16846.jpg
「ドローン」で侵入者を上空から撮影ーー多彩な「新型機体」集結、展示会を歩いてみた
2015年05月20日 22時40分

無人飛行機「ドローン」を集めた国内初の展示会「国際ドローン展」が5月20日、千葉市・幕張メッセで開幕した。国内外のメーカーなど50社・67ブースが出展。ドローンの活用を目指す事業者や、ドローンの開発・設計者らが会場を訪れ、各社の技術を見て回っていた。開催は22日まで。

ドローンは今年4月、首相官邸屋上で発見されたことなどから「規制論」が一気に盛り上がりを見せている。東京都が都立公園・庭園での使用禁止を通知したほか、自民党が国会など重要施設の上空を飛行禁止にし、違反者に刑事罰を科す素案をまとめたと報じられている。

ただ、「規制」を考えるためには、そもそも「ドローン」とはいったいどんなものなのか、そしてどのように利用されようとしているのか、その現実を知っておくべきだろう。ドローン展を歩いてみた。(取材・渡邉一樹)

無人飛行機「ドローン」を集めた国内初の展示会「国際ドローン展」が5月20日、千葉市・幕張メッセで開幕した。国内外のメーカーなど50社・67ブースが出展。ドローンの活用を目指す事業者や、ドローンの開発・設計者らが会場を訪れ、各社の技術を見て回っていた。開催は22日まで。

ドローンは今年4月、首相官邸屋上で発見されたことなどから「規制論」が一気に盛り上がりを見せている。東京都が都立公園・庭園での使用禁止を通知したほか、自民党が国会など重要施設の上空を飛行禁止にし、違反者に刑事罰を科す素案をまとめたと報じられている。

ただ、「規制」を考えるためには、そもそも「ドローン」とはいったいどんなものなのか、そしてどのように利用されようとしているのか、その現実を知っておくべきだろう。ドローン展を歩いてみた。(取材・渡邉一樹)

●「スマホ」を機体に搭載、利用方法を研究

5月20日午後、幕張メッセの国際展示場は、スーツ・ワイシャツ姿のビジネスパーソンでごった返していた。国際ドローン展は日本能率協会が主催する展示会「TECHNO-FRONTIER 2015」の一部となっている。

会場には大きさ、形、利用目的が違う多彩なドローンが展示されていたが、まず目に入ったのが「スマートフォン」を搭載した小型のドローンだった。

この製品は、研究者・開発者が、ドローンの多様な利用方法を研究するために使う「開発キット」としてつくられたものだという。参考用として、スマートフォンのカメラで人間を認識して追跡したり、障害物を避けたりするリファレンスアプリが付属しているが、技術者が自分でプログラムを書いて、好みの用途で使うことを想定している。今夏発売予定で、価格は10万円以内とのことだ。

本体にプロペラが4〜6個ついた形状が多いなか、「飛行機型」のドローン=写真左=も目を引いた。こちらは研究開発機で、将来的には時速150キロ・航行距離100キロで飛ぶことを目指しているそうだ。

セキュリティ会社による「小型飛行監視ドローン」=写真右=も展示されていた。こちらは、通常の建物セキュリティシステムのオプションという位置づけ。侵入者がセンサーに引っかかった場合に自動で出動し、侵入者を見つけて撮影。その画像をセキュリティ会社に送信する。人間が駆けつける前の状況把握や、不審な車のナンバー撮影といった使い方が想定されているということだった。

会場にはそのほかにも、自然災害・事故の際に人が入れない場所を撮影するための機体や、山岳エリアに荷物を運搬することを想定したドローン、高速道路のヒビなどを点検するためのドローン、純粋なレジャー用など、さまざまな用途・形状のドローンがずらりと並んでいた。

●「飛行実演エリア」初めて触った人でも簡単操作

会場の一角には、緑色の安全ネットに囲まれた「実演エリア」もあった。中にいた担当者に聞いてみたところ、たまたまちょうど飛行させるタイミングだったそうで、その様子を撮影させてもらうことができた。飛ばした機体はレジャー用で、重さはわずか400グラム。タブレットやスマホのアプリで操作するのだという。

動画1:https://www.youtube.com/watch?v=p4014K8FnA4

動画2:https://www.youtube.com/watch?v=-dxDJ6vngWo

動画3:https://www.youtube.com/watch?v=yJoQHCuCAws

さすがレジャー用というだけあって操作もかなり単純化されているようで、今日展示会場で初めて触ったという女性が、すいすいとドローンを操っていた。キュンキュンとモーター音をさせながら、軽快に飛びまわる様子は、かなり「遊び心」をそそられた。

●出展者は「ドローン規制」をどう思う?

こうした「ドローン」は、どのように規制していくべきなのだろうか。会場の人たちに「ドローン規制」をどう思うかと聞いて回ったところ、「飛ぶものは必ず落ちるので、安全という意味でも、規制は考えていかないといけないですね。無尽蔵に飛ばれても困りますし」

「メーカーとしては規制に従うしかありません。何らかの規制が入るのは当然と思います」といった反応が寄せられた。

一方で、過剰な規制を懸念する、次のような声もあった。

「ガッチガチな規制になると、技術の発展を阻害してしまいます。たとえば、ラジコンヘリの愛好家たちは以前から、お互いにマナーを教え合いながら、他の人に迷惑をかけないように自主規制をしてきています。

ドローンは初心者でも飛ばせるので、一気に人が入ってきた、というのが現状でしょう。ユーザー側がモラルを高めて、他人に迷惑をかけないようにし、ガチガチすぎないルールの上で使えるような世の中になってほしいと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る