14948.jpg
小嶋陽菜さんを抱きついて押し倒した男性逮捕、暴行罪以外に問われる可能性は?
2024年10月30日 17時46分
#AKB48 #小嶋陽菜 #暴行 #不同意わいせつ

AKB48の元メンバーで、タレントの小嶋陽菜さんに抱きついて押し倒したとして、ファンとみられる男性が暴行の疑いで警視庁に現行犯逮捕された。

報道によると、男性は10月29日、東京・渋谷の路上で、写真集発売イベントのあとに会場から出てきた小嶋さんに抱きついて押し倒した疑いが持たれている。

警視庁には8月上旬、小嶋さんの関係者から「イベントで大騒ぎする過激なファンがいて困っている」という相談が寄せられていたそうだ。

小嶋さんの所属事務所は10月29日、公式サイトで声明を発表。「小嶋陽菜に怪我はありませんでした」としつつも、法的措置をとることを明らかにした。

今回の逮捕容疑は「暴行罪」であるが、他の罪に問われる可能性はないのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

AKB48の元メンバーで、タレントの小嶋陽菜さんに抱きついて押し倒したとして、ファンとみられる男性が暴行の疑いで警視庁に現行犯逮捕された。

報道によると、男性は10月29日、東京・渋谷の路上で、写真集発売イベントのあとに会場から出てきた小嶋さんに抱きついて押し倒した疑いが持たれている。

警視庁には8月上旬、小嶋さんの関係者から「イベントで大騒ぎする過激なファンがいて困っている」という相談が寄せられていたそうだ。

小嶋さんの所属事務所は10月29日、公式サイトで声明を発表。「小嶋陽菜に怪我はありませんでした」としつつも、法的措置をとることを明らかにした。

今回の逮捕容疑は「暴行罪」であるが、他の罪に問われる可能性はないのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●不同意わいせつ罪にあたる可能性がある

まず、逮捕された男性の行為は、小嶋さんに後ろから抱きついて押し倒すというものですから、不同意わいせつ罪(刑法176条)にあたる可能性があります。

報道によると、男性は「暴行を加えるつもりはなかった」と供述していることから、性的意図はないように思われます。

この点に関して、最高裁判所はかつて、強制わいせつ罪の成立に性的意図が必要であるとしていました(最判昭和45年1月29日)。

しかし、最高裁はその後、一律に性的意図を要件とすることは相当でないとして、判例変更しています(最判平成29年11月29日)。

●ストーカー規制法違反にあたる可能性も

つぎに、男性は被害者のファンだったようですから、ストーカー規制法違反にあたる可能性もあります。

ストーカー規制法は、ストーカー行為(同一の者に対して、つきまとい等を反復してすること)をした人について罰則規定を置いています。

この法律は、軽犯罪法で処罰の対象となっている行為(軽犯罪法1条28号〔追随等の罪〕や軽犯罪法1条5号〔粗野・乱暴の罪〕)よりも悪性の強い行為を処罰するものです。

ストーカー規制法違反が成立する場合には、軽犯罪法1条28号や5号の罪は成立しないとされています。また、軽犯罪法1条28号や5号の罪は、暴行罪(刑法208条)に吸収されることとなります。

●都迷惑防止条例違反は?

今回の事件は、東京・渋谷区で発生していることから、東京都迷惑防止条例5条の2(つきまとい行為等の禁止)違反の可能性もあります。

この規定では、特定の者に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的の行為を処罰対象としており、軽犯罪法1条28号と保護法益をやや異にしています。

また、処罰の対象とする行為も、つきまといや、進路に立ちふさがる行為だけでなく、「住居等の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること」といった、軽犯罪法1条28号で処罰の対象としていない行為を規定していることから、両罪ともに成立し、観念的競合(1つの行為で2つの犯罪が成立するが、科刑上は1つの罪とされる)の関係に立つと考えられます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る