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安保法案「衆議院・特別委で可決」 このあと「国会の手続」はどのように進む?
2015年07月15日 17時50分

これまでの憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能にすることから、反対論も強かった「安全保障関連法案」が7月15日、衆議院の特別委員会で可決され、衆院本会議に送られた。委員会では、野党が採決に参加しないなか、自民・公明の与党が「強行採決」を行った。しかし、まだこれで法律が成立したわけではない。今後、どのような手続に進んでいくのだろうか。

これまでの憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能にすることから、反対論も強かった「安全保障関連法案」が7月15日、衆議院の特別委員会で可決され、衆院本会議に送られた。委員会では、野党が採決に参加しないなか、自民・公明の与党が「強行採決」を行った。しかし、まだこれで法律が成立したわけではない。今後、どのような手続に進んでいくのだろうか。

●「委員会」で可決された法案は「本会議」へ

国会で審議される法案は、まず「委員会」という場に持ち込まれ、そこで「本会議にかけるかどうか」のフィルターにかけられるのが、基本の流れとなっている。

衆議院には17の常任委員会がある。そのほか「特別委員会」が設置されることもあり、安保法案を審議していた衆議院の「平和安全特別委員会」もその一つだ。委員会の45人のメンバーは、衆議院における各会派の議席数の比率に応じて割り当てられている。

安保法案は委員会で可決されたため、次に、衆院本会議に送られる。

本会議でも質疑・討論が行われ、その後、採決が行われる。安保法案については、明日16日か、その翌日、衆院本会議で一気に「採決」まで行われると報じられている。法案の審議日程は「議会運営委員会」で決まるが、これもメンバーが各会派の比率に応じて決まるため、与党会派に決定力があるのだ。

●「衆議院の優越」を定めたルールがある

衆議院で議案が可決されると、法案は参議院に送られる。参議院でも同じような手続きが待っている。まず法案が参議院の「委員会」に付託される。そして、委員会で可決されれば、本会議へと送られる。法案は、衆議院に続き、参議院本会議でも可決されると成立する。

ただし場合によっては、参議院での審議が長引き、採決に至らない可能性もある。

そこで注目されているのが、憲法59条で定められた国会の議決に関するルールだ。そこには「衆議院で可決され、参議院に送られてから60日が経過した法案は、否決されたと見なす」というルールと、「参議院で否決された法案は、衆院で3分の2以上の賛成で再可決された場合、成立する」というルールが書かれている。これらは「衆議院の優越」というルールだ。

つまり、衆議院本会議で再び採決が行われ、3分の2以上の賛成で可決すると、参議院の可決がなくても、安保法案が成立するわけだ。与党会派は3分の2以上の議席を握っているため、再可決も不可能ではない。

今国会の会期は、現行憲法下では最長記録となる95日間の延長が行われ、9月27日まで大幅延長された。会期延長は、この「60日」と「衆議院での再可決」のルールを見越して設定されたとみられる。

期間内に成立しなかった法案は「廃案」か「継続審議」となる。継続審議となった場合、結論は次回以降の国会に持ち越される。もし参議院で継続審議となった場合、参院での審議は引き継がれるが、衆議院での審議はもう一度やり直しとなる。

※参議院での与党議席数につき、間違った記載がありましたので、記事内容を訂正しました(7月16日18時7分)。

(弁護士ドットコムニュース)

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