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巨人代表解任訴訟、清武氏に賠償命令――清武氏「どう喝訴訟だ」読売側「見当違いだ」
2014年12月18日 21時02分

プロ野球の読売巨人軍のコーチ人事をめぐり、不当な介入を受けたと記者会見で告発し、球団代表を解任された清武英利氏と読売側が損害賠償を互いに求めていた訴訟で、東京地裁(大竹昭彦裁判長)は12月18日、清武氏に計160万円の賠償を命じる判決を下した。清武氏の請求をすべて退けた。

2011年11月、球団代表をつとめていた清武氏は記者会見を開き、「鶴の一声でコーチ人事が覆った」「コンプライアンス違反だ」と、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長がコーチ人事に不当に介入したと告発した。

読売側は「会見の中で誤った事実を公表して読売新聞グループの信用を傷つけ、イメージを悪化させた」として、球団代表を含むすべての役職から清武氏を解任し、1億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。清武氏も「解任は不当だ」として、約6000万円の賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を起こし、訴訟合戦になっていた。今回、この2つの訴訟について、判決が下された。

プロ野球の読売巨人軍のコーチ人事をめぐり、不当な介入を受けたと記者会見で告発し、球団代表を解任された清武英利氏と読売側が損害賠償を互いに求めていた訴訟で、東京地裁(大竹昭彦裁判長)は12月18日、清武氏に計160万円の賠償を命じる判決を下した。清武氏の請求をすべて退けた。

2011年11月、球団代表をつとめていた清武氏は記者会見を開き、「鶴の一声でコーチ人事が覆った」「コンプライアンス違反だ」と、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長がコーチ人事に不当に介入したと告発した。

読売側は「会見の中で誤った事実を公表して読売新聞グループの信用を傷つけ、イメージを悪化させた」として、球団代表を含むすべての役職から清武氏を解任し、1億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。清武氏も「解任は不当だ」として、約6000万円の賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を起こし、訴訟合戦になっていた。今回、この2つの訴訟について、判決が下された。

●清武氏「読売側のやり方はスラップ訴訟だ」

判決後、清武氏は東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「主張が認められなかったのは、非常に残念だ」と述べ、控訴審で争う姿勢を示した。

解任のきっかけになった記者会見を開いたことについて、清武氏は「渡辺さんが(当時)確定していたコーチ人事に『俺は聞いていない』と発言したため、私は立ち上がった」と改めて正当性を強調した。

また、清武氏は今回の訴訟以外にも、読売側から複数の訴訟を起こされているとして、「読売側のやり方はスラップ(どう喝)訴訟だ」と主張。「言論ではなくて、訴訟によって相手を叩こうという姿勢は、文字通り『スラップ』だと思う」と力説した。

●読売・桃井氏「コンプライアンス違反が明らかに」

この日、同じ司法記者クラブで、読売側の記者会見も開かれ、読売巨人軍の桃井恒和球団会長は次のようなコメントを読み上げた。

「本日の判決は、清武氏が取締役の法的義務に違反して記者会見を強行し、秘密情報を公表したと明確に認定し、取締役の解任が正当だったと認めました。

また、渡辺恒雄会長が『鶴の一声』でコーチ人事を覆したなどとした清武氏の発言は名誉毀損だと認めました。妥当な判決であり、清武氏こそコンプライアンスに違反したことが明らかになったと考えます」

桃井氏によると、「(渡辺会長も)今回の判決を受けて喜んでいる」という。

清武氏が「スラップ訴訟だ」と主張していることについては、「全然見当違いだと思う。こちらの損害があれくらいになると考えて訴訟を起こした」と正当性を強調した。

(弁護士ドットコムニュース)

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