裕亮弁護士に聞いた。

●会社からの出社命令に応じなかった社員の訴訟

——会社は社員の同意なく、フルリモートワークの廃止など、働く場所を一方的に決定することは可能なのでしょうか。

会社と労働者との間の労働契約の内容によって、結論が変わります。

日本企業における一般的な労働契約では、勤務場所は会社が指定した場所とされるのが一般的であり、会社には社員をどこにでも配置転換することが原則可能となっています。その場合には、社員の同意なくフルリモートワークを廃止したとしても、それは契約上当然に予定された事態であるということになります。

他方で、コロナ禍以降、各社ではフルリモートワークを前提とした採用活動も広く行われるようになりました。そのような方との間の労働契約では、勤務形態がフルリモートとなっており、これを会社が変更したいと考えるならば、労働者の個別の同意が必要となります。

会社からの出社命令に応じなかったフルリモート勤務社員の方の賃金請求が争われた事例として、アイ・ディ・エイチ事件(東京地判R4.11.16)があります。

この事案では、原告の方が転職活動時から、フルリモートワークを希望する意思を明確にしていた上、雇用契約締結後、原告が本社に出社をしたのは、契約直後の1回のみであり、それ以外は常時在宅勤務であった一方で、原告は、子どもを保育園へ送迎する必要があり、また、原告の自宅から会社までは片道2時間程度の時間を要するものだったという事情がありました。

裁判所はこれらの点を考慮し、在宅勤務を原則とし、業務上特段の必要性がある場合にのみ出社命令を課すことのできる勤務条件であったと結論付けました。

そして、原告を現実に出社させる必要性は乏しかった一方で、出社による原告の不利益は大きいものであったことを踏まえると、出社命令は、相当性を欠いたものとして無効であると判断されました。

●求人時に「フルリモートワークOK」だったら?

——求人時に「フルリモートワークOK」という条件だった社員が、出社を拒否することはできるのでしょうか。

労働契約上の勤務条件として、フルリモートワークが勤務形態とされており、そのような勤務形態のもと実際にも就労し、生活を送ってきたということであれば、突然一律に定期的な出社を求めることは人事権の濫用であると解釈されることになるでしょう。

——働き方や働く場所について、入社時や転職時に気をつけておくべきことはありますか。

働き方や働く場所について、様々な事情で制約があるような方であっても、企業が求めるスキルや能力があれば活躍できるのが、フルリモートワークという新しい働き方でした。そのような制限が絶対的なものなのであれば、採用時に必ず、必須の労働条件であるとして契約書に明記させることを忘れないように注意しましょう。

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