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「小室圭さんだけじゃない!」司法試験不合格を報じられた異色弁護士「崖っぷちの重圧」を語る
2021年11月20日 08時14分
#司法試験

試験に落ちたことを全国民にさらされる。そんな過酷なことがあるだろうか。秋篠宮家の長女・眞子さんと結婚した小室圭さんのことである。

しかし、弁護士業界には他にも「司法試験不合格」を新聞に書かれた人物がいる。法律家とプロレスラーの「二刀流」で活動する川邉賢一郎弁護士(39)だ。

東大法学部卒の法曹界“ドラ1”候補だったが、新旧司法試験で計4度不合格。新司法試験3度目のラストチャンス(当時は5年間で3回という受験制限があった)で合格を果たし、「スリーカウント」から自力で脱出した苦労人でもある。

生まれ育った横浜に根差した「庶民派」の弁護士として、また「剛馬」のリングネームで現役バリバリのプロレスラーとして活躍する異色の二刀流を取材した。(執筆家・山田準)

試験に落ちたことを全国民にさらされる。そんな過酷なことがあるだろうか。秋篠宮家の長女・眞子さんと結婚した小室圭さんのことである。

しかし、弁護士業界には他にも「司法試験不合格」を新聞に書かれた人物がいる。法律家とプロレスラーの「二刀流」で活動する川邉賢一郎弁護士(39)だ。

東大法学部卒の法曹界“ドラ1”候補だったが、新旧司法試験で計4度不合格。新司法試験3度目のラストチャンス(当時は5年間で3回という受験制限があった)で合格を果たし、「スリーカウント」から自力で脱出した苦労人でもある。

生まれ育った横浜に根差した「庶民派」の弁護士として、また「剛馬」のリングネームで現役バリバリのプロレスラーとして活躍する異色の二刀流を取材した。(執筆家・山田準)

●小室さんの不合格報道に喝! 「均衡点を超えている」

小室圭さんの、米ニューヨーク州の弁護士試験不合格報道に、違和感を覚える人は少なくない。日米で司法試験制度の違いはあるにしても、難関試験であることには変わりない。合格の苦労を知るからこそ、日本の弁護士からも小室さんに同情的な声が多くあがっている。

川邉弁護士もその一人で、前向きに頑張る人間のネガティブな情報を積極的に発信する風潮に、異を唱えている。

「小室さんの司法試験の不合格を取り上げる報道を見ていると、行き過ぎと言うか、プライバシーと報道の自由の均衡点を失っている気がします。小室さんが訴えていないので問題にはなっていませんが、法に触れる可能性はあると思います。社会的評価が低下すれば名誉毀損ですし、プライバシー侵害の問題にもなりえます。これがプロレスラーであれば、おいしい話題と言えなくはないですが…」(川邉弁護士)

業務中の川邉弁護士。スーツ越しでも体格の良さが伝わってくる。

●ラストチャンスで合格、「スリーカウント寸前」からの逆転劇!

川邉弁護士は旧司法試験で2度、新司法試験でも2度、受験に失敗している。プロレスラーも芸人同様、自身の失敗談をネタにするタフさが不可欠。川邉弁護士もプロレスラーとして「不合格会見」を開き、話題を振りまいたことがあったが、心中は穏やかではなかったという。

「特に、ラストチャンスだった(新司法試験)3度目の受験はつらかったですね。プロレスならツーカウントまで入っていて、まさにスリーカウント寸前。もう試験に落ちることができない。落ちたら自分が何者でもなくなってしまう。ずっとそんな重圧と戦いながら勉強していました。夜中に急に起きて叫びたくなる。実際、枕に顔を埋めて叫んだことは何度もありました。だから、小室さんの思いもわかる気がします」(川邉弁護士)

複雑な思いを抱きながら、小室さんの結婚会見を見ていたという川邉弁護士。周囲の重圧と戦いながら会見に臨む小室さんの姿に、共感を覚えたという。

「これまでの経緯や事の真偽はわかりませんが、少なくても今回の(結婚会見の)対応はすごく立派だと感じました。ぐずぐず言い訳したり、逆に真っ赤になって反応したりせず、淡々と対応していた。

もちろん結婚を祝福しています。今回の試験は残念でしたが、小室さんはスリーカウントどころか、まだワンカウントですから。今はガーっと言われていますが、トラブルも解決し、晴れて弁護士試験にも合格して、日本中を見返す大逆転劇も十分あると思います」(川邉弁護士)

●弁護士プロレスラーは日本初、コスチュームはオーダーメイドスーツ!

