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女性がコンドームに穴を空けて「妊娠」 相手男性は「認知」を拒めるか?
2013年03月20日 13時30分

結婚前の性交渉では避妊のためにコンドームを使うのが一般的だ。しかし男性が避妊したいのに、相手の女性は妊娠したいというケースもあり、なかには、わざわざコンドームに穴を空けて妊娠を試みる女性がいるという。

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」には、「こっそりコンドームに穴を空けられ、元彼女が妊娠してしまいました」という男性の相談が寄せられている。男性には女性と結婚する意思はなく、「できることなら中絶してほしい」と伝えている。しかし元カノは聞く耳を持たず、「シングルマザーになったとしても産むの一点張りです」というのだ。

このように、女性が交際相手の知らないあいだにコンドームの穴を空けて、その結果として妊娠してしまった場合、男性の「責任」はどうなるのだろうか。もし彼女が出産した場合、男性は認知や養育費の支払いを拒否できるのだろうか。足立敬太弁護士に話を聞いた。

●「認知」において重要なのは「血縁関係があるかどうか」

そもそも「認知」とは、法律的にどういうことなのだろうか。足立弁護士は次のように説明する。

「認知とは、婚姻外(=結婚していないカップルの間)に生まれた子を、血縁上の(=血の繋がった)父母が、自己の子であると認めることです。つまり、認知において重要なのは『子と親との間に血縁上の関係があるか』という点です」

このように述べたうえで、足立弁護士は次のように続ける。

「女性がコンドームに穴を開けたことを男性に隠して行為に及び、その結果として女性が妊娠したというケースの場合、男性にしてみれば大変納得いかない結果だと思います。しかし、判断基準は『血縁上の関係の有無』です。したがって、DNA鑑定などにより血縁関係があると判断されれば、男性がどんなに認知を拒んでも、最終的には裁判で認知させられる可能性が大です」

つまり、そこに至る過程がどうであろうと、子との間に血縁関係があれば、「認知」せざるをえないということだ。

●「認知」が行われるためには母や子の「請求」が必要

「認知後は、男性に子の養育費の支払義務が生じますし、男性が死亡したとき、子は相続人になります」

したがって、自分の子である以上、養育費も負担しなければいけないということになる。ただ、子の認知が行われるためには、だれかが請求する必要がある、という。

「認知は自動的に行われるものではなく、母・子の請求があって行われます(父からの請求も可能です)。したがって、今回のケースでは、まずは当事者間で、認知についてお互いの考え方を話し合うことが重要です」

自分の知らないあいだにコンドームに穴を開けられ、女性が妊娠してしまった場合、男性としては納得がいかないかもしれない。しかし、生まれてくる子どもにとっては、実の父親は一人しかいない。子どものことを考えれば、父親としての責任を引き受けざるをえないということなのだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

結婚前の性交渉では避妊のためにコンドームを使うのが一般的だ。しかし男性が避妊したいのに、相手の女性は妊娠したいというケースもあり、なかには、わざわざコンドームに穴を空けて妊娠を試みる女性がいるという。

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」には、「こっそりコンドームに穴を空けられ、元彼女が妊娠してしまいました」という男性の相談が寄せられている。男性には女性と結婚する意思はなく、「できることなら中絶してほしい」と伝えている。しかし元カノは聞く耳を持たず、「シングルマザーになったとしても産むの一点張りです」というのだ。

このように、女性が交際相手の知らないあいだにコンドームの穴を空けて、その結果として妊娠してしまった場合、男性の「責任」はどうなるのだろうか。もし彼女が出産した場合、男性は認知や養育費の支払いを拒否できるのだろうか。足立敬太弁護士に話を聞いた。

●「認知」において重要なのは「血縁関係があるかどうか」

そもそも「認知」とは、法律的にどういうことなのだろうか。足立弁護士は次のように説明する。

「認知とは、婚姻外(=結婚していないカップルの間)に生まれた子を、血縁上の(=血の繋がった)父母が、自己の子であると認めることです。つまり、認知において重要なのは『子と親との間に血縁上の関係があるか』という点です」

このように述べたうえで、足立弁護士は次のように続ける。

「女性がコンドームに穴を開けたことを男性に隠して行為に及び、その結果として女性が妊娠したというケースの場合、男性にしてみれば大変納得いかない結果だと思います。しかし、判断基準は『血縁上の関係の有無』です。したがって、DNA鑑定などにより血縁関係があると判断されれば、男性がどんなに認知を拒んでも、最終的には裁判で認知させられる可能性が大です」

つまり、そこに至る過程がどうであろうと、子との間に血縁関係があれば、「認知」せざるをえないということだ。

●「認知」が行われるためには母や子の「請求」が必要

「認知後は、男性に子の養育費の支払義務が生じますし、男性が死亡したとき、子は相続人になります」

したがって、自分の子である以上、養育費も負担しなければいけないということになる。ただ、子の認知が行われるためには、だれかが請求する必要がある、という。

「認知は自動的に行われるものではなく、母・子の請求があって行われます(父からの請求も可能です)。したがって、今回のケースでは、まずは当事者間で、認知についてお互いの考え方を話し合うことが重要です」

自分の知らないあいだにコンドームに穴を開けられ、女性が妊娠してしまった場合、男性としては納得がいかないかもしれない。しかし、生まれてくる子どもにとっては、実の父親は一人しかいない。子どものことを考えれば、父親としての責任を引き受けざるをえないということなのだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

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