大麻の検挙者数における若年層の割合が7割を超え過去最高となる中、厚生労働省と都道府県は5月1日から6月30日までの2カ月間、不正大麻・けし撲滅運動を展開する。
SNSではけしの花の写真も投稿されており、厚労省は違法とみられるけしや大麻を発見した場合は通報するよう呼びかけている。
●30歳未満の若者で増加傾向
厚労省によると、2023年の大麻事犯における検挙人数は6703人で前年の5546人と比べ1157人増えた。
このうち30歳未満は4887人と全体の72.9%に上り過去最高。検挙人数に占める割合は2016年から増加が続いている。
厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課の担当者は「理由を一つに絞ることはできないが、不正な販売サイトへ誘導したり、仲間内で取引したりなど、SNSで簡単に手に入る状況があるのではないか」と話す。
●けしの花はこれからがピーク
厚労省によるとけしの花は5月から6月にかけて、最もよくみられるという。
違法のケシ(ソムニフェルム種)はつぼみがキャベツの葉のような白味を帯びた緑色をしており、表面にはほとんど毛がない。花びらが4枚で、色は赤、桃、紫、白などがあり、多数の花びらがついた八重咲きの花もあるという。
同じく違法のアツミゲシ(セティゲルム種)はケシと同じくつぼみは緑色だが、下の茎に毛がある。また花びらは4枚で薄紫や赤があり、ソムニフェルム種と比べ小形だという。
一方で、オニゲシやアイスランドポピー、ヒナゲシなどは違法ではない。
違法なけし(厚労省のポスターから引用)
●大麻やけしの除去、大幅に増加 見つけたら通報を
厚労省の2024年度の除去状況によると、大麻は312万3488本(前年度比109万2949本増)、ケシは92万4639本(同23万2778本増)で、どちらも前年度に比べ大幅に増加した。
厚労省では不正栽培もしくは自生している大麻やけしを見つけたときは、最寄りの各地方厚生(支)局麻薬取締部(支所)、各都道府県業務主観課、保健所、警察署などに通報するよう呼びかけている。