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既婚男性「一緒になろう」と誘惑→離婚せず…「結婚詐欺」で訴えられる?
2018年12月10日 10時03分

離婚は決まっているからーー。男性の言葉を信じ、既婚者と知りながら結婚を夢見て交際していた女性。結局、離婚の気配はなく、「結婚詐欺ではないか」と弁護士ドットコムに相談を寄せました。

女性は会社の先輩である既婚者の男性と不倫関係を続けていました。男性は「夫婦関係が上手くいっておらず、別居中で、離婚が決まっている」と言い、女性は男性から言われた「一緒になろう」という言葉を信じていました。

しかし、結局のところ離婚するそぶりはなく、「騙してきた彼の落ち度は大きい」と慰謝料請求を考えています。

また、逆に「結婚詐欺で訴える」と言われた男性からの相談もありました。不倫相手の女性には、プロポーズしたり「妻とは離婚する」と伝えたりしてきました。女性は男性が既婚者と知りながら付き合っていましたが、別れを切り出すと「結婚詐欺で訴える」と言われたそうです。

既婚者と知りながら交際し、プロポーズの言葉もあったのに相手が離婚しなかった場合、結婚詐欺に当たるのでしょうか。上将倫弁護士に聞きました。

離婚は決まっているからーー。男性の言葉を信じ、既婚者と知りながら結婚を夢見て交際していた女性。結局、離婚の気配はなく、「結婚詐欺ではないか」と弁護士ドットコムに相談を寄せました。

女性は会社の先輩である既婚者の男性と不倫関係を続けていました。男性は「夫婦関係が上手くいっておらず、別居中で、離婚が決まっている」と言い、女性は男性から言われた「一緒になろう」という言葉を信じていました。

しかし、結局のところ離婚するそぶりはなく、「騙してきた彼の落ち度は大きい」と慰謝料請求を考えています。

また、逆に「結婚詐欺で訴える」と言われた男性からの相談もありました。不倫相手の女性には、プロポーズしたり「妻とは離婚する」と伝えたりしてきました。女性は男性が既婚者と知りながら付き合っていましたが、別れを切り出すと「結婚詐欺で訴える」と言われたそうです。

既婚者と知りながら交際し、プロポーズの言葉もあったのに相手が離婚しなかった場合、結婚詐欺に当たるのでしょうか。上将倫弁護士に聞きました。

●財産を騙し取ったかどうかがポイント

ーー既婚者と知りながら交際し、結局離婚しなかったケースは、結婚詐欺にあたりますか

「詐欺とは、相手方に対してうそを言うなどして騙し、相手に勘違いを起こさせて、それを利用して相手から財産を騙し取ったり、財産上の利益を得ることです。

いわゆる『結婚詐欺』の場合は、結婚する気もないのに、結婚するかのように相手に告げて、相手が勘違いしていることを利用して、財産を騙し取ることがこれにあたります。

結婚後の同居のための不動産購入費用や結婚準備資金などの名目で、相手からお金を騙し取り、そのまま行方をくらますというのが典型です。

このことから、既婚者からプロポーズの言葉があったにもかかわらず、相手が離婚しなかったというだけでは、詐欺にはあたりません」

ーーどのようなケースであれば、結婚詐欺になるのでしょうか

「例えば、相手に偽の離婚届を見せて『このとおり妻とは離婚の話がついている。明日には提出するつもりだ。その後は、君と結婚して一緒になる』と話した上で、『一緒に住むための不動産を購入するが、その手付金500万円を支払わないといけない。購入費用のために田舎の不動産を売るつもりだが、当座の手付金が手元にない。これを立て替えてくれないか』などとお金を騙し取り、そのまま行方をくらましてしまうといったケースが結婚詐欺になります。

ほかの例だと、『君と結婚するために、まずは妻と離婚を成立させないといけない。妻は慰謝料として300万円を要求している。だが、私には手持ちのお金がない』と言ってお金を出させたものの、実際には妻と離婚する話は架空。お金は妻に渡されるものではなく、相手男性が遊興費に使うためのものだったというケースでも、詐欺が成立しえます」

●既婚者だと知っていた場合は難しい

ーー財産を騙し取るというのがポイントなんですね

「はい。ただ、結婚詐欺に当たらない場合であっても、社会通念上、許されない違法と評価される行為がある場合は民法上の不法行為になり、慰謝料の請求ができる場合があります。

過去には、1年10カ月もの間、離婚協議をしていることや離婚が成立した場合には結婚するつもりであることを繰り返し伝え、避妊することなく性行為を継続しているような事例で、70万円の慰謝料の請求が認められた裁判例もあります。

ただ、相手が既婚者であることを知っている場合は、被害者側の落ち度も大きいと評価されるため、不法行為であると認めてもらうのは容易ではありません。事情によっては例外的に慰謝料請求が認められることもありえますが、基本的には難しいと考えるべきでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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