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天皇陛下の愛車「1991年製インテグラ」の自動車税はいくら? そもそも納税義務は?
2017年11月22日 10時16分

車好きとしても知られる天皇陛下。今年12月23日で84歳をお迎えになるが、皇居内では自らハンドルを握られることもあるようだ。自動車情報誌「ベストカー」web版が、宮内庁に問い合わせ、記事(11月9日配信)にしている。

記事によると、陛下は今もホンダの「インテグラ」に乗られているという。朝日新聞は、1991年式(2代目)で排気量1600ccのマニュアル車だと報じている。当時の価格は120万円程度だという。

30年近くも前の車だが、税金はどのくらいかかるのだろうか。そもそも天皇陛下も税金をお納めになるのだろうか。インテグラが天皇陛下の個人所有で、車検証上の名義人として登録されている想定で、冨田建税理士に聞いた。

車好きとしても知られる天皇陛下。今年12月23日で84歳をお迎えになるが、皇居内では自らハンドルを握られることもあるようだ。自動車情報誌「ベストカー」web版が、宮内庁に問い合わせ、記事(11月9日配信)にしている。

記事によると、陛下は今もホンダの「インテグラ」に乗られているという。朝日新聞は、1991年式(2代目)で排気量1600ccのマニュアル車だと報じている。当時の価格は120万円程度だという。

30年近くも前の車だが、税金はどのくらいかかるのだろうか。そもそも天皇陛下も税金をお納めになるのだろうか。インテグラが天皇陛下の個人所有で、車検証上の名義人として登録されている想定で、冨田建税理士に聞いた。

●天皇陛下といえど、税金は払わないといけない?

冨田税理士によると、皇族だからといって納税が全て免除されるわけではないという。たとえば、所得税法と皇室経済法では、内廷費(日常の費用等)と皇族費(品位保持のための費用)を非課税としている(所得税法9条1項12号、皇室経済法4条1項、同6条1項)。言い換えると、税法の条文上、皇族の免除規定がない税金は通常通り納税されると考えられるそうだ。

「一例として、陛下は昭和天皇からの相続に際し、約4億2800万円の相続税を麹町税務署に納税されています(読売新聞1989年7月8日朝刊など)」

前述のベストカーの記事では、自動車関連の納税について、宮内庁が「一般車と同じ」と回答している。実際、自動車税を定めた地方税法や自動車重量税法には、税金の納税義務者や非課税の範囲を規定しているが(地方税法146条・自動車重量税法4~5条)、皇族の免除規定は見られない。

では、1991年式インテグラのために、年間どのくらいの税金を納める必要があるのだろうか。冨田税理士によると、関係するのは、自動車税と自動車重量税だ。

自動車税は用途や排気量などで税額が変わる。陛下のインテグラの排気量は1600ccのようなので、標準的な自動車の場合は年額3万9500円となる。ただし、インテグラは環境負荷が大きい自動車と考えられるため、3万9500円に15%が加算(百円未満端数処理)され、年額4万5400円を納税されていると見られる。

一方、車検時には自動車重量税を支払う。ベストカーによると、陛下のインテグラのグレードは「RX」だという。車体重量は1030kgだ。「2年ごとに車検を行う自家用・エコカー減免適用なし・エコカー以外・1991年式のため18年経過」との想定で、国土交通省の自動車重量税の早見表を参照する限りでは、2年の車検ごとに3万7800円を納めていらっしゃるようだ。

冨田税理士は、「陛下がこのようなご趣味をお持ちですと、国民として愛着がわきますね。国民から愛される陛下として、健康でご長寿を保って頂きたいと思います」と話していた。

【取材協力税理士】

冨田 建(とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士

42都道府県で不動産鑑定業務の経験があり著書「弁護士・公認会計士・税理士のための不動産の法令・評価の実務Q&A」や雑誌・税理士会会報等に数回執筆。公認会計士協会東京会第四回音楽祭で自作曲「ふどうさんのうた」で優勝。

事務所名   : 冨田建 不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所

事務所URL:http://tomitacparea.co.jp/

(弁護士ドットコムニュース)

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