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「Fランク大学」というネット掲示板の書き込み、名誉毀損にあたるのか?
2013年02月27日 18時15分

入試シーズンまっただ中の季節だが、受験生の間で使われる言葉に「Fランク大学」というものがある。もともとは、不合格者が少ないために、合否の分かれ目となる偏差値のボーダーラインが設定できないような大学を「ボーダー・フリーの大学」と呼んだことに由来するようだが、いわゆる「誰でも受験すればほぼ入学できるような大学」を指して使われることが多い。

インターネット総合掲示板「2ちゃんねる」では「Fランク大学」に関するスレッドも存在し、そのような大学のことを「底辺大学」「偏差値が低い」などと揶揄する書き込みも見られる。

このようにネット掲示板やブログで、特定の大学のことを「Fランク大学」または「Fラン」と呼んで、馬鹿にしたような書き込みをすることは名誉毀損にあたるのだろうか。もしその大学が、書き込んだ人物に対して損害賠償を請求した場合、認められるのだろうか。梅村正和弁護士に聞いた。

●社会的評価を下げたら「名誉毀損」か「侮辱」にあたる

「まず、前提として、刑法の面から見ると、『Fランク』等の言葉によって、事実を摘示して人や法人の社会的評価を低下させたとみられれば名誉毀損罪(230条)、事実を摘示しないで単に侮辱したという場合は、それより刑が軽い侮辱罪(231条)となります。

民事の損害賠償では、名誉毀損と侮辱が明確に区別されているわけではありませんが、おおむね刑法と同じような考え方をします。刑法上、侮辱罪は名誉毀損罪よりも刑がかなり軽いですから、民事上も単に侮辱しただけというだけならば、名誉毀損の場合より、損害額は小さいとなるでしょう」

つまり、具体的な事実を示しているかどうかで「名誉毀損」なのか「侮辱」なのかに分かれ、侮辱の場合は、名誉毀損よりも程度が軽いというわけだ。

●単なる「侮辱行為」も悪質性が高ければ、損害賠償の可能性がある

では「Fランク」という言葉はどうなのだろう。その点について、梅村弁護士は次のように述べる。

「『Fランク』という言葉が、予備校による大学ランキングの客観的評価基準として使われていない場合は、具体的な事実を摘示しているわけではなく、人に対して『バカ』『アホ』と言っているのと同様といえます。

したがって、それによって社会的評価を低下させたといえるならば『侮辱行為』ということになります。そして、回数や執拗さなどで悪質性が高いと、刑事事件になったり、民事上の損害賠償を請求される可能性があります」

実は、「Fランク」という言葉は現在、予備校が直接的に大学ランキングの中で使っているわけではなく、偏差値が低いとみられるような大学のことをさして、ネットなどで使われているというのが実際のようだ。つまり、人のことを『バカ』や『アホ』と表現するのと同じといえるので、名誉毀損というよりは「侮辱」に近いといえそうだ。

そして、梅村弁護士が指摘しているように、単なる「侮辱行為」といっても、「回数や執拗さなどで悪質性が高ければ、民事で大学から損害賠償を請求される可能性がある」ということなのだ。ネットでは当たり前のように使われる「Fランク」という言葉だが、掲示板やブログに書き込むときは、そのようなリスクもあるということを頭に入れておいたほうがいいだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

入試シーズンまっただ中の季節だが、受験生の間で使われる言葉に「Fランク大学」というものがある。もともとは、不合格者が少ないために、合否の分かれ目となる偏差値のボーダーラインが設定できないような大学を「ボーダー・フリーの大学」と呼んだことに由来するようだが、いわゆる「誰でも受験すればほぼ入学できるような大学」を指して使われることが多い。

インターネット総合掲示板「2ちゃんねる」では「Fランク大学」に関するスレッドも存在し、そのような大学のことを「底辺大学」「偏差値が低い」などと揶揄する書き込みも見られる。

このようにネット掲示板やブログで、特定の大学のことを「Fランク大学」または「Fラン」と呼んで、馬鹿にしたような書き込みをすることは名誉毀損にあたるのだろうか。もしその大学が、書き込んだ人物に対して損害賠償を請求した場合、認められるのだろうか。梅村正和弁護士に聞いた。

●社会的評価を下げたら「名誉毀損」か「侮辱」にあたる

「まず、前提として、刑法の面から見ると、『Fランク』等の言葉によって、事実を摘示して人や法人の社会的評価を低下させたとみられれば名誉毀損罪(230条)、事実を摘示しないで単に侮辱したという場合は、それより刑が軽い侮辱罪(231条)となります。

民事の損害賠償では、名誉毀損と侮辱が明確に区別されているわけではありませんが、おおむね刑法と同じような考え方をします。刑法上、侮辱罪は名誉毀損罪よりも刑がかなり軽いですから、民事上も単に侮辱しただけというだけならば、名誉毀損の場合より、損害額は小さいとなるでしょう」

つまり、具体的な事実を示しているかどうかで「名誉毀損」なのか「侮辱」なのかに分かれ、侮辱の場合は、名誉毀損よりも程度が軽いというわけだ。

●単なる「侮辱行為」も悪質性が高ければ、損害賠償の可能性がある

では「Fランク」という言葉はどうなのだろう。その点について、梅村弁護士は次のように述べる。

「『Fランク』という言葉が、予備校による大学ランキングの客観的評価基準として使われていない場合は、具体的な事実を摘示しているわけではなく、人に対して『バカ』『アホ』と言っているのと同様といえます。

したがって、それによって社会的評価を低下させたといえるならば『侮辱行為』ということになります。そして、回数や執拗さなどで悪質性が高いと、刑事事件になったり、民事上の損害賠償を請求される可能性があります」

実は、「Fランク」という言葉は現在、予備校が直接的に大学ランキングの中で使っているわけではなく、偏差値が低いとみられるような大学のことをさして、ネットなどで使われているというのが実際のようだ。つまり、人のことを『バカ』や『アホ』と表現するのと同じといえるので、名誉毀損というよりは「侮辱」に近いといえそうだ。

そして、梅村弁護士が指摘しているように、単なる「侮辱行為」といっても、「回数や執拗さなどで悪質性が高ければ、民事で大学から損害賠償を請求される可能性がある」ということなのだ。ネットでは当たり前のように使われる「Fランク」という言葉だが、掲示板やブログに書き込むときは、そのようなリスクもあるということを頭に入れておいたほうがいいだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

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