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年末年始の休み希望出したら上司ブチ切れ…バイトのシフト強要、法的問題は?
2016年12月29日 11時21分

年末年始に休みの希望を出したら上司がキレたーー。インターネットの掲示板に、スーパーでアルバイトをしているという人が体験談を投稿した。

シフトを決める際、投稿者が希望の休みの日にちに印を付けたところ、上司に「こりゃダメだ」と言われたという。

コメント欄には、投稿者に対して「バックレろよ」という意見もあったが、投稿者は「夕方のバイトは俺1人しかいないしあと1年は辞めないって言ってたそばからバックレちゃちょっとあいつなんだったんだって思われるし」と踏み切れない様子だ。

年末年始に休みを希望しているアルバイトに対して、雇用者側が拒否する姿勢をとることは法的に問題ないのだろうか。労働問題にくわしい波多野進弁護士に聞いた。

年末年始に休みの希望を出したら上司がキレたーー。インターネットの掲示板に、スーパーでアルバイトをしているという人が体験談を投稿した。

シフトを決める際、投稿者が希望の休みの日にちに印を付けたところ、上司に「こりゃダメだ」と言われたという。

コメント欄には、投稿者に対して「バックレろよ」という意見もあったが、投稿者は「夕方のバイトは俺1人しかいないしあと1年は辞めないって言ってたそばからバックレちゃちょっとあいつなんだったんだって思われるし」と踏み切れない様子だ。

年末年始に休みを希望しているアルバイトに対して、雇用者側が拒否する姿勢をとることは法的に問題ないのだろうか。労働問題にくわしい波多野進弁護士に聞いた。

●使用者が休み希望を拒否できる場合もある

「通常の会社なら、年末年始が休日になっていることが多いと思いますが、スーパーやコンビニ、デパートなど年末年始に営業することが前提となっている業態もありますよね。そのような職場では、アルバイトの休み希望を使用者が拒否できる場合があります」

どのような場合に休み希望を拒否できるのか。

「労働契約の内容がどうなっているかがまず問題になるでしょう。使用者が休み希望を拒否できるのは、労働契約や、アルバイトに対して拘束力がある『就業規則』の中に、会社がアルバイトに対して特定の日に業務に就くよう命令できる根拠がある場合です。

その場合、使用者がアルバイトに年末年始にシフトに入るようを求めることは、形式的には許されると思います。

ただ、いくら形式的な根拠があるとしても、シフト制を採用している場合、アルバイトの予定や希望を聞きながら弾力的にシフトを組むのが一般的でしょう。

使用者側がアルバイトの希望や予定を無視して一方的にシフトを組み、それに異議を唱えてシフトに従わなかったアルバイトを欠勤扱いしたり、不利益な措置をとることには問題があるように思います」

ただ、年末年始は特に忙しいので、使用者としてもシフトを組むのは大変ではないか。

「多くの場合、年末年始に営業する職場は人のやりくりが大変です。ただ、通常は、アルバイトの予定や希望を聞きつつシフトを調整しますよね。

そのような努力や調整をせずに、使用者側が一方的に『年末年始にシフトに入らないことを原則として認めない』とアルバイトに押しつけることは非常に問題があります。

やはり、労働者と使用者の関係は、継続的な信頼関係を基礎にしたものですから、使用者が労働者の希望を聞いたり、シフトの調整といった基本的な手順を踏まずに、アルバイトにシフトを押しつけるのは妥当ではありません。業務命令権の濫用として許されない可能性があると思います」

コメント欄には、投稿者に「バックれ」を勧める声もあった。仮に、投稿者が、シフトに入る人が自分1人だけとわかっていながら、当日いきなり無断欠勤した場合、法的に問題が生じるのだろうか。

「労働者が当日に無断欠勤をした場合には、使用者の損害賠償請求が認められる可能性があると思います。

労働者が事前に、その日のシフトに入ることは無理だと明確に通知していたにもかかわらず、使用者が人の手当をせず損害を被ったなら、それは使用者の自業自得と言えます。

しかし、その日のシフトに入れないことを労働者が明確に伝えていなかった場合、使用者としては労働者が出勤する前提でいるわけですから、人の手当てをしないことは自然なことです。そのような場合、労働者が当日無断欠勤することは使用者にとって不意打ちでありかつ対処が極めて困難だと思います。

例えば、小売店舗なら開店すらできず、販売機会を失うなどの損害が発生すると考えられ、これは労働者が当日に無断欠勤したことによって生じた損害と評価されるでしょう。

したがって、このような一方的なシフトの押しつけがあったなら、きちんと証拠に残る形(メールなど)で、事前に(できるだけ早い時期に)そのシフトでは出勤できないことを伝えておくことが無難と思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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