14051.jpg
不倫騒動の篠田麻里子さん、夫婦喧嘩の音声がネットに流出 法的問題は?
2022年12月28日 18時00分

不倫騒動で話題になっている元AKB48の篠田麻里子さん。夫婦喧嘩の音声が流出し、インターネット上で広まっている。「私が全部悪い」「死んだら許してね」などと泣きながら訴える篠田さんの声や、子どもの名前を連呼する声も含まれている。

そもそも、夫婦のプライベートな会話を晒すことに法的問題はないのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

不倫騒動で話題になっている元AKB48の篠田麻里子さん。夫婦喧嘩の音声が流出し、インターネット上で広まっている。「私が全部悪い」「死んだら許してね」などと泣きながら訴える篠田さんの声や、子どもの名前を連呼する声も含まれている。

そもそも、夫婦のプライベートな会話を晒すことに法的問題はないのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●プライバシー権侵害や名誉毀損行為に該当し得る

濵門弁護士は、夫婦喧嘩の音声を公にする行為は「プライバシー権侵害や名誉毀損行為に該当し得る」と指摘する。

「プライバシー権とは、私生活上の情報をみだりに公開されない権利とされ、憲法13条で保障される基本的人権であると解されています。

今回の件においては、篠田さん自身が第三者と不貞行為に及んでいるという事実を公開されることを望むはずがありません。篠田さんが著名人であるとしても、プライバシー権の侵害として不法行為が成立し得るのではないかと考えます。この場合、篠田さんは損害賠償請求が可能となります。

名誉権もプライバシー権と同様に憲法13条によって保障されている基本的人権と解されています。名誉毀損とは、それが真実か虚偽であるかにかかわらず、ある具体的事実を不特定多数の人が認識できる状態で示すことによって、ある人の社会的な評価を低下させることをいいます。

名誉毀損行為について民法上の不法行為が成立する場合には、損害賠償責任を負います。さらに、名誉毀損をした者に対して、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償にかえて、または損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができるという原状回復が認められています」

●名誉毀損は刑事罰が科される可能性も

名誉毀損については、刑事罰が科される可能性があることにも注意しなければならない。刑法には、名誉毀損について、次のような規定がある。

【刑法230条1項】 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

ここにいう「公然」とは「不特定多数の人が認識できる状態のこと」を指し、事実の摘示とは「具体的な事実を示すこと」を意味すると濵門弁護士は説明する。これらが備わった状況で他人の名誉を毀損してしまう(=社会的な評価を低下させるおそれがある)と、名誉毀損罪が成立することになるという。

「ただし、名誉毀損罪が構成されるケースであっても、公共性があり、その目的がもっぱら公益を図ることにあったと認められ、摘示された事実が真実であると確認できた場合には、違法性阻却事由に該当するため、処罰の対象にはなりません (刑法230条の2の1項)。

この点、本件における音声の公開は、まったく目的の公益性が認められません。また、篠田さんが第三者と不貞行為をおこなった事実にもまったく公共性がありません。篠田さんサイドとしては、告訴を検討されてもいいのかもしれません」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る