5880.jpg
「被告人の自尊心を傷つけ、有罪の印象与える」法廷での手錠・腰縄の使用中止求め、佐賀県弁護士会が声明
2025年05月02日 09時53分
#佐賀県弁護士会 #手錠

佐賀県弁護士会は5月1日、刑事法廷内における入退廷時に被疑者・被告人に対して手錠・腰縄を使用しないことを求める会長声明を発表した。声明では、手錠・腰縄使用が被告人の人格権や無罪推定の権利を侵害する人権侵害行為だとして、「憲法及び国際人権法等に違反する」と指摘している。

法律では、公判廷で手錠や腰縄によって身体を拘束してはいけないことが定められているが、実際には、被告人が入廷するときは手錠・腰縄がつけられる運用となっている。こうした運用が違憲だとして国家賠償請求訴訟も提起されたが、最高裁は訴えを退けている。

佐賀県弁護士会は5月1日、刑事法廷内における入退廷時に被疑者・被告人に対して手錠・腰縄を使用しないことを求める会長声明を発表した。声明では、手錠・腰縄使用が被告人の人格権や無罪推定の権利を侵害する人権侵害行為だとして、「憲法及び国際人権法等に違反する」と指摘している。

法律では、公判廷で手錠や腰縄によって身体を拘束してはいけないことが定められているが、実際には、被告人が入廷するときは手錠・腰縄がつけられる運用となっている。こうした運用が違憲だとして国家賠償請求訴訟も提起されたが、最高裁は訴えを退けている。

●「被告人の自尊心を傷つけ、周囲に有罪との印象を与える」と警鐘

佐賀県弁護士会は声明で、「刑事法廷内で被告人等に手錠・腰縄を使用することは、被告人等の自尊心を傷つけ、羞恥心を抱かせるだけでなく、周囲に『この被告人は有罪である』との印象を与えるもの」と指摘。

近畿弁護士会連合会の2017年のアンケートでは、6割以上の被告人が「罪人であると思われていると感じた」、半数近くが「恥ずかしかった」と回答したことを紹介している。

また声明では、国や裁判所に対して、必要やむを得ない場合以外は手錠・腰縄を使用しないこと、刑事訴訟法に入退廷時の身体不拘束原則を明記すること、手錠・腰縄を使用しないための施設整備や逃亡防止のための物的・人的整備を講じることを求めている。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る