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「笑笑」VS「わらわら広場」 モンテローザと任天堂の「商標バトル」の行方は?
2013年05月20日 13時45分

居酒屋チェーン「笑笑(わらわら)」の運営元として知られるモンテローザが、任天堂の家庭用ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」で使われる名称の商標登録をめぐり、特許庁に異議申し立てを行っていたことが4月下旬、明らかになった。

モンテローザが問題視しているのは、WiiUの起動時に現れる「わらわら広場」という画面。任天堂は3月に「Wara Wara」を商標登録したが、モンテローザもすでに「わらわら」「WARAWARA」を商標登録していた。同社は「笑笑」を有名にしたのは自社であり、任天堂の新たな登録は「便乗」だと主張している。

今回、問題となっている「商標登録」とはそもそも、どんな制度だろうか。このように異議申し立てがあった場合、どんな基準で判断されるのだろうか。石下(いしおろし)雅樹弁護士に聞いた。

●商標登録は、商標に蓄積された「信用」を保護する制度

「事業者が良質な商品やサービスの提供を続け、信用が積み重なると、商品等を識別する『商標(マークや名称)』に信用が蓄積され、消費者は、商標を信頼して商品等を選択するようになります。商標登録制度は、こうした商標を財産権として保護し、他社がこうした信用に便乗するような行為を防ぐ制度です」

このように石下弁護士は、商標登録制度の目的について説明する。そのうえで、今回の「わらわら」をめぐる争いについて、次のように解説する。

「今回の異議申し立ての理由は、報道等からみれば、『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』(商標法4条1項15号)にあたるケースと思われます。

つまり、モンテローザ社の主張の要旨は、『笑笑(わらわら)』という商標が周知又は著名であり、任天堂が『わらわら広場』という名称を使用すると、需要者(消費者)に、モンテローザ社のサービスとの混同を生じさせるおそれがある点だといえるでしょう」

●モンテローザの異議申し立ては認められるのか?

では、「混同のおそれがあるかどうか」は、どんな基準で判断されるのだろうか。

「大雑把にいえば、任天堂商標と『笑笑(わらわら)』との類似性、『笑笑(わらわら)』の周知著名性、任天堂商標の指定商品・サービスと『笑笑(わらわら)』のサービスとの関連性、顧客等の共通性、その他取引の実情等から総合的に判断されます」

石下弁護士はこう説明したうえで、次のように続ける。

「本件では、外観(見た目)や称呼(音)等から『笑笑(わらわら)』と『わらわら広場』が類似しているかどうかや、モンテローザ社のサービスと任天堂商標の指定商品等の相違などの取引の実情について、特許庁がどう認定するかが、判断の重要な要素になると思われます」

庶民に人気の居酒屋と家庭に普及しているゲーム機の「対決」ということで、世間の注目を集めている「わらわら」バトル。「笑笑」を経営するモンテローザとしては、「笑笑」どころか「怒怒」モードなのかもしれないが、居酒屋とゲーム機という点で、双方には違いがあるようにも思える。はたしてどのような結論がでるのか。特許庁の判断が注目される。

(弁護士ドットコムニュース)

居酒屋チェーン「笑笑(わらわら)」の運営元として知られるモンテローザが、任天堂の家庭用ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」で使われる名称の商標登録をめぐり、特許庁に異議申し立てを行っていたことが4月下旬、明らかになった。

モンテローザが問題視しているのは、WiiUの起動時に現れる「わらわら広場」という画面。任天堂は3月に「Wara Wara」を商標登録したが、モンテローザもすでに「わらわら」「WARAWARA」を商標登録していた。同社は「笑笑」を有名にしたのは自社であり、任天堂の新たな登録は「便乗」だと主張している。

今回、問題となっている「商標登録」とはそもそも、どんな制度だろうか。このように異議申し立てがあった場合、どんな基準で判断されるのだろうか。石下(いしおろし)雅樹弁護士に聞いた。

●商標登録は、商標に蓄積された「信用」を保護する制度

「事業者が良質な商品やサービスの提供を続け、信用が積み重なると、商品等を識別する『商標(マークや名称)』に信用が蓄積され、消費者は、商標を信頼して商品等を選択するようになります。商標登録制度は、こうした商標を財産権として保護し、他社がこうした信用に便乗するような行為を防ぐ制度です」

このように石下弁護士は、商標登録制度の目的について説明する。そのうえで、今回の「わらわら」をめぐる争いについて、次のように解説する。

「今回の異議申し立ての理由は、報道等からみれば、『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』(商標法4条1項15号)にあたるケースと思われます。

つまり、モンテローザ社の主張の要旨は、『笑笑(わらわら)』という商標が周知又は著名であり、任天堂が『わらわら広場』という名称を使用すると、需要者(消費者)に、モンテローザ社のサービスとの混同を生じさせるおそれがある点だといえるでしょう」

●モンテローザの異議申し立ては認められるのか?

では、「混同のおそれがあるかどうか」は、どんな基準で判断されるのだろうか。

「大雑把にいえば、任天堂商標と『笑笑(わらわら)』との類似性、『笑笑(わらわら)』の周知著名性、任天堂商標の指定商品・サービスと『笑笑(わらわら)』のサービスとの関連性、顧客等の共通性、その他取引の実情等から総合的に判断されます」

石下弁護士はこう説明したうえで、次のように続ける。

「本件では、外観(見た目)や称呼(音)等から『笑笑(わらわら)』と『わらわら広場』が類似しているかどうかや、モンテローザ社のサービスと任天堂商標の指定商品等の相違などの取引の実情について、特許庁がどう認定するかが、判断の重要な要素になると思われます」

庶民に人気の居酒屋と家庭に普及しているゲーム機の「対決」ということで、世間の注目を集めている「わらわら」バトル。「笑笑」を経営するモンテローザとしては、「笑笑」どころか「怒怒」モードなのかもしれないが、居酒屋とゲーム機という点で、双方には違いがあるようにも思える。はたしてどのような結論がでるのか。特許庁の判断が注目される。

(弁護士ドットコムニュース)

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