2011年5月にスリーカウントをはねのけ司法試験に合格。司法修習期間中の活動休止をへて、2013年6月に日本初の弁護士レスラーとしてリングに立った川邉弁護士。胸囲140cmのイタリア製のオーダーメイドスーツに身を包み、約3600ページ、重さ約2㎏の「模範六法」を武器(比喩ではない)にリングで暴れまわっている。ちなみに、この模範六法が発行元の三省堂から「寄贈」されているというから、何とも粋な計らいで面白い。

プロレスラー・剛馬(2021.7.27新木場|提供)

リングネームは剛馬(竜剛馬から改名)、入場テーマ曲は映画「ロッキー3」の主題歌で、ハルク・ホーガンらも使っていた「Eye of the Tiger」(Survivor)、掛け声は「ショアッ!」、得意技は「六法クラッチ」「模範六法での殴打」「ジャンピングネックブリーカードロップ」――。本業の弁護士としてはもちろん、プロレスラーとしても絶対に手を抜かないのが、異色二刀流の流儀だ。

「以前、午後4時半まで、横浜の山下で法律相談を受け、その足で新幹線に飛び乗って、午後7時40分開始だった名古屋の試合に、ぎりぎり駆け込んだこともありました。その時は、法律相談の時から試合用のイタリア製スーツを着込み、そのままリングにも上がって…。純粋にプロレスが好きなんです。最高の刺激になっています(笑)」(川邉弁護士)

●弁護士も、プロレスラーも「お客あっての存在」

前代未聞の二刀流として、法廷とリングで活躍する川邉弁護士。横浜駅近くにある弁護士法人Next 横浜OFFICE」のロビーには、自身が所属する「プロレスリングBASARA」のプロレス興行ポスターが飾ってある。そんな弁護士事務所は恐らく、いや絶対に、他にはないだろう。

プロレスラー・剛馬の得意技は「模範六法での殴打」。分厚い模範六法をフル活用した攻撃は脅威!?

普段、法律事務所とは無縁の相談者にとって、川邉がスーツ姿でほほ笑む、そのポスターを見ただけで、肩の力が抜けるのではないだろうか。その意味で、日本一敷居の低い法律相談所と言えるかもしれない。

「自分も生まれ育った、この横浜の地に根差した法律事務所にしていきたいですね。ちょっと困ったらすぐ相談。本当に困る一歩二歩手前で、気軽に立ち寄ってほしい。『来なければ良かった』と思って帰られる人は、まずいないと思います。悩みを打ち明けたら、相談の半分は終わっています。一つ一つの相談に、オーダーメイドで応えていきたい」(川邉弁護士)

弁護士として相談者の不安、悩みを解決し、プロレスラーとしてファンに笑顔と元気を発信する。弁護士でも、プロレスラーでも、お客さんあってのサービス業という点は変わらない。弁護士とプロレスラーの共通点を聞くと、「他人のために闘うところ、負け方にも矜持があるところ」と即答した。

現在は月1回のペースでリングに上がり続ける川邉弁護士。ただでさえ多忙を極める弁護士業務と並行して、プロレスラーとして闘い続ける「前代未聞の挑戦」は、想像以上に難しい。

「プロレスラーとしては、一日でも長く生き残ることが目標です。冗談ではなく、それがどれだけ大変なことか、日々痛感していますから」(川邉弁護士)

世間の常識を覆す“二刀流”への挑戦は、大リーグの大谷翔平選手だけじゃない。「法廷」と「リング」で闘い続ける異色弁護士は「これから詐欺案件の対応がありまして。それでは失礼します」と、取材にスリーカウントを鳴らすと、足早に飛び出していった。

プロレスの入場シーンを再現する川邉弁護士。模範六法を小脇に入場し、イタリア製のオーダーメイドスーツに身を包みリングで戦う

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