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安田純平さん「真相究明は絶対必要」 外国人記者は「謝る必要はない」と指摘
2018年11月09日 17時16分

シリアで武装勢力に拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが11月9日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を開いた。会見は記者からの質問を受け付ける形式で行われ、終了予定時間を過ぎても質問が相次いだ。

シリアで武装勢力に拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが11月9日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を開いた。会見は記者からの質問を受け付ける形式で行われ、終了予定時間を過ぎても質問が相次いだ。

●外国人記者「謝る必要はない」

最初に質問した外国人記者は「謝る必要はない。ジャーナリストは政府にコントロールされる内容ではなく、現場での状況を伝えることが仕事だ」と訴え、「日本社会は異なった常識があると感じる。世界で活躍するジャーナリストとして謝罪する必要があると考えていますか」と問いかけた。

安田さんは「ジャーナリストの仕事が政府や権力にコントロールされるものではないということについて、全面的に賛成します」と賛同しつつ、「私自身の行動にいくつかのミスがあったことは間違い無いので、この点について皆様から批判をいただき、今後に生かすために、頂いた批判についてお詫びを申し上げている」と説明した。

●身代金を払う国「現場に行くこと慎重になる」

別の外国人記者から「もし日本政府が身代金の支払いをした場合、正当なやり方と思うか」と問われると、「他の記者が人質になっているときに身代金を持って解放されるのであれば、そういう方法もやむを得ないと考える。一方で、自分がそういう状況になった時にどうかというと、やはり自分がそれにふさわしいのだろうかとか考えるのではないかと思う」と話した。

さらに「日本が身代金を払う国ということが確証の高い事実としてある場合、私に限らず、現場に行くことをかなり慎重に考える気がする」と指摘。「政府が身代金を払うことはまず無いという認識があり、だからこそ現場には自分の責任や判断で入るという人が多いのではないか」と述べた。

●「真相究明は絶対に必要」

また、2016年1月、武装勢力に「日本から送られて来た質問に答えろ」と要求され、妻の深結さんからの質問に答えた経緯と意図について説明した。

好きな焼酎の銘柄についての項目は「固有名詞で何を書いても書きやすい場所だった」ため、焼酎の銘柄を書いた後に「払っちゃいかん」「断固無視しろ」「無事帰る」の3つのメッセージを入れた暗号を書き込んだ。

こうしたメッセージは2004年4月、安田さんがイラクで武装勢力に一時拘束された際に「日本政府が助けてもらえると思って行っているのではないか」といった批判を受けたことを踏まえ、「政府による救出を期待して行っているのではなく、自分の判断で行っていることを示しておく必要がある」と考え、入れたと説明。

安田さんは「自己責任と指摘しながら家族の連帯責任も追及するということを(2004年の際に)経験していたので、自分自身で責任を取るという姿勢を示すことが、家族にとってもいいと考えた」と振り返った。

今後の活動について問われると「現場に行くかどうかは白紙」としながら「拘束した人間は誰だったのか、真相究明は絶対に必要」と訴えた。

「現場の取材が必要ないことは絶対にない。私自身がしなくても、他の方法もあるし、優秀な素晴らしいジャーナリストがたくさんいるので、協力できることは協力したい。ジャーナリズムが無くなることは絶対にないように願っている」

(弁護士ドットコムニュース)

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