17277.jpg
尾瀬ガイド協会「たくさんのお花、まるで女性専用車」など不適切ツイート連発、謝罪文が話題に
2021年09月03日 11時51分

ツイッターでの不適切な発信をめぐって、尾瀬ガイド協会がウェブサイトに掲載した報告書が、「謝罪文のお手本」だとネットで話題になっている。問題点の調査に当たっては弁護士も関与し、原因について「人権感覚や差別に関する意識が低かった」などとまとめている。

協会は当面、SNSの運用を休止し、人権などについての勉強会を実施する予定。一連の投稿の責任をとって、会長と専務理事が辞任、投稿したガイドを除名などの処分をおこなう。

一連の投稿をめぐっては8月23日に、山本一太群馬県知事が理事長を務める「尾瀬保護財団」からも抗議文が出ていた。

ツイッターでの不適切な発信をめぐって、尾瀬ガイド協会がウェブサイトに掲載した報告書が、「謝罪文のお手本」だとネットで話題になっている。問題点の調査に当たっては弁護士も関与し、原因について「人権感覚や差別に関する意識が低かった」などとまとめている。

協会は当面、SNSの運用を休止し、人権などについての勉強会を実施する予定。一連の投稿の責任をとって、会長と専務理事が辞任、投稿したガイドを除名などの処分をおこなう。

一連の投稿をめぐっては8月23日に、山本一太群馬県知事が理事長を務める「尾瀬保護財団」からも抗議文が出ていた。

●「アフガン」に比べたら幸せ

直接的に問題になったのは、今年8月21日に投稿した次のツイートだったという。

「例え、都市部がほぼほぼロックダウン状態になったとしても、貴方の心と尾瀬の湿原は広大です。アフガニスタンやミャンマー、ロヒンギャに比べれば幸せです」

協会が9月2日に掲載した報告書ではこの投稿について、必死で命をつないでいる人たちの苦境を「尾瀬の素晴らしさを引き立たせるための引き合いに出すことなど、言語道断です。極めて差別的な投稿であるといわざるを得ません」と強く非難している。

●ほかにも問題ツイート多数

協会のアカウントはほかに、次のようなツイートもしていた。

「現在、たくさんのお花が開花中!まるで、女性専用車です たくさんの『とってもいい香り』思わず、息を吸い込みます」

「貴方だけにこっそりお伝えします ベラルーシの女性の平均身長は 166cmです。ベラルーシはロシアやウクライナ、ポーランド、リトアニアに囲まれた国です。このあたりは美人が多い国で有名です」

「貴方だけにこっそりお伝えします なぜ、『ベラルーシは美人が多いのか?』お母さんもお父さんも美人(イケメン)が多いからです」

報告書では、「多くの女性に嫌悪感を与えるセクシャルハラスメント的投稿」「典型的な人種差別・民族差別的投稿」「外見差別(ルッキズム)の発露」などと、個別の問題点を示して、不適切であったとしている。

●過去の謝罪文に「問題を矮小化するような表現」と再謝罪

ネットで問題が指摘されたことを受けて、同協会は8月23日にもウェブサイトに、「人種差別だと受け取られかねない」などとする謝罪文を掲載した。しかし、この謝罪文もネットで批判され、「人権侵害の表現を含む不適切な内容」と表現を訂正したという。

この点について今回の報告書では、「人種差別だと受け取られかねない」と、問題を矮小化するような表現を使っていたと指摘。「身内をかばうかのような謝罪文を作成・掲載した」などとして、対応を担当した専務理事が辞任する。

これまでのSNS運用について、「自らと同じ価値観を持った仲間うちでの閉鎖的な会話と同じように、公式アカウントを用いて、極めて不適切な運用を行ったことも大きな問題でした」などとも言及した。

この報告書についてネットでは、「『誤解を招いた』的な謝罪ではなく、問題の所在を明らかにしていて、参考になる」などといった感想が出ている。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る